2018/10/03 00:49

上坂幸栄さんのすごさは、ヒアリング力と反映力。

「お客様の笑顔をみてやっと作品は完成する」という信条のため、最初のデザインの段階でお客様の意見をしっかり聞いて、反映することが重要と考えいらっしゃいます。

目の前のMacbookpro上で、イラレを起動し、微妙な色の違い、花の大きさの好みを聞いてデザインしていきます。

以下の動画を見ていただくとわかるように、色って微妙な変化なのです。

 

結局この水引のデザインはなしになったのですが、5着作った着物たちは、一つ一つこうやってヒアリングと反映を重ねていき、生まれました。 

 

 (*グレーとからし色は柄が少し変わりました。)

 

実際1着のデザイン決めるまでには、約2時間×二日という早さででした。コンセプトがしっかり決まっていたので、目指すものが明確でデザインがドンドン進みました。

 

illustratorを使う前は、紙と色鉛筆でプレゼン。

 

弟子時代も独立してからも、お客さんとの打合せが大切で、いかに要望を取り入れるかを重視してきた上坂さんは、色鉛筆と紙を使ってのヒアリングがもどかしく感じていたそうです。

 

事前に書いていったプレゼン用のデザインをたたき台にしてお客さんの要望を聞こうと思っても、お客さんは「もっとこうしたい」という要望を言わなかったからです。

それはそうですよね。お客さんからしたら、作家さんが手書きで何時間もかけて書いてくれたデザインに、「全然違うのがいいです。」「もっと赤くしたい」など言えないんです。

 

顧客が遠慮せずに、要望を言える、そんなプレゼン用ヒアリング用ツールはないか、目の前で要望を反映してすぐにデザインを決められるツールはないかずっと探していました。

そんな時に出会ったAdobe illustrator(アドビ・イラストレーター)は、まさに上坂さんにとっての理想の塊だったそうです。

花と葉っぱの重なり、鳥の羽一枚一枚を書いていくことで、サイズ調整が可能に。

大きくしたり、小さくしたり、反転したり、いとも簡単にできるようになりました。

 

これはイラストレータ上でベクトル(ベクター)データを使っているから可能なことだそうです。

 

ビットマップとベクターの違い