2017/09/21 14:56

技術担当の井上(前澤金型@工場長)です。
ご支援を頂きまして誠にありがとうございます。
工場レポート第4話は、「金型製作 仕上げ編」をテーマに掲載します。

 砥石、ヤスリなどの道具

上の写真は、いつも金型の仕上げをする際に使用する砥石やヤスリの道具です。
写真の上部にあるヤスリは、金型の端面などのバリ取りに使用する道具です。また、右側の茶色の四角形状のものはオイルストーンという道具で、金型などの鋼材の表面を軽くならすための道具です。中央の青み色の四角形状のものはゴム砥石で、柔らかく柔軟性があるため、めがねフレームの曲面形状の金型の表面を平滑にならすための道具です。
中央の細い形状の白色から左側のピンク色のものは、ペンシル砥石という道具です。
主に製品となる部分のミガキ工程で使用する道具で、一番左側のピンク色の砥石は仕上げ用の砥石になります。

ミガキ工程の様子

ミガキ工程は地味な作業で、作業の様子を見ている人からすれば「何しているのだろう?」と思う方がいるかもしれません。
この工程は金型に携わる者の性格や人柄が金型に現れ、一日中ミガキ作業をすることもあり、自分と向き合う時間でもあります。真面目に向き合えば真面目な結果が製品に現れます。そのため近年、大手の工作機械のメーカーさんや金属加工を主要とする企業さんでも、新入社員の研修プログラムにヤスリがけ、ミガキ工程を入れることで、現場での仕事ぶりや人間性を見極めて配属先を決める企業さんもあります。

2話~4話では金型の工程についてご紹介させてきましたが、メガネ工場の雰囲気を感じていただけたのではないでしょうか。機械化及び自動化の促進によって、生産性及び信頼性を向上させることができる時代になりました。
しかし、メガネ産地鯖江には「舞台を裏側で支える黒子役」の存在が必要不可欠でもあります。110年もの歴史が続いている産業として産地の黒子役の凄い熟練の技や技術に注目されることが多いですが、最大の長所として「継続できるコツ」を知っているのも黒子役の特徴かもしれません。

次回の5話では成形工程を中心にご紹介させていただく予定です。
今後もご支援の程よろしくお願いします。