当プロジェクトをご覧になって頂き、誠にありがとうございます。
”ダウン症聞くまっしシステム委員会”という会の委員長をつとめさせて頂いております、”石塚靖志(いしづかやすし)”と申します。
今回のプロジェクトについての話を始める前に、少し、私とダウン症についての自己紹介をさせてください。
ダウン症がある息子と共に歩んだ21年
私の息子は平成9年4月4日に生まれ、今年21歳になりました。
生後間もなく、妻の両親が産婦人科医からダウン症の疑いがあると告知を受け、私も翌日そのことを聞いて、覚悟は決めていました。
血液検査から数週間後、ダウン症であることが判明。
大きい病院の小児科で精密検査を受けるように言われ、その病院でダウン症について説明を受けました。
検査の結果、息子の小児科の主治医より
・心臓(心房中核欠損)と耳(感音性難聴)の合併症がある
・20歳くらいまでしか生きられない
と説明があり、「息子が自分より早くこの世を去るかもしれない…」とその場で号泣したことを今でも覚えています。
幸い、息子の心臓の穴は成長とともに自然にふさがり、聴力も小学校に入る頃には、補聴器なしでも会話が聞き取れるまでに改善しました。
ほとんどのことは時間がかかっても自分で出来るにまで成長しましたが、会話でのコミュニケーションは周囲の理解が必要です。
息子が生まれた今から20年前には、ダウン症に関する書籍は書店には医学書のような専門的なものしかなく、ダウン症に関する情報はインターネットや、親の会でしか情報を得ることが出来ませんでした。
「短命」
「合併症がある」
「知的障害がある」
程度の不明確な情報の中、多くの不安を抱えたまま子育てをしていました。
そんな中、私たち家族が出会ったのは、地元の親の会「あのねの会」と、全国各地で開催されていたJDSN(日本ダウン症ネットワーク(現DSIJダウン症国際情報センターJAPAN))と地元の親の会などが主催する「日本ダウン症フォーラム」です。
ダウン症がある子どもや、成人の方の一芸披露大会や、専門家による講演が催され、全国各地からダウン症のある子どもを持つ親などが参加し、毎年、共にわが子の無事な成長を喜ぶ機会になっています。
2001年には地元親の会のあのねの会や、地元の医師、福祉、教育関係者が、ボランティアで金沢医科大学、勤労者プラザを会場として「第6回日本ダウン症フォーラムin金沢」を開催、全国より約1,500名の参加がありました。
当時、ダウン症がある子どもを持つ親、子どもたちにとって、全国各地で開催されたダウン症フォーラムへの参加することは、将来の子どもの成長を想い描くことが出来る、全国の家族の楽しみの一つとなっていました。
そして、私の息子の姉や妹たちにとっても、”障がいがある兄弟を持つ”という全国の同じような境遇にある子どもとしての悩みや苦しみを持つ子ども同士が語り合う場となっており、また、ボランティアで参加する関係者や学生たちとの交流の場となっていました。
今春より、姉は障がいがある子どもたちの通う「特別支援学校」の教員として働き始め、妹も医療・福祉の道を志し、大学に通い始めたところです。
私自身も、これからの子どもたちの未来のために、出来うることは、全力でやりたいと思っています。
こんな思いから、「ダウン症聞くまっしシステム委員会」の委員長を務めさせて頂くに至りました。
ダウン症がある子ども・成人への理解を深め、サポートを充実させたい!
「聞くまっし」とは、金沢の方言で「聞いて下さい」の意味です。
ダウン症聞くまっしシステム委員会は、ダウン症がある子どもの相談事業や自己実現のためのサポートを行ってきました。
ダウン症は、約1,000分の1で発生すると言われている受精時に起こる染色体異常で、一部を除いて遺伝性がないとされており、どの夫婦、家庭にも生まれる可能性があります。
今から50年ほど前には、他の染色体異常がある場合と同様に流産したり、無事出生に至っても重篤な合併症(心臓などに20~40%の確率で発生)がある場合、生後数年で死亡する場合もあり、短命とされてきました。
しかし、医療技術の進歩により、1900年後半には平均寿命が50歳、現在では60歳といわれています。
正式な数は発表されていませんが、全国で約5万人、単純計算で石川県には約500~1,000人、北陸には約3,000人前後のダウン症がある子ども、成人がいて、生活していることになります。
ただ、「ダウン症」という言葉は知っていても、実際にダウン症がある子どもや成人の方と触れ合う機会はそう多くないと思います。
ダウン症がある子どもは、とても素直で、人なつこい子が多く、どこにいても周りの人を明るく・やさしい気持ちにさせてくれる特別な存在で、近年はダンスやスポーツ、太鼓や写真家、翻訳活動など様々な場面で活躍しています。
ダウン症聞くまっしシステム委員会では、社会啓発活動のの一環として毎年周年行事を行っており、今回15周年行事として、 平成30年7月29日(日)県立音楽堂交流ホールでイベントを行います。
金沢で数年前から行っている子どもたちのダンスレッスンや太鼓演奏の披露とともに、全国規模で活動しているLOVEJUNXの公開ダンスレッスン、「ダウン症のイケメン」タレント、あべけん太君の講演を予定しています。
金沢で、いきいきと輝く子どもたちの笑顔を、もっともっと輝かせるために、15周年イベントを成功させたいと願っています。
少しでも興味を持ってくださった方には、ぜひ足をお運び頂きたいと思っております。
ダウン症聞くまっしシステム委員会では、ホームページなどでの相談事業のほか、年一回、ダンス発表・写真展・講演会などの周年記念行事を開催しており、今年活動開始から15周年を迎えました。
15周年イベントを成功させ、ダウン症がある子ども・大人の自己実現をサポートしたい!
日頃の太鼓教室・ダンスレッスンでの練習の成果を周年行事で発表していますが、15周年イベントを成功させた暁には、各所で発表会などを積極的に行うことで、自己実現の場と、社会啓発を行うことを検討をしています。
1人1人が自己実現のために、日々練習に励んでいます。
その活動を発表する場が、15周年イベントです。
15周年イベントは地元OTOサウンドや出城太鼓の太鼓演奏・全国でダウン症のある子どものエンターテインメント事業を行うLOVEJUNX・NHKバリバラなどで活躍する「ダウン症のイケメン」タレント、あべけん太さん・お父さまの記念講演を予定しています。
ダウン症への理解を少しでも深めて頂くために、実際にダウン症の子どもたちや大人が自身を表現する場を設けて15年。
少しずつではありますが、活動の認知は広まってきているのではないかと思います。
こうした地道の活動の先に、ダウン症を理解・協力してくださる方を1人でも多く募り、就労支援などをサポートを充実させていくことが私達の目標であり、願いです。
あべけん太さん親子と富山大学で開かれた小児保健学会にて
(平成29年10月)
地方都市(金沢)ではまだまだサポートは充実していない。
これまでの活動で、認知は少しづつ広がってきたものの、まだまだ問題は山積みです。
・一般就労を希望していても、一般企業に働くことが出来る知的障害がある子どもはごく一部である
・知的障害がある子どもが普通高校への進学を希望しても受入は困難な状況である
・成人後、可能な限り独立した生活を送ることが出来るグループホームなどの不足
・成人後の余暇活動や、本人・家族の精神的なサポート.....などなど
こうした問題ひとつひとつと向き合い、子どもたちの可能性を広げ、障がいがある子ども・成人が暮らしやすい環境を実現することは、少子高齢化時代となった現代の日本に必要な”社会”です。
自助努力だけでの解決は困難で、ダウン症の子を持つ親や、サポート関係者を中心に活動をこれまでの活動を充実、発展させたいと考えています。
「ダウン症聞くまっしシステム委員会」が15周年イベントの先に掲げる未来
ダウン症がある子どもへの理解を進める活動は、ホームページや公開イベントを行うなどで社会啓発活動を行います。
子どものサポート・自己実現は
・相談事業
・赤ちゃん体操教室
・ダンスレッスン
・太鼓教室
・水泳教室
など活動の場を広げつつあります。
さらに聞くまっしシステムの活動を充実させるべく、NPO法人化、就労支援を視野に入れた「きくまっしカフェ」の設立などさらなる活動充実を検討中です。
気軽に集まることができ、相談ができるスペース「きくまっしカフェ」(相談施設の常設)の設立と同時に、パンやケーキなどの製造販売などを行い、就労支援や、相談事業の充実を検討しています。
15周年イベントに必要な費用
今回のクラウドファンディングでの資金調達にあたり、第1の目標金額として15周年のイベント費用として約150万円が必要と見込んでいますが、イベントへの参加費(ひと家族1,000円)や助成金などで50万円程度の収入を予定をしており、不足となる100万円を目標金額とさせていただきました。
(イベント開催費用の内訳)
・会場・備品使用料 約25万円
・看板や会場の設営・撤去費用 約25万円
・講師・登壇者への謝金・交通費 約50万円
・オペレーター等謝金等 約15万円
・チラシ・クリアフォルダ等 約15万円
・写真集等作成等 約20万円
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
計 150万円
収入 50万円 (参加費・助成金等)
支出 150万円 不足額 100万円
これは、イベントに必要な最低金額であり、第一弾の目標100万円がクリアされた場合、今回イベントと合わせ、NPO化に向けた活動資金として100万円を加え、最終目標金額は計200万円の支援をお願いしたいと思っております。
・ホームページ改修費用 30万円
・NPO法人の登記費用など 30万円
・太鼓教室、水泳教室、ダンスレッスンの活動支援、発表会費用として 40万
これまでの活動資金は、金沢市の支援や10周年イベントの際に頂いた寄付金、イベントの際の参加費で切り盛りしてきましたが、活動資金も年々目減りしており、今回クラウドファンディングで活動資金の支援をお願いすることを決意しました。
リターン「15周年オリジナル写真集」について
(写真集イメージ)
リターンに入っております写真集に関して簡単に説明させていただきます。
15周年イベントにあたって、これまで上記のような子どもたちの生活やイベントの一部を撮影した記念の一枚の写真を集めた写真展を開催しており、今回、15周年オリジナル写真集を作成予定です。
手前味噌かもしれませんが、これまでの写真展では、一般の来場者からも毎回とても好評を得ておりまして、ダウン症がある子どもたちや、大人の生活の一部や、今回のイベントの際のいきいきとした姿を集めた写真集とする予定です。
(なにこれ!?うまっ!)
(あっちのにも乗りたいよ~)
(そんなに大きくないけど、ちょっと怖い)
また、今回ご寄付いただいた方の企業名または個人のお名前を、当日会場の看板と、写真集の末尾に掲載させていただく予定をしております。
15周年イベントと今後の活動について
当プロジェクトにおける内容と私の思いに目を通して頂き、誠にありがとうございます。
改めまして15周年イベントと今後の「聞くまっしシステム委員会」の活動の展望について説明させてください。
■15周年イベント詳細
・日付 2018年7月29日(日)
・場所 県立音楽堂 交流ホール
・時間 12時45分〜
・協力 ダウン症の親の会、なないろビーンズ
現在進行系でイベント準備を進めており、ボランティア組織の聞くまっしシステム委員会のNPO法人化についても同様に調整を進めています。
NPO法人化は平成30年末の設立を目指しています。(行政書士さんと調整中)
関連リンク
最後に
ダウン症フォーラムin金沢が開催されたことを機に、フォーラム開催の際に協力いただいた医療、教育、福祉などの専門家や、親の会の有志などで、「地元で生活するダウン症がある子どもたちをフォローするためのくまっしシステム」を構築することとなり、地道に活動を続けて参りました。
医療技術の進歩で、以前はダウン症がある人の平均寿命は50歳とされていましたが、現在は60歳程度に伸びているとされています。
医療技術の進歩により、心臓などの合併症の治癒率は向上し、合併症の早期発見、定期的なフォローや、療育機関での早期療育などにより、生活の質の向上も期待できるようになってきているのです。
全国に点在するダウン症がある子どもの親の会や、全国組織であるJDS(公益財団法人 日本ダウン症協会)などの社会啓発活動が全国各地で行われており、2012年に国連で制定された、毎年3月21日の「世界ダウン症の日」には、世界各国でダウン症に関するイベントが催されています。
日本だけでなく、世界レベルでの地道な活動が功を奏し、国・地方での教育や福祉制度が見直され、ダウン症がある子どもたちや知的障害がある子ども、成人の環境も年々改善されています。
一方で、生後ダウン症があるわが子を受け入れることが出来ずに苦しむ家族があるほか、成人後の就労や、寿命が延びたことによる親亡き後の後見問題、30歳以降に一部でみられる認知機能など早期老化など、あらたな問題も浮上しています。
今回のイベントを機に、ダウン症のある子どもや、成人のことをできるだけ多くの方に知ってもらうとともに、未来のある子どもたちを共に支えていくため、ご理解、ご協力をお願いいたします。
● お問い合わせ先
ダウン症聞くまっしシステム 委員長 石塚靖志
mobile 090-1316-8672