欠損部分や損傷部分を修復し、御薬師様は漆をまといました。首の部分もすっきりと、さらに御顔の傷もなくなり、安堵されたような優しい表情の御薬師様。衣のひだも実に美しく、この御薬師様を生み出した当時の仏師のこだわりが感じられます。保護剤塗布や剥がし、調整を経て、次の工程はついに箔です。
ぬしや の付いた活動報告
順番が前後しますが、御薬師様がおさまる厨子についてです。祈祷の後、別日に御薬師様を厨子から外へお出しします。いよいよ久野脇を離れます。おさまる厨子は、質感を合わせるために紙が貼ってありました。古い釘の上から無理やり化粧の紙を貼ってあったため、ところどころはげています。蝶番の留め具を、坂本さんや地元大工の前田さん、鳥居さんが確認。お披露目会(11月末を予定)に向けて、扉裏側の化粧もやり直します。このお姿から、どのように変化するでしょうか。お薬師様の厨子も、少し化粧します。また、報告させていただきます。
皆様のご支援のおかげで、御薬師様の修復が始まりました。まずは、木地を覆う塗膜面を剥がします。木地に漆、保護剤、金箔と層がありますが、木地に近い状態まで塗装を剥がします。そして、欠損した手指を復元。この後、顔の傷や首落ちの欠損部分も修復します。御薬師様の面影を変えることなく、各工程それぞれ担当の仏師の方々が完成まで導いてくださいます。この後は、乾燥と木地調整、その後に漆の工程。集落の面々も委員会のメンバーにとっても、御薬師様は地域信仰の中心。不在時にもお参りを続ける方がいます。御堂に戻る、その日を目指して、修復は続きます。また報告をさせていただきます!