旧鯖江歩兵第三十六連隊 幻のカレーを再現! 名付けて「さばえ聯隊カレエ」
ちょっとだけむかしのお話。 ちょっとだけむかーしむかし、神明地区には旧日本陸軍鯖江歩兵第三十六連隊があったんや。それはそれは強い連隊で、さばえのたいそうな自慢やったんや。 たーくさんの兵隊さんがいてのぉ、おかげで町は活気づいて大賑わいやったんやわ。 鉄道も敷かれて、大きい病院も出来て、人もようけ集まって、どんどんまちは発展していったんや。 ・・・というのは昔の話。 かつて神明地区にあった旧日本陸軍鯖江歩兵第三十六連隊(以降、三十六連隊)。そのおかげで賑わっていた鯖江も、今ではよくある地方都市の風景と同じく、すっかり元気もなくなり「落ち着いて」しまっています。 なんとか今までは人口減少が見られなかった鯖江ですが、少子化・人口減の波はヒタヒタと背後から確実に近づいており、また商業施設の郊外化で、街中は寂しくなりつつあります。 実はわが鯖江、「めがね」「漆器」「繊維」と他県にも名の知れた有力産業はありますが、残念ながら、これだ!という「おいしいもの」が無いのです。 あ!いえいえ。美味しいものはいっぱいありますよ!いっぱいあるのですが、「これだ!!」というソウルフード、これが無いのです。 「おいしいもの」というのは人を元気にします。笑顔にします。会話が増えます。人が出入りします。そう、まちに活気が出るのです! 福井を代表する「ソースかつ丼」や、お隣の市の「ボルガライス」のような、みんなが大好きなおいしいご当地グルメを作りたい!さばえのソウルフードを作りたい! そこで、鯖江が一番元気だった頃の活気を取り戻す意気込みも込めて、当時の三十六連隊で作られていたカレーを再現し、鯖江のご当地グルメとして立ち上げることにしました!!
「兵営のまち」さばえ
三十六連隊は明治時代に設置され、広大な敷地に兵舎、練兵場、病院(その後の国立病院で、現在の丹南病院)などがありました。この連隊には常に約2,500人の歩兵らが駐屯しており、近くには鉄道の兵営駅(現在の神明駅)が作られ、その近辺には商店街が形成され、まさに連隊を中心とした「兵営のまち」としてにぎわい発展してきました。 おかげで、当時には珍しい洋食も、他の地よりも早くこの三十六連隊から市民へと広まっていきました。 まだまだ庶民の生活からは程遠いところにあった西洋料理。しかし、カレーライスは肉と野菜の両方をバランスよく摂取できるメニューとして第一次世界大戦を通じ、海軍、陸軍ともにその普及に努めたことなども影響し、一気に広がりました。 誰の舌をもとらえた「カレー」。これをこの平成の時代に、鯖江の“古くて懐かしい、でも新しい味”としてよみがえらせます!
「天皇の料理番」秋山徳蔵と鯖江三十六聯隊
今春の人気ドラマ「天皇の料理番」(TBS系/2015年7月放送終了)の主人公として描かれた実在の人物“秋山徳蔵”(ドラマでは“篤蔵”)が西洋料理に出会ったのも、旧鯖江歩兵第三十六連隊でした。 ドラマの中での秋山篤蔵(徳蔵)は、隣の旧武生市から鯖江の昆布問屋「松前屋」に婿養子に入り、配達先の三十六連隊の厨房で「カツレツ」と運命的な出会いをします。あまりの美味しさに衝撃を受け、その後の徳蔵の進む道の大きなターニングポイントとなりました。 後に偉大な料理人となる人物の人生までをも変えた、鯖江第三十六連隊なのです。 ↑当時の炊事場:秋山徳蔵氏もここをのぞいたかもしれません。
軍隊カレーの味を受け継ぐ「さばえ聯隊カレエ」とは!?
軍隊でのカレーの広がりは、イギリス海軍で食べられていたカレー粉を用いたメニューを、明治期の海軍が脚気対策として兵士に食べさせたことから始まりました。 もちろん、鯖江歩兵三十六連隊でも食されていました。陸軍では特に、冬に体が温まるうえとろみが汁を冷めにくくする効果を持っていたことから温熱給食に重宝されました。当時の資料によると、隊員たちの人気メニューで、当時農家出身の子息たちが多かったため、彼らが初めて触れる西洋料理でした。 今はカレーの材料としてあたりまえ、超定番の「じゃがいも・人参・たまねぎ」は、明治当時は西洋野菜としてまだまだ普及しておらず貴重だったため、じゃがいも・人参は細かくサイコロ状にカット。そして、玉ねぎに至っては長ネギを用いていました。 ということで、「さばえ聯隊カレエ」もそこは忠実に再現しました! ちなみに、1910年(明治43年)に大日本帝国陸軍が配布した『軍隊料理法』に、「カレー、ライス」のレシピが記載されました。また、秋山徳蔵が衝撃を受けた「カツレツ」のレシピも同時に記載されています。 『軍隊料理法』 『軍隊料理法』カレー、カツレツレシピ
。。。実にシンプルなレシピです。想像力フル回転、なぐらいに^^; カレールウの無い時代の、小麦粉とカレー粉で作るあの昔懐かしいカレーです(「懐かしい」と感じられる方は、ある程度以上の年代層かと…)。 これらのレシピをもとに、地元の洋食屋さんと試行錯誤を繰り返すこと数知れず。さらに今のみなさんの口に合うように、ちょっと現代風にアレンジしてベースとなるカレーが出来上がりました!
ボリューム満点!アツアツのカツレツ!
そして、もう一つ重要なポイントは「カツレツ」です。 「天皇の料理番」秋山徳蔵を魅了した、さっくりと揚がったアツアツで香ばしいかおりの漂う「カツレツ」。 これも、当時のレシピを参考に復元。 牛肉ヲ薄ク大切ニシ庖丁ノ脊ニテ能ク叩キ・・・とあるように、当時の通り、牛肉(または豚肉)をたたいて薄く延ばしさくっと焼き揚げて出来上がり。 そのカレエ(敢えて“カレエ”と書きます)に、揚げたてアツアツの「カツレツ」をのせ、ボリュームたっぷりに仕上げて「さばえ聯隊カレエ」の完成!!です。
そして、最後のもう一仕上げ。
ウスターソースをスプーンに注ぎ、カレーに回しかける。これ、昔、おじいさんやお父さんがされていませんでしたか? これが、懐かしい味をよみがえらせる最後の隠し味です!
三六ボーイの8月25日試食会ルポ!
以上、思わずお替りしそうになっちゃったボクからの試食レポートでした♪ ※※※ おまけルポ:連隊スイーツ! ※※※ この試食会では、おまけで「さばえ聯隊スイーツ」もついてきました!明治当時、宮中晩餐会で出されたチョコレート味のババロアを再現。当時はスイーツに欠かせない生クリームが手に入らなくて牛乳で代用したりしたみたい。 でも、お味は「明治当時にこのクオリティ!?」っていうぐらい美味しかったんだ!現代のちゃんとしたケーキ屋さんで販売されててもおかしくない美味しさだったよ!神明地区文化祭「みんなで食べよう会」でも食べられるよ!お楽しみに!
オリジナルの「さばえ聯隊カレエ」をたくさんのお店で! 三十六連隊のように、まちを元気にするモトに!
この「さばえ聯隊カレエ」のベースとなるレシピは一般公開する予定です。 鯖江の洋食屋さん、定食屋さん、麺類屋さん、とんかつ屋さん、お寿司屋さん、おしゃれなカフェ屋さん… どんなお店でも、ウェルカム! 「さばえ聯隊カレエ」を出すお店が増えれば、切磋琢磨、味を競い合いますますおいしくなります。 食べ歩きや食べ比べの楽しみができます。 そして、お気に入りのお味を見つける楽しみ、そこへ通う楽しみができます。 人がどんどん動き出します! もちろん、ご家庭でもぜひ作ってみてください! カレーは、小さな子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで、みんなが大好きです。カレー一つで家族みんなが笑顔になります。そして、元気が出ます!(栄養価的にも、マインド的にも!) これからどんどん、この“まちを元気にするモト”「さばえ聯隊カレエ」の輪を広めていきます。 みんなで輪を広め、「聯隊カレエのまちさばえ」としてカレーパワーで元気も広めましょう! そのために必要となってくる資金をぜひご支援ください! よろしくお願いいたします!
資金の使途
・広告宣伝費(リーフレット、ポスター、のぼり旗などの作成費) ・お揃いユニフォームの作成費 ・今後の新メニュー開発の材料費
今までの活動とこれからのスケジュール
H27.春・・・立ち上げ H27.8.25・・・「カレエ」「スイーツ」試食会 H27.8.27・・・記者発表、FAAVOリリース H27.10.12・・・神明地区文化祭「みんなで食べよう会」でのお披露目 (限定300食) H27.10・・・グリルセピア、神明苑での提供開始 H27.11.初旬・・・さばえもみじまつりでの提供
最後に、わたしの独り言を少し…
現在の神明公民館や三六公園はかつての三十六連隊の跡地です。「三六町」という地名の由来や公立丹南病院の前身がなにであったかを知る人たちも少なくなってきました。 今年は戦後70年として、第二次世界大戦をクローズアップする機会の多い1年となりました。現在、平和で穏やかな生活を送れる私たちは今一度、当時の日本を顧みることも必要なのではないでしょうか。 そういったことから、改めて三十六連隊のことを多くの人に知ってもらいたい・神明地区の成り立ち(歴史)を再認識してもらいたいとの思いもあるのです。 平和なこの時代に当時のレシピのカレエを食べることで、いろんなことに思いを馳せていただくきっかけに、子ども達へ引き継ぐきっかけになれば、こんなにうれしいことはありません。 ぜひ、ご支援をお願いいたします。
起案者情報
神明・燦(サン)シャインプロジェクト プロジェクトリーダー:山本初治
最新の活動報告
もっと見るリターン品発送しました!!
2015/12/28 16:32ご支援してくださった方へのお礼の品、本日すべて発送することができました。 大変お待たせしましたが、到着まで今しばらくお待ちくださいませ。 今年も残すところわずかになってまいりました。皆さまには大変お世話になりありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。 来年も「聯隊カレエ」をどうぞよろしくお願いします!! もっと見る
リターン品、鋭意準備中です!
2015/12/17 10:38先日、鯖江市の木製雑貨の会社で、大人気の「株式会社 ヤマト工芸」さんに作っていただいた本プロジェクトオリジナルの「木製ランチョンマット」が完成しました!! デザイン画から想像していたよりずっとかわいく出来上がっています そのほかのお礼の品もどんどん準備しています。 支援者の皆さまにはお待たせし申し訳ありませんが、お礼の品の発送は年末を予定しています! 発送の際には、レポートで報告します。今しばらくお待ちください。 もっと見る
ご支援ありがとうございました!
2015/11/02 13:02「聯隊カレエ」プロジェクト、達成度114%、412,000円のご支援をいただき、期間終了することができました!皆さま、本当にありがとうございました。 「聯隊カレエ」を盛り上げていく活動はまだまだこれからです。精一杯頑張ってまいりますので、これからも変わらぬご支援をお願いします。 前回のレポートでもお知らせしましたが、11/14(土)・11/15(日)西山公園で行われる「さばえもみじまつり」で「聯隊カレエ」が食べられます! お待ちしております 『平成27年度 西山公園紅葉色づき状況はコチラ』 もっと見る