こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。今回は子供向けアニメのプリキュアから何曲かとりあげてみたいと思います。というのも、初めて聴いた時に「あれ? これって何拍子だ?」と思い、冷静に数えてみると「なんだ、一貫して4拍子か」みたいな経験をした事があったからです。恐らく、単純にBPMが早い、歌詞が詰まってる、連符を多用している、シンコペーションを取り入れている、などが要因だと思います。単純に楽曲としての完成度がとても高いのも凄いなあ、と思うのですが、マーケティング的に絶妙だな、と思うのが、歌詞の感性と歌と振付の難しさです。歌詞は結構意味が解らないというか、文脈的に破綻して聞こえたりするんですが、耳障りがよく口ずさみやすくなっています。歌はBPMが早いし歌詞が詰まっているから簡単には習得できない。リズムも難しいから振付を覚えて踊るのも大変。つまり、ターゲットとなる幼稚園~小学校低学年くらいの女の子にとっては、非常にやりがいがあり、その達成感の末に、自分自身をプリキュアと同化する恍惚感を得られるのかもしれない。プリンセスプリキュアのOPです。お姫様、というテーマだからでしょう、4拍子なのが、途中の数小節だけ3拍子のワルツになります。この数秒間のワルツが、この曲とアニメの世界観を彩っているように思えますね。一貫してワルツだと優雅になりすぎて、アニメのテーマである「強くやさしく美しく」からイメージが外れてしまう、でもお姫様らしさを表現したい、という転拍子の必然性を感じる楽曲です。キラキラプリキュアアラモードのOPです。最初の「ボンボンセシボン」のあたりが、初見だとちょっとリズムが取りにくいんじゃないかと思います。ガイドとなるシンセパッドの拍が敢えてずらしてあるように聞こえますね。でも冷静に数えると、一貫して同じBPMの4拍子です。それにしても、この曲の展開の目まぐるしさと歌詞のつまり具合は、子供向けアニメの楽曲としては半ばカオスですね。そして語感も良いです。「レッツラ」なんて完全に死語だと思うんですが、歌詞の中でキャッチ―に処理されていて思わず口ずさみたくなりますね。最終話の出産シーンが非常に話題になったHUGっとプリキュアのEDです。初めて聴いた時、「超テンション社長YES」なんて歌詞、どういう人生を送っていれば思いつくんだろう、と小一時間悩んだ記憶があります。ストーリーとしては、序盤でルール―ちゃんが悪の組織とプリキュアとの間で揺れている時に、その感情を「影からつま先をずらす」というメタファーで表現していたのが、情緒的で素晴らしいなあ、と思った記憶があります。私はあまりプリキュアに明るくないのですが、EDの動画はMMDの実験場みたいになってますね。劇場版ではフルCGで動かしていたりするので、リグや衣装のダイナミクス演算など、研究するには丁度よいのかもしれませんね。「HUGっと」のEDのモデルを見ると解りますが、手が少し大きめに作られているように見えます。小顔効果を狙った、というよりも、振付をより印象付けたり、解りやすくする為の工夫なのかもしれません。スミマセン、今回は「人類には早すぎる音楽+」からご紹介できる楽曲がありません(プリキュアの楽曲みたいなイメージの変拍子曲をいつか作ってみたいな、という思いはありますが)。お耳なおしに、平沢進でもお聴きください。