2020/09/09 17:37
こんにちは!
FADS代表の川野季春です。
只今ARAKI SHIRO氏のアトリエでは、着々とショーの衣装製作が進んでおります。
いくつもの素材が重なり合い、一つ一つの手仕事で出来上がっていく、
その制作過程すらもはやアートです。
素材、フォルムの美しさにうっとり。。。
アトリエ滞在中は、まるで宝探しをしているかのよう。
ファッションショー本番まであと2ヶ月あまり。
制作の様子は今後もこちらの活動報告を通じてお届けしていきます!
以下、ARAKI SHIRO氏のFACEBOOKの投稿より抜粋したメッセージを共有させていただきます。
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以前より僕は衣装を1点ずつ作ってます。ほとんどの方は普段の生活で衣装を取り入れる様式は習慣としてないかと思います。それは主に特別なステージやライブ、映像や写真を通してようやく見ることができるとても限られた世界でのみ存在しています。凄く偏りのあるシュールな世界ですが、総合芸術において衣装は欠かせない美術装置のひとつです。
生物界で人間にのみ許された衣を装うという行為。もちろん本来は生身の身体、裸が最高の美とする考えもありますが、ちなみに僕もほんまにそう思うのですが。。様々なシチュエーションに応じて多様なキャラクターを演じる上で自身を高揚させる装置を纏い、装うことでパフォーマンスのクオリティが上がり、明らかに空間全体がポジティブな「気」へと変わるのを肌で感じます。ただしそれは限られた空間においてです。
このような限られた世界をまずは多くの人達に知ってもらいたい。そしていつの日か限られた世界で起こる出来事が身近に享受できる文化を築いていきたい。なぜなら本来喜怒哀楽の情緒を持ちうる人間は感動していたい生き物だし、それを表現できる豊かな心でありたいと願う文化的生物だから。
僕は製作の日々の中でなんとなくそう思っていました。ただ、自発的には動こうとしていませんでした。作る事に専念したほうが楽だから。そんな時、偶然が重なり合い、とある出会いがきっかけで小さな行動から起こすことを決めました。より身近に市民のみなさんへ向けて総合芸術を体感してもらうために。
その第一弾は、「新生命体としての衣装と人間とのインタラクション」をテーマにしたshowを行う予定です。デザインのためのロジカルなリサーチによるものではなく、日常生活を通して自然発生的に得られるインスピレーション。それをもとに衣装をデザインしていくことがとても心地良い。そこから僕の衣装製作がはじまります。衣装を通じて、いろんな人との関わりのなかで「一点ものの衣装をより多くの人に届けたい」というマスカスタマイゼーションへの思いも生まれてきました。それは衣装とその宿主である人との生物的なインタラクション、つまり触感的対話をもとにしたひとりひとりと対話するクチュールのストーリーになります。
そこで新しい生命体としての有機装置、変容する衣装を発表予定です。構造建築から発想を得た造形衣装から,池永照美(九州大学)氏との協同でスタートさせた蚕の習性を活かした培養衣装まで,一つ一つ異なるアプローチによる衣装になります。実験的制作工程を幾度となく踏まえた上で作られる構造美。そこに決まったパターンはありません。自然と人工の境目をなくし、シームレスに繋がっていくサステナブルなファッションショーをお楽しみ頂けたらと思います。
もしこれからの活動にご興味あります方は是非サポート、応援のほう頂けますと幸いです。そしてご家族、お友達、知人の皆様へのお声かけ頂けましたら最高に嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。