PVで伝えたいこと

「今度の週末は埼玉へ行こうか!」
そう言われて「イイネ!」と笑顔になる日本人はいったい何人いるのでしょうか。
FAAVOをご覧の皆様、はじめまして。
埼玉出身の映画監督 野本梢です。
今回、私は『ぜひ地元にきてほしいランキングの最下位』に選ばれた、地元埼玉を舞台にした映画をつくりたいと思っています。
実は私も最近知ったのですが、埼玉には「ヒガハス」という有名なスポットがあります。
「ヒガハス」とは、東北本線で東京から最も近い有名撮影地の蓮田~東大宮間のことです。(鉄道撮影用語集より)
誰に有名なのかというと「鉄道ファン」。ですが、ここでは万人が楽しめるとある絶景が見えます。そして、多い時には70人ものカメラを構えた方々が、その絶景をとらえようと集まるのだそうです。

そこから見える風景とはいったいどのようなものなのか?
その絶景を映像に収め、埼玉の新たな観光スポットとしてお見せしたい、そう思い今回私の地元を舞台にしたPVを作成することにしました!
また、私は過去、関西で「どこから来たの」と尋ねられ、つい「東京です」と答えてしまったことがあります。このように、うっかり見栄をはってしまった経験は誰しもあるのではないでしょうか。
場合によっては、そういったハッタリが益を成すことがあるかもしれませんが、私は自分をよりよく見せたいがためだけに思い出をすり替えたり、消してしまうことはもったいないと思います。私は、過去や現在の負い目にとらわれず、ありのままに生きても案外大丈夫なんじゃないかな、と思うのです。
そんな普遍的なテーマも据えて、埼玉を舞台に、埼玉という地元にも自分にも胸を張れるようになるPVを製作します!

▲笑顔の素敵な映画製作スタッフたち。スタッフへも、この製作を通じて埼玉を好きになってもらえるといいなと思います。
PVのあらすじ
【起】埼玉に劣等感を抱く撮り鉄じゅん

▲撮り鉄の集まりに参加しているじゅんとゆうじ
撮り鉄[とりてつ]とは、「鉄道ファン」の中でも、とりわけ列車の写真撮影行為を趣味とする層の総称である。(ニコニコ大百科より)
撮り鉄の集まりに参加しているじゅん(27)とゆうじ(27)。居住地を尋ねられ、「横浜」と答え、ウケのいいゆうじに対し、「蓮田」と答え、首を傾げられるじゅん。じゅんはゆうじに劣等感を抱いている。しかし、それを悟られぬよう、「昔はヤンキーだった」「多くの女を泣かせた」などと、見た目の冴えないゆうじに、見下した態度をとっている。それでもゆうじは飄々とじゅんの傍にいる。
あるとき、次の撮影場所を2人で考えていると、ゆうじは「やっぱり1回ヒガハスには行っておきたい」と言い出す。そこはまさにじゅんの地元。じゅんはバカにされることに恐怖を感じながらも、ゆうじに案内してほしいとせがまれ、いつものようにカッコつけて引き受けてしまう。
【承】じゅんの過去があらわに・・・

ゆうじが蓮田にやってくる。「何もなさそうだね」と言うゆうじに、怒ったじゅんは「有名なラーメン屋がある」と雑誌にも掲載された駅前のラーメン屋に案内する。そこで同級生の尚美(27)と遭遇。馴れ馴れしく接するじゅんに、尚美は困った様子。そして、ポツリ「ごめん、よく覚えてない」と…。軽いノリで返すが、落ち込むじゅん。更に移動中、近所のおじさんと出くわす。しつこく絡んでくるおじさんに、じゅんは至っていい子だったと明かされる。ゆうじに偽って振舞っていたことがバレ、自暴自棄になるじゅん。しかしゆうじは全く気にしていないようだ。
【転】ゆうじの行動に自分を見つめ直すじゅん

ヒガハスへ向かう田んぼ道。1人落ち込んでいるじゅん。ゆうじは「いい景色だね」とはしゃぐ。じゅんは立ち止まり、「ヒガハスには行かない」と言い出す。そしてリュックから電車の写真を取り出し、地面に叩きつける。「なにやってもダメだ…もう写真も辞めたい」と。ゆうじは「じゅんちゃんから写真とったら何が残るの」と大真面目に問う。ムッとするじゅん。すると突風で写真が飛んでいってしまう。ゆうじは無我夢中で追いかける。じゅんはゆうじを見つめる。ゆうじの姿に、友の存在の大きさに気づかされるのであった。
【結】絶景に2人のテンションも上がる

転んでしまったゆうじを助けるじゅん。じゅんはゆうじに「ありがとよ」とカッコつけて言う。そこに踏み切りの音が聞こえてくる。2人が顔を上げると田んぼの向こうを電車が走っている。2人はテンションが上がり、ヒガハス目指して走り出す。興奮してシャッターを切るじゅんに、ゆうじは「そういうほうがいいと思うよ」と上から目線。一瞬かっとなるじゅんだったが、「素直に今までごめん」と謝る。しかしゆうじは「何のこと?」と気にしていない。お目当ての電車がやってくる。2人は嬉しそうにカメラを構える。
製作スタッフ
監督:野本梢
出演:吉田貴幸、増本竜馬、山下ケイジ
撮影:白川祐介
助監督:小川和也
制作:北山由季
支援金用途
人件費35,000円
機材費10,000円
衣装代10,000円
施設費10,000円
美術費 5,000円
ポストプロダクション費 10,000円
広報費16,000
合計 96,000円
制作スケジュール
2014年1月ロケハン・衣装合わせ
2014年2月リハーサル・撮影・編集、完成
最後に
今までなんで埼玉育ちなのだろう、もっと絵になるところがよかったなどと思っていましたが、灯台もと暗し。意外と見どころはあるようです。今回の映像作品を通じて埼玉県外の方たちにはもちろんのこと、埼玉県内の方々にもヒガハスを知っていただき 、地元を見直すきっかけになってほしいと思います。埼玉が、皆さまの地元が、活気あふれるよう素敵なドラマを製作いたしますので、ご協力いただけますと嬉しいです。
起案者情報
野本梢
埼玉県在住。26歳。大学在学時より脚本の勉強を始める。その後スポーツジムやテレビ局で働く傍ら2012年より映像製作を始め、その年に製作した短編映画3本が映画祭にて上映された。
略歴
2012年 ニューシネマワークショップ 監督コース
実習作品『あたしがパンツを上げたなら』Movies-High13にて上映(新宿K'sシネマ)
実習作品『猫癖(ねこへき)』Movies-High13にて上映(新宿K'sシネマ)
2013年 飛騨高山映像祭 審査委員特別賞 『もう、いいかな。』
野本梢の過去作
『あたしがパンツを上げたなら』予告編
『猫癖(ねこへき)』予告編す