2017/04/29 18:03

 

今回のプロジェクト成功を機に制作に取り組みたいと思っている雪結晶(ゆきげしょう)。

 

厳しい寒さの朝。ふと窓ガラスをみるとに、それについた水滴が凍り細やかなヒビ模様が。

雪結晶はそんな「しばれたガラス」をイメージしています。

(しばれるという言葉は雪国独特の言い回しだそうですね)

 

この雪結晶で用いる技法は旧ヨーロッパから日本へ伝わり、諸説によると大阪のガラス職人が2億かけて技法の開発に取り組んだといわれています。

しかしながら制作には技術と経験が必要であり、また経費が大変かかるため、現在ヒビガラスを制作しているところはほぼありません。

 

似た技法に「アイスクラック」というものがあります。これはガラスが熱い状態で水につける方法で、温度差により一瞬にして粗めのヒビ模様が施されます。

この技法のものは一般的に出回っており、各地の百貨店や雑貨屋店などでも目にすることができます。

 

動画55秒から水につけるシーンがあります。「ジュッ」という音をお聞き逃しなく!

 

こちらが動画中で制作したアイスクラックのグラス。表面に生じさせたヒビを再度過熱し滑らかにして仕上げます。

 

 

こちらも同じくアイスクラックを用いて作られた照明です。独特の光の反射が特徴的です。

 

今回の雪結晶はアイスクラックと同じヒビ模様。ではどうして雪結晶の技法に挑戦するのか

 

その技術に取り組むことのできる環境が揃うこの秋葉硝子という場所で、新潟のためのものづくりに取り組みたい。

より繊細で美しいヒビ模様を通して、雪国新潟の情景を感じてほしい

そんな2つの想いからです。

 

制作には、溶解炉の中で溶かしたガラス(硬質ガラス)と細かく砕いたガラス(フリットと呼ばれ硬質ガラスとは異なる材質のもの)を使用します。

 

窯から取り出した硬質ガラス。写真は形を整えている最中です。

 

これがフリットです。様々な色と粒の大きさがあります。

 

硬質ガラス、フリット、硬質ガラスの順で、サンドイッチのように3層にして成形を行います。

2種類の原料は膨張係数(膨張するときの収縮率)が異なるため、時間の経過とともに真ん中の層のみにひずみが生じてきます

そのひずみが細やかな美しいヒビ模様として現れるのです。

 

クリアな硬質ガラスとブルーのフリットを使うと、このような色合いになります。

フリットには粒の大きさが3~4種類あり、どの組み合わせが適正なのかを探り出すためには、何度も試作を重ねなければいけません。

粒が小さすぎるとヒビが生じず、反対に粒が大きすぎると表面まで割れてしまう恐れがあり、作業には経験と技を要します。

それは、40年以上ガラスに携わってきた秋葉硝子照井にも「難しい」と感じさせる作業です。

 

 

 

単一のガラス原料であれば、試作品や失敗作でも割って再度溶かすという再利用が可能なのですが、2種類の原料を使ったものは再利用ができません。

 

いつかこのヒビの技法でガラスの里復活につなげたい。

 

照井は秋葉硝子を立ち上げた時からそんな想いを胸に宿していましたが、100万単位で試作費用が必要となり、現状ではあきらめざるを得ませんでした。

 

ガラスを溶かすための入れ物 坩堝(るつぼ)も消耗品です。1つ80,000円ほど。

雪結晶試作を繰り返すことで、この坩堝購入費も負担につながります。

 

大変もったいないのですが、坩堝を破棄する際はこのように割ってしまいます。つぼ内に残されたガラスのきらめきは本当に美しく、目を奪われます。

 

 

今回のクラウドファンディングをチャンスにこれに取り組み、新潟発のガラスの新しい魅力として発信したいと思っています。また、失われつつあるこの技術を次の世代へ伝えていくことも私たちの目標です。

 

 

 

残り30時間となりました。

現在達成率88%、881,000円!

 

先ほどのレポート更新後も新たなご支援をいただいております。

感謝の気持ちでいっぱいです。皆様、本当にありがとうございます!!

 

最後までご支援、応援をよろしくお願いいたします!!