2018/10/15 21:35

東京都では、東京に住む子供たちの生活の実態、将来の展望、今困っていることなどを把握し、東京都の子育て世帯への政策や制度を拡充するために、平成28年度に首都大学東京と連携して「子供の生活実態調査」を実施しました。
調査データを活用し、子供の生活実態(食事、健康、学習及び学習環境、放課後・休日の過ごし方、友人関係、自己肯定感など)と、家庭や保護者の状況(世帯形態、家計の状況、保護者の就労状況、子供との関わり方など)との関連、子供を持つ家庭の生活困窮の実態や背景、課題等に関する詳細分析を行いました。

子供の生活実態調査では、子供の「生活困難」を
 ①低所得
 ②家計の逼迫
 ③子供の体験や所有物の欠如
この 3 つの要素に基づいて、下記のように分類されています。
 困窮層…2つ以上の要素に該当
 周辺層…いずれか1つの要素に該当
 生活困難層…困窮層+周辺層
 一般層…いずれの要素にも該当しない

分析は6分野にわたって行われています。
第1部 世代を超えた不利の蓄積
 所謂「貧困の連鎖」が数字で顕著にあらわれました。
 生活困難度が高くなるほど、母親自身の15歳時点の暮らし向きについて、
 「大変苦しかった」と答えた割合が高い

第2部 学校における課題
 不登校傾向がある子供は、生活困難層、ひとり親世帯が多く傾向がある

第3部 子供の栄養と健康
 生活に困窮している子供ほどカップ麵・イン スタント麵の摂取頻度が多くなる
 傾向にある

第4部 自己肯定感とレジリエンス
 生活困難度が高いほど自己肯定感が低い傾向にある

第5部 就労と生活困難
 「子供の勉強をみる頻度」、「子供と体を動かして遊ぶ頻度」で、ひとり親世帯の
 方がふたり親世帯よりも割合が低い
 特に母親が週40時間以上働いているひとり親世帯で顕著

6部 その他
 保育所の利用率は、生活困難度が高い方が高く、ひとり親世帯の方がふたり親世帯
 より高い

今回は、子どもの貧困に関する記述のみを書き出しましたが、いじめや不登校などについてのデータも載っているのでご参照ください。 
子供の生活実態調査の詳細分析について(東京都)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/joho/soshiki/syoushi/syoushi/oshirase/jittaityousabunseki.html
「子供の生活実態調査」詳細分析報告書(首都大学東京 子ども・若者貧困研究センター)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/joho/soshiki/syoushi/syoushi/oshirase/jittaityousabunseki.files/zentaiban.pdf