こんにちは、町田健登です。
東海道53次、
8日目の本日は、
静岡市→島田市を目指します。
箱根峠の甘酒茶屋、
13代目当主の山本さんからの
伝言を預かり、
鞠子宿のとろろ汁で
有名な丁子屋さんを訪れました。
1.どんなお店?
東海道53次の歌川広重の
絵にも出てくる飲食店。
歴史ある東海道の中でも、
数少ない茅葺き屋根を残す家屋であり、
自然薯でつくったとろろ汁が
召し上がれます。
料亭内には、
東海道53次の全オリジナル版画や、
戦国時代の鉄砲、
大政奉還を告げる高札等、
価値あるものが数多く残っており、
ご飯を美味しくいただきつつ、
歴史も学べる東海道のディズニーランド的存在。
2.場所
静岡市駿河区丸子7-10-10
JR静岡駅から、車で15分
駐車場:バス8台 普通車80台
3.連絡先
TEL:054-258-1066
定休日:毎週木曜定休(毎月末 水曜、木曜のみ連休)
営業時間:月〜金/11:00〜15:00
土日祝/11:00〜19:00
https://chojiya.info
https://www.facebook.com/chojiya.tororo
4.おすすめの一品
丸子定食
最も定番であり、人気のメニュー。
歴史ある東海道の中でも、
江戸時代当時の人も推薦するほど、
大人気。
地元の農家の方と協力して育てた自然薯をとろろ汁にし、麦ごはんにたっぷりかけて、召し上がれます。
味噌汁、香りもの、漬物もついてきます。
5.コロナの影響
非常事態宣言が出る前、
3月の早い段階で、
お店を一時休業することを決めました。
いつ収束するのか、
その間、
従業員の給料保証をどうするのか、
頭を悩ましました。
しかし、
他県の観光客の方が日頃から
来訪くださってましたので、
私達が目先の利益を追求し、
開店を続けると、
大切な地域の皆様に
ご迷惑をおかけすると思い、
約3ヶ月に渡り休業致しました。
不安もありましたが、
7月現在、
徐々に客足は回復しつつあり、
お客様に感謝するとともに、
しっかりと感染予防対策を
続けてまいります。
6.飲食、地域にかける思い
14代目当主 柴山さん(今年10月に世襲予定)
歌川広重の書いた、東海道53次の絵。
私達、丁子屋が描かれたと伝承される鞠子宿(丸子宿)の絵をよく見てみると。
赤子を抱えた店員さん。
自然薯を届け帰る農家さんの絵が描かれています。
この絵からも、
当時からいかに、丁子屋が地域に根付き、
従業員の家族をも大切にするお茶屋さんだったか伝わります。
14代目となると、
歴史の重みも感じますが、
そうはいっても。
元々は飲食店。
従業員を大切にし、
この地域のつながりを深めて行くことが、
非常に大切だと感じております。
丁子屋も
祖父の代までは、
冷蔵庫もなく、自然薯が出せるのは、
冬の時期だけ。
それ以外の季節は、
畑を耕したり、
農業も兼務しておりました。
世間がバブルに湧いて、
古民家がどんどん取り壊された当時、
祖父は周りの反対を押し切り、
茅葺き屋根を移築。
現在まで残す基礎を作りました。
歴史ある東海道53次の絵が残っているのも祖父の貢献が大きく、この伝統ある遺産を歴史をいかに未来の世代に残し、伝えていくか、大切な使命を感じます。
茅葺き屋根のこの建物の所有権は、
丁子屋のものではありますが、
この地域のものであるという意識が強いです。
私達の努力だけでは、
茅葺き屋根の、古くから伝わる東海道を
未来永劫守ることはできません。
そんな折、2年前、
茅葺きの修繕作業を行いました。
必要な費用は一千万円。
とても大きな金額でしたが、
クラウドファンディングを始めたところ
東海道53次沿いの老舗のご当主の方々にご支援いただき、同じ志を抱く、
かけがえのない人脈ができました。
また、地域の方々にもご協力いただき、地元の小学生から、大人の方まで、
一緒に茅葺き屋根修理体験することで、
同じ思い出を共有することができました。
20年後、小学生たちが大人になり、
結婚して子供ができたころ。
"お父さんがこの屋根を直したんだ。お前もやるか?"
そんな家族の話題が、思い出が、
時を超えて、この茅葺き屋根を、
歴史を未来まで紡いでくれる、
そんな夢を描いております。