『高校生にしか語れない俳句がある』
松山には俳句に青春を懸ける夏があります。それは、俳句甲子園。高校生5人でチームを作り、「俳句」と「鑑賞」で競い合うこの大会は今年で21回目を迎えます。近年の俳句ブームを牽引している夏井いつきさんが大会の立ち上げに尽力し、回を重ねるごとに俳句の輪を広げてきました。今では全国各地から150チーム以上のエントリーのある一大イベントになっています。
「高校生が、俳句?」高校生だからこそ詠める俳句があります。淡い恋、進路の悩み、泣きながら見た空の色。かけがえのない瞬間を十七音に託して生まれた俳句は、見る人の心を震わせます。大きな短冊に掲げられた俳句が目に飛び込んできた時、会場からは驚きの声や拍手が起こることも少なくありません。
また、俳句甲子園の大きな特徴は「鑑賞すること」にあります。互いのチームの俳句を鑑賞し合い、「季語を活かすにはどうすれば良いか」「ここで使われた言葉は表現の仕方を変えられるのではないか」などの議論が熱く交わされます。このマイクパフォーマンスもまた、会場から応援の拍手を誘います。緊張しながらも自分の言葉で思いを表現し、チームで優勝を目指す高校生の姿は清々しく輝きに満ちています。
今年は6月9日(土)10日(日)16日(土)17日(日)に全国各地で地方大会が開催され、各会場の優勝チームと投句審査で勝ち上がったチームの合計32チームが全国大会への出場権を獲得します。全国大会は8月18日(土)19日(日)に俳句の都「俳都松山」にて開催されます。
ぜひ、FAAVOで俳句甲子園を応援してください。
「五七五の “世界一短い文学” 俳句」
今を精一杯生きる高校生は“小さな俳句”に“大きな夢”を託しています。
『俳句甲子園開催趣旨』
誰でもふと口ずさむことができ、フランス人に「生きる芸術」と呼ばれた俳句。P.ピカソが「広々とした自由」と呼んだ俳句。現在全国の俳句愛好者は500万人を超え、いまや「俳句の時代」といわれるほど、この小さな詩形は、日本人の日々の暮らしに溶け込んでいます。
なかでも愛媛県では、近世から階層を問わず、あらゆる分野の人々が俳諧に親しんできました。中世には、神仏に捧げる邦楽連歌が多く残されており、明治以降には俳句を近代の詩として再生した正岡子規をはじめ、高浜虚子、河東碧梧桐、中村草田男、石田波郷、芝不器男、富沢赤黄男など、さまざまな個性に彩られた俳人を輩出した伝統的風土があります。
俳句は、現代を生きる人々の心を<五・七・五>という十七音に凝縮されたわずかな言葉の空間に解き放ち、またひとつの作品が読者との間にさまざまな読み方の回路を開き、いろいろに読むことができるという自在な活力にも満ちています。各地から俳句に親しむ高校生が一堂に参集し、俳句を楽しみ、交流することは、本来「座」に集う人々の共同の文芸であった俳句にふさわしく、そこから生まれる人間的な交流は、高校生にとって、国語教育の一環としてのみならず、新鮮で貴重な社会的経験となり、豊かな人間性を育むであろうと考えます。また、次代を担う若者たちの新鮮な発想と創造性、しなやかで軽やかな感受性は、この小さな詩の未知の魅力を我々の前に開いてくれるでしょう。
以上のように<俳句甲子園>は、俳句を通じ、地域間、世代間の交流と若者の文化活動の活性化に必ず寄与するものと考えます。
(1997年当時作成)
『第21回俳句甲子園 地方大会の結果と最優秀句』
横浜会場 優勝チーム 神奈川県立横浜翠嵐高等学校
最優秀句 夕蛙打ちつ放しの校舎立つ
慶應義塾湘南藤沢高等部 2年 東郷 寿日太
彦根第1会場 優勝チーム 洛南高等学校 A
最優秀句 春眠の母に消えない笑い皺
洛南高等学校 A 1年 中野 葵
彦根第2会場 優勝チーム 洛南高等学校 B
最優秀句 血脈のどくと動きて蛙跳ぶ
大阪桐蔭高等学校 A 2年 中村 泰
大垣会場 優勝チーム 岐阜県立飛騨神岡高等学校
最優秀句 桜の実あと半周の観覧車
聖マリア女学院高等学校 2年 本 祐菜
出雲会場 優勝チーム 島根県立三刀屋高等学校
最優秀句 蛙跳ぶ空の深さを測りかね
広島県立広島高等学校 2年 西森 杏奈
福岡第1会場 優勝チーム 熊本信愛女学院高等学校
最優秀句 春眠や活字をほどくやうに息
福岡県立明善高等学校 3年 松尾 悠汰
福岡第2会場 優勝チーム 福岡県立筑紫丘高等学校
最優秀句 一礼し献花撤去す夕蛙
福岡県立筑紫丘高等学校 3年 平田 萌夏
前橋第1会場 優勝チーム 長野県屋代高等学校
最優秀句 色褪せたスケッチブック桜の実
星野高等学校 2年 石井 奈津希
前橋第2会場 優勝チーム 茨城県立結城第二高等学校
最優秀句 近づいても近づいても遠蛙
新潟県立巻高等学校 3年 野口 猛史
東京第1会場 優勝チーム 立教池袋高等学校 A
最優秀句 実桜やこきこき曲がる一輪車
開成高等学校 A 3年 横内 毅
東京第2会場 優勝チーム 海城高等学校 B
最優秀句 蛙踏むシェイクスピアの幕開けよ
千葉県立幕張総合高等学校 A 3年 西山 遼哉
名古屋第1会場 優勝チーム 愛知県立幸田高等学校 A
最優秀句 翻車魚に水槽一つ春眠し
名古屋高等学校 B 3年 細井 淳平
名古屋第2会場 優勝チーム 愛知県立岡崎東高等学校
最優秀句 消印にたゆたふ波や春眠し
名古屋高等学校 A 2年 原田 駿
岡山会場 優勝チーム 岡山県立岡山朝日高等学校
最優秀句 遠蛙敬具に強き止めとはね
就実高等学校 3年 中村 陽香
防府第1会場 優勝チーム 山口県立柳井商工高等学校 B
最優秀句 震源は眼前にあり夕蛙
山口県立柳井商工高等学校 B 3年 水野 晴菜
防府第2会場 優勝チーム 山口県立徳山高等学校
最優秀句 切りすぎの前髪朝を鳴く蛙
山口県立熊毛南高等学校 A 3年 川野 愛里紗
北上会場 優勝チーム 岩手県立水沢高等学校B
最優秀句 ゴーギャンの自画像桜の実を踏む
岩手県立水沢高等学校B 3年 石川 顕
和歌山会場 優勝チーム 和歌山県立向陽高等学校
最優秀句 アルコールランプの余熱夕蛙
和歌山県桐蔭高等学校 3年 楠間 麗奈
那覇会場 優勝チーム 興南高等学校
最優秀句 春眠をからくれなゐの水鏡
興南高等学校 3年 安里 恒作
仙台第1会場 優勝チーム 秋田県立秋田西高等学校
最優秀句 田園に無数の鼓動蛙鳴く
山形県立山形南高等学校A 3年 小山田 佑平
仙台第2会場 優勝チーム 山形県立山形南高等学校B
最優秀句 蛙行く軍事境界線越えて
山形県立山形南高等学校B 3年 岸 多問
郡山会場 優勝チーム 福島県立会津高等学校A
最優秀句 春眠やもう懐かしき兄の声
茨城県立下妻第一高等学校 2年 谷嶋 穂乃佳
松山第1会場 優勝チーム 愛媛県立宇和島東高等学校A
最優秀句 まどろみの終電蛙声の駅に着く
愛媛県立松山西中等教育学校B 4年 寺田 紫乃
松山第2会場 優勝チーム 聖カタリナ学園高等学校
最優秀句 AI社会なんてきらいだ蛙鳴く
聖カタリナ学園高等学校 3年 黒部 瑞希
松山第3会場 優勝チーム 愛媛県立伯方高等学校A
最優秀句 春眠の姉のどこより触れるべき
愛媛県立松山西中等教育学校A 6年 日高 隆介
松山第4会場 優勝チーム 済美平成中等教育学校
最優秀句 春眠の一細胞となる手足
愛媛県立松山東高等学校 2年 武田 歩
投句審査
岩手県立水沢高等学校A
開成高等学校A
名古屋高等学校A
愛光高等学校
愛媛県立今治西高等学校A
宮崎県立宮崎西高等学校A
『第21回俳句甲子園 全国大会日程』
平成30年8月18日(土) 予選
愛媛県松山市 大街道商店街特設会場
8:50~ 開会式
10:10~ 第1試合 兼題 「草笛」
10:50~ 第2試合 兼題 「草笛」
11:30~ 第3試合 兼題 「蛇」
13:30~ 第4試合 兼題 「蛇」
14:10~ 第5試合 兼題 「胡瓜」
14:50~ 第6試合 兼題 「胡瓜」
15:50~ 予選トーナメント 兼題 「滴り」
平成30年8月19日(日) 準決勝・決勝
愛媛県松山市 松山市総合コミュニティーセンター
8:40~ 敗者復活戦
10:00~ 決勝リーグ第1試合 兼題 「残暑」
11:00~ 決勝リーグ第2試合 兼題 「草の花」
12:50~ 決勝リーグ第3試合 兼題 「鵙」
14:10~ 決勝戦 兼題 「清」
『全国大会の兼題』
< 予選リーグ用>
草笛(くさぶえ)【夏・人事】
蛇(へび)【夏・動物】
胡瓜(きゅうり)【夏・植物】
<全国大会 予選トーナメント用>
滴り(したたり)【夏・地理】
<準決勝リーグ>
残暑 (ざんしょ) 【秋 時候】
草の花(くさのはな)【秋 植物】
鵙(もず) 【秋 動物】
<決勝戦>
清
『第20回俳句甲子園 大会成績』
優勝 開成高等学校
準優勝 愛知県立幸田高等学校
最優秀句 旅いつも雲に抜かれて大花野
開成高等学校 岩田 奎
『ボランティア募集しています』
21回目を迎える俳句甲子園のボランティア・スタッフを募集しています。
俳句甲子園の意義に賛同し、当日の大会の運営、並びに高校生たちのサポートをして頂ける方を広く募集します。
下記より俳句甲子園ホームページ ボランティア募集のページにアクセスできます
今年度は先着順とさせていただきます。
『支援金使用用途』
俳句甲子園は、以下の目的で支援を募集しています。
①全国大会・地方大会開催のため
②高校生の負担を少なく全国大会に参加していただくため
③多くの地域で俳句文化が振興するため
俳句に青春をかける高校生の応援・ご支援をよろしくお願いいたします。
『リターン品のTシャツデザイン』
Tシャツの裏にデザインはありません、色は白のみです
NPO法人俳句甲子園実行委員会
大会の運営はNPO法人俳句甲子園実行委員会が行っております
愛媛県松山市味酒町1-10-2
電話 089(943)1512
e-mail: info@haikukoushien.com
詳細は俳句甲子園ホームページ
ホームページのブログ内で、活動内容等載せておりますので是非ご覧ください
商品協力いただいております企業のリンクです
最新の活動報告
もっと見る第22回俳句甲子園 地方大会最優秀句掲載いたしました
2019/06/20 20:04第22回俳句甲子園 地方大会を6月に開催させていただきました。 地方大会の最優秀句・全国大会出場校掲載いたしました。 また、今年は昨年度の入選句のOB・OGによる鑑賞を行っております。 ご覧いただければと思います。 もっと見る
俳句甲子園 今年もご支援よろしくお願いいたします
2019/04/26 16:37昨年度は俳句甲子園にご支援いただき誠にありがとうございました。 6月8・9・15・16日に地方大会 8月16・17・18日に全国大会を開催させていただきます。 第22回俳句甲子園 高校生の熱い闘いに、今年度も引き続きご支援を検討いただければと思います。 プロジェクトのホームページは https://faavo.jp/ehime/project/3692 こちらのアドレスになります。 今年度も運営頑張ってまいります、よろしくお願いいたします。 もっと見る
俳句甲子園 今年もご支援よろしくお願いいたします
2019/04/26 13:32昨年度は第21回俳句甲子園にご支援いただき誠にありがとうございました。 今年度も6月に地方大会 8月に全国大会を開催させていただきます。 第22回俳句甲子園 高校生の熱い闘いに、今年度も引き続きご支援を検討いただければと思います。 プロジェクトのホームページは https://faavo.jp/ehime/project/3692 こちらのアドレスになります。俳句甲子園のホームページからもアクセスできます。 今年度も運営頑張ってまいります、あたたかいご支援をいただければと思います。 よろしくお願いいたします。 もっと見る