2020/12/06 22:55

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吉屋信子は、先進的なひとでした。

たとえば、『安宅家のひとびと』(1951年『毎日新聞連載』掲載)では、主人公の夫は知的障がい者。『良夫の貞操』(1936年『東京日日新聞』『大阪毎日新聞』掲載)では、それまで問題視されなかった男性側の浮気・不倫にもスポットライトを当てました。

世の中で辛い目にあっている人を、あたたかく照らす人。それが吉屋信子の作家性だったのではないか、と私は思います。


そして、そんな信子だからこそ、『花物語』や『屋根裏の二処女』のように女性同士の絆を描き切れたのではないかと思うのです。

『安宅家のひとびと』 では「障がい者だろうが、そうじゃなかろうが、人間は人間」と考え、『良人の貞操』では「男も女も、不倫した時点で同罪では」と考え、『屋根裏の二処女』では「女同士だろうと、男と女だろうと、愛し合うことは罪じゃない」と考える。

そんな吉屋信子だからこそ、何度も映画化され、現代でも再評価されているのでしょう。


時代のはるか向こうをみていた信子。その人生を、しっかりと書ききることで、誰かが救われる映画になるよう心から祈っております。

クラファン終了まであとすこし。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。