プロローグはひみつの工房で

今から書き綴る物語は、東京の西の端にある青梅市の、
そのまた片隅で語られている夢のお話なのデス。
古い映画看板の街、青梅。
でも、その昔は看板だけじゃなく、3軒も映画館があったんだ。
青梅の街は山々に囲まれ、その山々には杉の木がたくさん植樹されている。
林業人口が減ってしまったこの森の木々はやせ細り、豪雨の時には土砂崩れをおこしたり、春には花粉を撒き散らしぼくらを困らせる。
この山々を守ってきた林業の人々の手助けがしたい。
そのこと自体で街をにぎやかにする何かをしたい。
映画館は無理でも映画を上映できたり、街の人がイロンナ表現で集える場所を作りたい。
青梅杉で映画を上映できるスペースと、その看板代わりにツリーハウスを街中に作っちゃおう。そこをみんなを森に誘う場所にしよう。
そんな企みのお話しデス。
3 人で顔を会わせたのは2014年11月のある日。
場所はマッキーさんの工房だった。
古い建具とスクラップと廃材が所狭しと置かれ、そこかしこに立てかけられた材木からは木の香りが漂う。薪ストーブからのぱちぱちと火のはぜる音が響き、不思議な造形物に囲まれた。そんな空間でぼくはマッキーさんと中島君の青梅の森の議論に耳を傾けていた。
もちろん、お酒を片手にだけど。
どんな話だったかを書く前に、この物語の登場人物と、そして舞台となる場所の説明をちょっとだけしておこうって思う。
◆登場人物
マッキーさん:
café ころんを作る時のボランティアみんなのアドバイザー兼棟梁。廃材やスクラップを使った造形物を作り出す芸術家でもありながら、⾃ら森に⼊って⽊を切り出しログハウスを30 年も前から建てている、ログハウスのパイオニア的存在でもある人。そして街には彼が手がけたお店や造形物があちこちに点在する不思議な人。
中島君:
⻘梅の成⽊で林業を営む⻘年。日本の、そして東京都の林業が抱えるたくさんの問題に直⾯しながら、イロンナ人ともつながりつつ、林業で⽣活して⾏くこと、そして森を豊かにすることを夢⾒てる人。
てつ(ぼく):
⻘梅の片すみでシフォンケーキ屋「ちゃんちき堂」を営んでる。シフォンケーキを積みこんだリアカー「チキチキ5」で街を歩くリアカー引き。そして2014年の9月にcafé ころんをたくさんの方に応援してもらってオープンした。自分のできること、楽しめることで街を元気にしたいって思ってる。

◆舞台となるところ
café ころん:
クラウドファンドでもりふぉーむ資⾦の⼀部を⽀援していただいて、毎週多くのボランティアの⽅の⼒を借りて廃屋から5ヶ月かけて再⽣したレンタルカフェ。
レンタル料金はスペースによってシフォン2ピース(600円くらい)~10ピース(3,000円くらい)。
青梅の自営業を増やしたいって思って作った場所なので、格安!なはず。シフォンケーキは中で販売していいので、がんばるとレンタル料をお客さんから回収して、将来の飲食店開業に向けてのメニュー開発や自分のお店のファンを作ることが出来る場所。
自営業を開店するのにもたくさんのお金が必要だけど、維持するのにもやっぱりお金はかかるから、始める前にお店のコンセプトをしっかり作って、そしてファンもついてからいざ!ってできるような場所を作りたかったのデス。
2014 年9 月13 日のオープン以降、2015年3月現在で23組の方が、このcafé を利⽤して日々、将来の飲⾷店開業に向けたトライアルや様々なワークショップを開催している。

さてさて、
夜の20:00 くらいから顔を会わせた3 人。そして口を開くのは主にマッキーさんと中島君。時間軸は30 年前〜現代までをいったりきたりしながらたくさんの物語が語られた。
⻘梅の森が本来どれだけ豊かな可能性を秘めているかという話。
⻘梅の森は杉が植樹されているところが多いんだけど、まっすぐに伸びた杉達はとても加工がしやすい材なんだそうだ。⽊目もまっすぐでやわらかく、角材のまま柱にもなり、板にして床、天井材にもなる。
何よりこの地で育った物は、やっぱりこの地で使われることに適しているんだって。
Café ころんにも使われているけれど、切り出した丸太を⽊材に加工する際に出る廃材もペレット燃料になったり、薪になったり。
遥か遠くから膨大なエネルギーをかけて運んできて、温暖化ガスを発⽣させると取り返すことができない石油や天然ガスより、省エネルギーでぼくらの家を温めてくれる材料にもなる。そして発⽣したCO2 はまた森で⽊々の成⻑に使われ循環する……
⻘梅の森のかかえる問題
でも、同時に今の林業はたくさんの問題を抱えている。
「最近の家で柱がむき出しになってる家をみたことあるかい?」
マッキーさんがそう言った。
「そういえばないかも……」
「⽊は、どんなに工夫しても割れる。それが⽊の特性なんだよ。味なんだ。それを欠点という、欠陥という。だから 家を建てる時に⽊材は隠されてしまうようになった。人の目に触れないようになった」
「雨ざらしになった⽊材は腐っていくだろう。それが当たり前なんだ。だからちょっとメンテナンスしてやる。そうすれば今でもたくさんの建築物が残っているように⽊材は何世代にもわたって風合いを増し、残って⾏く。ちょっとした手間だけなんだけどね」
「⽊材や漆喰や、そんなものはこの国の風土にあったものなんだ。それを隠し、断熱し、呼吸の出来ない家を作り上げた。その結果、電気を使って24 時間換気するなんておかしいと思わないかい?」
人目から遠ざけられた材たちは、いつの間にか値段が安い海外の材に置き換えられてしまった。
⻘梅には⾏政機関を含めてたくさんの山主がいる。
そして、そこから請け負って(山主さん⾃身がやる場合もあるけれど)山の手⼊れをする人がいる。
でも、とても少なくなってしまったし、高齢化していて次の世代はより少なくなっている。
⽊材になる⽊の値段が下がってしまったからだそうだ。
「きちんと間伐しないといい⽊は育たない」
下草を刈って、枝打ちをして、間伐し、ある⾯積あたりの⽊の量を調節し、何⼗年かしてはじめて⽊は⽊材となり林業を営む⽅の糧となる。 でも、それは輸⼊材が⼊ってきたり、代替品がうまれたり、イロンナことでとてもとても安い⾦額になってしまったそうだ。
でも、地道で数世代に渡って引き継いでいく、そしてきつい山仕事。
とても割に合わないそうだ。
だから人は減り、次世代が育たない。
そうすると森は荒れる。間伐も⽌まり、植林も⽌まり、⽊もまた世代交代が⽌まってしまう。
人の手が⼊らなくなった山は荒れて、⽊々は細り、根は浅くなり土砂崩れの原因となったり、花粉症の原因となったり。

⻘梅の山は江⼾時代からずっと人の手が⼊ってきた。
昔は武家屋敷なんかの需要も高くって、そして戦後の復興のための需要の拡大で多くの杉が植えられていったそうだ。
でも、人の手で育て守ってきた森だから人の手がなくなると荒れてしまうんだそうだ。
問題は根深く、大きく、⻑い⻑い時間をかけて⽣み出され積み重なってきた。マッキーさんはその流れの中で⾃分で表現し⾏動することで森の、山の代弁者になってきた。中島君はその林業を継ぎ、林業以外のイロンナ人と出会い、情報交換しながら道を模索している。
ぼくはその麓で山を⾒上げながらリアカー引いている?
何ができるかのなぁ。
こども達に木の温もりを!青梅杉で作る木のテーマパークを駅前に作りたい!
「ねぇ、ツリーハウス作ろうとしているじゃない」
そんな話題が出たんだ。
cafe ころんにはちょっとした庭がある。
そこにツリーハウスを作りたいなってずっと話していたんだ。ほんの遊び心でネ。だってツリーハウスって夢じゃない?⽊の上につくられた「ひみつきち」ってさ。
あっちこっち出っ張って、傾いて、でも⾒上げるとそこにある。子どものころからの「ひみつきち」のイメージ。
廃材集めて作っちゃおうぜって思ってたんだ。
「⻘梅杉使って作れないかな」
⻘梅駅から徒歩3 分。 ちょっと角度を変えたらすぐにみんなから⾒える場所。そこにツリーハウスが出来あがったら
「あれ?」
って思うよね?
「あれ?」
って思ったら近付いてみるでしょう。触ってみたくなるでしょう?登ってみたくなるでしょう?
そこが青梅杉で作られていたらどうだろう。
「そこを、⻘梅の森の情報ステーションにしようよ」
「このツリーハウスがどうやって何を使って作られたのかも置いておこうよ」
大家さんの提案!
そんなことを話していたらcafe ころんの大家さんが提案してくれたんだ。大家さんは「桝屋糸店 」っていうお店の社長さん。創業から100年も経つ老舗で、初代の方はぼくと同じように行商から始めた方だったそう。みんなが必要とした日用裁縫用品を奥多摩まで売り歩いていたそうだ。そんな老舗の社長さんだからこそなんだろうか。ぼく達のような青梅でなにか面白いことを始めようって言うやからを応援してくれる一風変わった人なんです。そんな大家さんが。
「それなら元塾だったこの⼀室を好きに使っていいよ」
「そこから⻘梅を元気にするようなことをしてくれよ」
って。
そこはころんの庭に出ると正⾯に⽴つ元塾兼大家さんの事務所。
その二階部分の半分くらい。このスペースを提供してくれるって言うんだ。
まさにツリーハウス予定地のまん前のスペースを!粋だよね!

目をつむって想像してみる。
ツリーハウスを遠くから眺めて引き寄せられる子ども達、そして家族がいる。
遠くからも⾒えるツリーハウスの屋根には「⻘梅シネマ」って大きな看板。そして⼩さく「cafe ころん別館」って。

ぐらぐらする不安定な階段をおっかなびっくり登ってみる。手すりにつかまり、階段に手をつき登ったところに傾いたツリーハウス。
そこからは⻘梅、奥多摩の山々、そして森の⽊々が⾒渡せる。
眺めてる子ども達の手が触れているのはその山々が育んだ青梅杉。
中には傾いだ扉を開けないと⼊れない。屈まないと⼊れない。そこに置かれた⻘梅の森が発信する言葉と写真......達。
⻘梅の森の材に囲まれてしばしそんな冊子をめくる音。
その空間で⼀時を過ごす子ども達の中には何かが残らないだろうか。

そしてツリーハウスから渡れるようになってる予定の元塾の⼀室。そこはこれから「⻘梅シネマ(cafe ころん別館)」になる場所。
古い映画看板の街⻘梅。でも、実際に映画を⾒れる場所はなくなってしまった。
ぼくらには映画館を復活させるまでのことはできないけれど、このプロジェクトで映画館の看板を復活させたいって思って。
そこは⾃主映画の上映をやりたい人がくれば映画が上映できるスペースになり、もしかしたらそのメンバーがいつかホントの映画館を作り出すコアメンバーになるかもしれない。
そして、⻘梅杉を使ったワークショップもここで定期的に開催されることになるんだ。
ツリーハウスに登って、そしてワークショップに参加して。
「もっと⻘梅の森のこと知りたい?」
「 ⽊に触れてみたい?」
そんな風に子ども達を誘うように置かれている⼀冊の冊子。
そこには実際の⻘梅の森で⾏われている様々なワークショップの紹介が楽しそうに描かれているんだ。

ただ、林業だけで糧を得、森を守るだけではなく、多くの人に参加してもらい、⽊に触れてもらうこと。そのこと⾃体が林業を⽣業にする中島君たちの糧となり、森を守ることにつながっていかないかと思って。

もちろん、この「⻘梅シネマ:ころん別館」はある日はライブ会場に、ある日はみんなで昼寝をする部屋になったり、子ども達の遊び場になったり、イロンナワークショップが開催されたりっていう空間にしていきたい。
イロンナ活動が青梅杉に囲まれて⾏われ、子ども達、そしてその家族、そこからつながるイロンナ人が⻘梅杉に触れる場所。

そんな場からイロンナベクトルの⻘梅を元気にしたいていう活動が⽣まれてくる。そんな触媒みたな場所を作りたいのです。
詳細スケジュールなど
4月1日より毎週月曜日及び隔週日曜日を利用してcafeころんの庭にツリーハウス建築開始
同様に元塾のりふぉーむ開始
⇒ファンド終了までは廃材などお金をかけずにできるところから
6月1日もしくはファンド成立確定から機材の発注、据付開始
7月末完成予定
集まった支援の用途とその内訳
元塾りふぉーむとツリーハウス建築の費用の一部とさせていただきます。
元塾リフォーム費用:80万円
ツリーハウス建築費用:30万円
映画上映設備:35万円
冊子作成費用:5万円
ノベルティ、販促費用:10万円
合計:160万円
そんな⼩さな⼩さなテーマパークを作りたいって夢!を応援してくれませんか?

廃材をメインに作っていこうと思うけれど、やっぱり床やなんかにはちゃんとした⽊材を使わないと危なくって。そして釘や留め⾦やペンキやそんな材料費はどうしてもかかってしまうのデス。
それに空調や最低限の音響、そして上映設備。
それに、作りたいってみんなにボランティアで参加してもらってみんなで作り上げようって思っているけれど、その先⽣になってくれる⽅にはきちんとお⾦を払わなければいけないと思うのデス。これからも持続していくことが目的なので。
更にそこに置く⻘梅の森の紹介⽤冊子。
そんなものに必要になるお⾦を⽀援していただきたいのデス。
⻘梅の⼩さなシフォンケーキのお店
ちゃんちき堂のてつより、みなさまへのお願いでした。
起案者情報
◆団体名:ちゃんちき堂
◆代表者:久保田 哲
◆HP:
http://www.chanchikido.jp/
◆facebook:
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◆Twitter:
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