2020/08/22 22:41

こんにちは!白峰ボーディングスクール実行委員会の福田です。

「白峰ボーディングスクールを支える人びと」をご覧いただきありがとうございます! また、日々たくさんのご支援感謝申し上げます!

さて、白峰ボーディングスクールの立ち上げに向けて、白峰地域の声や連携先の大学の教職員や学生の声、企業の方々の声を随時お届けする活動報告。第5弾は、白山観光協会理事をされている、小柳 理恵(こやなぎ りえ)さんです!


--小柳さんは白峰で何をされているのでしょうか?

薬局屋「木下商店(薬草館きのした)」の経営と白峰観光協会の理事を兼務しています。

「木下商店(薬草館きのした)」では、白山の薬草などを使った薬草館きのしたオリジナルブレンドの多種の薬草茶から一般用医療薬品や日用品、お酒まで幅広く取り扱っています。

白峰観光協会の理事は、10年ほどやらせてもらっていますかね。わかば祭りや、温泉祭りなど、地域内での観光にまつわるイベントの段取りを行ったり、白峰観光協会としてのポスターやパンフレット、ホームページ等の作成を行ったりしています。

観光協会あてにかかってきた電話対応も私がやっています。実は、薬局の電話先は白峰観光協会の電話番号でもあるんです(笑)この時期は、やっぱり登山に関するお問い合わせが多いですね。あとは宿泊先を紹介してほしいとかですかね。


--観光協会さんが抱えている課題ってなんでしょう?

抱えている問題は3つありまして……。

まず、「観光」という目線で語るならば、白峰に来てくださる観光客が減ってきていることですかね。例年であれば、いまの夏の季節は登山シーズン真っただ中。登山しに来られるお客様がたくさん白峰にいらっしゃいます。でも今年はコロナの影響もあり、観光業界は大打撃ですよね。旅館や周辺のお店も頭を抱えていらっしゃいます……。

ふたつ目は、空き家問題。空き家を今後どうしていくかも大きな課題です。白峰地域の魅力は、家族のような温かさと繋がり。でも、地域のことをまったく知らない方に空き家を購入されたり、取り壊されてしまったりすると、せっかくの地域の一体感が無くなってしまいます。空き家の活用方法も、今後の大きな課題のひとつですね。

そして、最後のこの課題こそ最大の問題だと思っています。後継者問題です。白峰へ遊びに来てくださる需要はあっても、お客様をお出迎えするスタッフの数が十分でないんです。観光従事者の多くがご高齢になってしまい、民宿やお店等、いろいろな事業の継続が難しくなってきています。

最近は有り難いことに、若い方もたくさん白峰に帰ってきてはいるのですが……。お店を経営されている方の後継者として戻ってきている方は、ほとんどいないのではないでしょうか?

うちの薬局を例にするとよくわかると思います。薬局として営業していますが、取り扱い商品の幅がとても広い。薬も扱っているし、お酒もあるし、日用品も、化粧品もあります。実はこれらの商品は、お店を畳んでしまったお店から引き継いだものたち。

時代の流れも後押しし、いつの頃からか、周りのお店がどんどん店を畳んでしまったんですよね。そんな閉店したお店の商品を、うちの店で引き継いで販売させていただいています。その結果、今のような何でも販売しているお店になってしまったんです(笑)もはや白峰地域のコンビニエンスストアという感じですね。でも、これ以上お店で扱う商品を増やすのは難しいです……。


--小柳さんから観られての白峰の魅力はどんなものがあるのでしょう?

やっぱり「人」に限りますね。


私、結構お酒が好きでして(笑)家族やお友達、何かしらの会合があると頻繁に飲みに行きます。家族と一緒に食事をしていても、その後は解散。家族それぞれが行きつけのお店に行くということもしばしばなんです(笑)2軒目に行ってもそこには飲み仲間がいて……。結局みんなで大盛り上がり。本当に楽しいですよ!


--白峰ボーディングスクールに期待することってありますでしょうか?

白峰へ来てくださることによって、良い循環が生まれることを期待しています。来て滞在していただいて……。でも、それだけではなく、その先に白峰の地域の人たちと楽しい素敵な出会いがあればよいなと思っています。できれば少しでも長く滞在してほしいですね。

白峰には今でも、伝統的な行事や文化が数多く残っています。なかでも白峰地区に古くから伝わる踊り「白峰のかんこ踊」は、国の選択無形民俗文化財としても選択されているんです。そのなかでも使われている民謡の練習も、もちろん白峰地域内でやっていますよ。少しでも長く滞在いただければ、そういった白峰の文化活動にも触れていただけるのではないでしょうか。白峰では、そういった文化体験も勉強できるのではないかな、と思っています。


--では最後に皆様にメッセージをお願いいたします!

白峰はたくさんの大自然や観光資源とともに、伝統文化が色濃く残る魅力的な場所です。ぜひ、一度お越しいただければ嬉しいです。そして、一緒に飲みに行きましょう(笑)


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小柳さんありがとうございました!

白峰観光の課題として、後継者問題というのは新たな観点でした。一方で、これまで登場された方もおっしゃっていましたが、家族的な関係性を地域全体で持てているというのは改めてすごいですよね。後継者問題のような課題が、地域のコミュニティの力とテクノロジーを活用することによって、解決できないかな…と思いながら行わせていただいた今回の取材。私としても、今後の課題としてとても参考になりました。


今回のクラウドファンディングでは、限界集落である白峰地域を、自然豊かな学びの最端都市に変えていくための支援を、皆様からご支援いただいております。行かずにはいられないような、面白い地域に必ずしてみせます。

どうかみなさんのお力をお貸しください。そして白山地域に訪れていただけたら幸いです。