◆はじめに◆
私はHISメキシコ・カンクン支店の相原朋子と申します。私達はカンクンのあるユカタン半島で20年間旅行業を営んできました。ユカタン半島は手つかずの美しい大自然と、マヤの古代遺跡が多数残る見どころ満載の観光地です。
しかし、新型コロナウイルスのパンデミックにより、旅行業は壊滅的な打撃を受け、観光業で生計を立てている先住民マヤの人々の生活にも大きな打撃を与えました。工芸品や刺繍製品からの収入はゼロ、貧しい生活から抜け出すための知恵や資金がなく、先の見えない未来にただ支援を待つだけの日々。
私達はこの状況をただ見過ごすことができず、マヤの人々に何ができるか考えました。彼らが大切にしてきたこの地をこれからも守り続けてもらうためにも。
◆マヤ刺繍プロジェクト ◆
現地で12年間マヤの村々を支援している、政府認定のNPO法人【Asociacion Pro-Dignificacion de la Mujer Maya. A.C.】( 日本語名「マヤ女性の尊厳を守る会」)とHISメキシコ支店がマヤの人々の生活向上と女性支援という同じ理念の元「マヤ刺繍プロジェクト」を立ち上げました。
マヤの刺繍は自然との共存から生まれ、繊細なデザインとカラフルな色が特徴。この刺繍技術も今この長引くコロナ禍で衰退する可能性を秘めています。製品を作っても売れない状況では作り手は続けていくこともできず、後世に繋いでいくことも難しくなります。マヤの女性達がこの伝統的な刺繍を続け、観光客だけでなくインターネットを使った販売経路を作り上げることで、経済的自立を可能にし伝統刺繍文化を守っていけるチャンスだと私達は信じています。
マヤ女性たちの挑戦に是非このGoodMorningを通して、みなさまのお力をお貸しいただけないでしょうか。
music: www.bensound.com
◆マヤ族の人々の生活◆
ユカタン半島には何世紀にも渡り先住民族のマヤ族の人々が生活しています。マヤ族は世界的にもマヤンカレンダーや世界遺産チチェン・イツァ遺跡など比較的知っている方が多い民族かと思いますが、実はメキシコ社会の中では労働格差や賃金格差を受けており、国道から数キロ入ったジャングルの中に集落を作りひっそりと生活をしています。
マヤの人々の暮らしはとても貧しく、町へ出て民芸品や家庭菜園でとれた野菜などを売って生活をしておりますがそこからの収入はごくわずか。コロナ自粛期間中はどこの町にも出ることができず、毎日の食事にも困る状況が続いています。
また仕事を求めて男性が都市に出稼ぎに行き、集落には2週間もしくは1ヶ月に一度わずかなお金を持って戻ります。そのため集落では女性が家族の生計を立てるために刺繍など内職を行いますが、製品を販売するためには都市部まで売りに行かなければならず、家をあける事が難しい女性達には長距離の移動は難しく、結果的に配偶者が稼いだわずかなお金で生活を与儀なくされます。
◆マヤ族の女性◆
村にある学校では6歳から12歳の初等教育のみで中等教育を受けられるのは僅かです。女子は15-17歳で結婚し出産するのが一般的で、村に仕事がないため多くの女性は出産後は専業主婦となり、内職として刺繍を始めます。
ユカタン半島のお土産として人気の高いイピル、胸に色鮮やかな刺繍が施されたブラウスやドレス、他クラッチバッグやポーチなどの刺繍製品は、村の女性達の内職によって製造され街のお土産屋や屋台、路上で販売されます。しかし、そこからの収入は刺繍に費やした時間を考えるとごくわずかなものです。さらに、カンクンなどの観光地には工場で大量生産された刺繍製品が入り込み、マヤの刺繍は価格競争に勝てずに厳しい状況に立たされています。
◆ マヤ族の女性の夢◆
マリアサラさんは25歳、子供は二人います。今は家事の傍らで、手縫いの刺繍をして生活の足しにしています。彼女の夢は、マヤ伝統刺繍をもっとたくさんの人に知ってもらうこと、そしてマヤ村で生きる女性たちが何をして生きているのかを知ってもらうことが夢だと話していました。
しかし現状を考えると、新型コロナの収束が長引く恐れやそれに伴う観光業の衰退により、マヤの人々の生活はより厳しくなる可能性があり、笑顔ではいられない状況が迫っていることもまた現実なのです。
◆ 共同プロジェクトグループ紹介「 マヤ女性の尊厳を守る会 」◆
写真 ラウラ・エウへニア・ペレス・アギーレさん
今回のこちらのプロジェクトは、現地で活躍する【LA ASOCIACION PRO-DIGNIFICACION DE LA MUJER MAYA A.C. DE LA ADMINISTRACION PUBLICA FEDERAL】( 日本語名「マヤ女性の尊厳を守る会」) との共同プロジェクトとなります。メキシコ政府からも認定を受け2002年より11のキンタナロー州にあるマヤ村の生活支援を行っており、特に社会的地位の低い女性の支援を行ってきたグループです。しかしながら、昨年の政権交代により今まで受けてきた開発助成金は断ち切られ、今現在は寄付金とグループのわずかな資金でマヤ村を支援しています。
私達はマヤ村の女性や子どもたちが将来に希望や夢を持てる社会にしてきたという共通の理念の元に、こちらのグループと共にマヤ村を支援していきます。
◆ このプロジェクトで実現したいこと◆
女性たちが経済的に自立することで、家族の食生活や健康・衛生面の向上、そして何よりも子供達が夢を持てる社会になるためにも、女性達を支援することが一番の近道となると考えます。
仕事についていない女性達にはまず伝統刺繍を習得する機会を与え、そして伝統的なデザインをもとにオリジナルデザインを考え商品化して行きます。また、女性たちが集まって作業ができる安全でクリーンな工房の建設や、マヤ村オリジナルブランド立ち上げます。そうすることで他州の刺繍製品との差別化を図り、単価アップにつながります。
販売は旅行者に頼るのではなく、インターネットを利用して日本だけではなく、将来的には世界中にこのマヤ村の刺繍を広めていけるよう、現地協力グループと共に支援していきます。
※皆様からいただいた支援金は、上記活動に掛かる費用に全額充てさせていただきます。
◆実施スケジュール◆
【プロジェクトスケジュール】
7月初旬 刺繍レッスンの開始
8月中旬 オリジナルブランドの立ち上げ、オリジナルブランド商品の開発
9月初旬 オリジナルブランド商品の製造開始
11月中旬 工房の建設終了とインターネット販売の開始
<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
◆最後に・・・◆
日本とメキシコは外交樹立から132年、それ以前から400年以上にわたり友好関係を築いてきました。日本からは遠いと思われているメキシコですが、実は直行便で12時間とヨーロッパに行くのと変わりません。日本も今は大変な時ですが、メキシコにも根深くそしてより深刻な問題があります。
女性達が立ち上がれば、マヤ社会での女性の地位の向上と子供の教育や衛生面にもいい影響を与えます。そして何よりもこの先の見えない状況の下で伝統刺繍をしっかりと守り、子ども達に受継いでいくことが私達の願いでもあり、将来への希望につながっていくと思います。
みなさまからの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
最新の活動報告
もっと見る04/09(土)午後10時30分~ マヤ村からオンラインライブ
2022/04/08 10:44皆さんお久しぶりです!いかがお過ごしでしょうか。日本は暖かくなり、桜も開花しているようですね。この季節は特に日本が恋しくなります。メキシコはようやくパンデミック信号がグリーンになり、私達が支援しているマヤ村もなんとかみなさん無事に過ごすことができております。先日マヤ村に入り、ちょっとびっくりしたことがあります。それは出産ラッシュです。昨年末からラッシュが始まり、すでに刺繍メンバーの家族に六人の赤ちゃんが誕生しました。ハンモックに揺られた赤ちゃん、元気に育って欲しいと祈るばかりです。⇓妹の誕生を喜ぶ、お姉ちゃん。3週間前に生まれました。さて、今週の土曜日4/9ですが、コロナが明けたマヤ村の状況を中継でつなぎオンラインライブを開催いたします。みなさんにマヤからの笑顔をお送りしたいと思います。ぜひ立ち上げ時にご支援いただいた皆様に現状を見ていただきたく、久しぶりに活動報告を書きました。もしご予定が合うようでしたら、下記リンクよりお申込みください。◆4/9 マヤ村から中継!オンラインツアー◆マヤ祭り ~マヤを知り、マヤに感謝する日~ ■概要:メキシコ旅行でもなかなか行くことができない、ユカタン半島の奥地にあるマヤ村から生中継!刺繍の作業風景やマヤ村の生活風景、シャーマンによるお祈りなど、マヤ村の様子をゆっくりご覧いただける初の機会となっております。このツアーの収益の一部は、"マヤ刺繍プロジェクト"への支援金となります。本プロジェクトは、現地NPO「マヤ女性の尊厳を守る会」とMAYA MEXICOとの協働プロジェクトで、マヤ族の生活や子どもの教育、衛生面の向上を目的としています。■ツアー日時(予定):カンクン時間4月9日8:30AM〜日本時間4月9日22:30PM〜(ツアー時間は1時間を予定しています)■ツアー代金:US$25 (お土産付き)US$12(ツアーのみ) (1 端末1台につき4名様まで)お土産付きでお申込みのお客様には、マヤ族の女性が作るオリジナル、マヤピラミッド刺繍ハンカチ(USD15相当)を参加者全員にプレゼント。※ご参加いただいた方の中から、抽選で数名の方に、オンラインツアー中にマヤ族の女性たちが作成した刺繍ハンカチをプレゼントいたします。その他のご参加者のみなさまには、事前にマヤ族の女性たちが作成した刺繍ハンカチをプレゼントいたします。※発送まで2-3ヶ月ほどお時間をいただきます。■申し込み方法:こちら もっと見る
年末のご挨拶
2020/12/31 02:58ご支援くださいました皆様お世話になっております。みなさまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。今年は世界的に本当に激動の一年でございました。しかしその中でもHISメキシコ法人がマヤ刺繍プロジェクトを立ち上げ、皆様にご支援を頂けたことが本当に何よりの収穫でございました。改めてご支援誠にありがとうございます。マヤ刺繍プロジェクトは今現在、スケジュール通りに遂行しております。毎月、マヤ刺繍村への注文もできるようになり、これもまたひとえに皆様のおかげでございます。進捗状況としましては、刺繍製品のインタネット販売も始め、また刺繍商品を集めて福袋という形で販売をしております。マヤ村商品のブランド名は「Coco Maya」と名付けました。詳細はこちらから----> HISメキシコ物販サイト Maya Mexico年末スペシャル福袋は物販サイトからご購入可能です。こちらの福袋でグループメンバー5名の方の収入に繋げられます。工房については今現在刺繍グループのリーダーの家を利用しております。コロナ禍ということで観光業が戻った際は工房+販売ができるスペースを持った施設を計画しております。最後になりますが、よいお年をお迎えくださいませ。来年も応援よろしくお願いいたします。HISメキシコ法人 カンクン支店 相原朋子 もっと見る
12/26 HISメキシコ チャリティーイベントを行います
2020/12/19 09:34みなさま、こんにちは。HISカンクン支店 相原です。今日はちょっとお知らせがございます。HISメキシコでは年末の12月26日にチャリティーイベントを行います。マヤの人々の生活を守るため、またコスタリカの自然保護のため、サステナブルな取り組みの一貫としてのイベントです。日本時間午後9時からです。見どころはコスタリカの海で救命活動をしている日本人、上田さんが3時間の遠泳にチャレンジします。自然の宝庫コスタリカ、幸せランキング1位を獲得したこともあるとても平和な国、この国でも自然破壊による動物や植物の減少は深刻な問題です。その問題に立ち向かうためにも、3時間泳ぎ続けます。かなり厳しい挑戦になるかと思いますが、みなさま是非応援をお願いします。 また、マヤ刺繍3時間耐久チャレンジも行います。どれだけ時間をかけて作られているか是非ご覧いただければと思います。また相原もマヤ村の刺繍製品を集めた特別福袋を販売します。一つの注文がたくさんのマヤの女性たちに仕事を与えることができます。ご支援よろしくお願いいたします。詳細は下記より↓ご覧いただけます。年末ライブ祭り「サステナブルは地球を救う」みなさまのご参加をお待ちしております。当日お目にかかれることを楽しみにしております。相原 もっと見る
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