こんにちは。喫茶フィガロです。
京都市内にある客席数30席ほどの小さな喫茶店です。この度、いろいろな方の助言をいただきまして、クラウドファンディングに挑戦してみることにしました。タイトルからすこし重たい感じも否めないですが、当店の現状をありのままにお伝えした上で、ご支援をお願いできたらと思っております。この文章を書いている私、店主の浦賀わさびと申します。どうぞよろしくお願いいたします。
最初にクラウドファンディングの目的ですが、タイトルのとおりこの喫茶店をもうすこし続けていくために必要となる資金を集めることです。先の見えないコロナ禍ですが、心にゆとりを持って、笑顔でお客さまを迎えられるようになりたいと思っています。
喫茶フィガロは本年9月19日で開業からちょうど5年になりました。当初の目標が「10年は続けること」でしたのでようやくその半分まできたことになります。気づけばもう5年とも思いますし、まだ5年とも思います。数値的な指標でいいますと、最初のうちは大幅な赤字経営だったのが、徐々に売上も伸びて、昨年、ようやく黒字化したところでした。もともとが脱サラで始めたのですが、黒字を出すということがこんなに難しいことなんだと、商売って大変なんだと実感する日々でしたが、徐々に売上が伸びていたこともあり、一定の手応えを感じていたというのが今年の1月頃までの話です。
今年2月頃からの新型コロナウイルスによる集客数の低迷、緊急事態宣言、自粛ムード、第二波、これまでに誰も経験したことがないようなコロナ禍、1日の集客数が1桁の日が続きました。外出を自粛するよう求められている中で、お客さまに「来てください」とも言いづらく、お客さまが来られたら来られたで、感染リスクを心配しなければならず、金銭面だけでなく精神的にも不安な日々が続きました。なんとか店を続けられるよう、思いついたアイデアはとりあえずやってみようといろいろ取り組み、中にはテレビの情報番組で取り上げてもらったようなものもありました。
それでもやはり、コロナの状況はあいかわらずで、店を開けている限り、感染の可能性もありますし、感染=休業というリスクを抱えているのは避けようがありません。そう考えた時に、お店をずっと続けたいという純粋な気持ちと、将来性や今後も避けられないリスクなどを冷静に考えた時にふと頭をよぎる、、、このまま続けていても大丈夫だろうかと、ネガティブ思考になってしまっている自分がいることも否定できません。
お店の経営を続けるうえで、お金だけではなんともならない問題がたくさんあることもわかっているのですが、お金があれば、余裕があれば、安定してお店を続けられるのに、というのも事実でして、もうすこし喫茶店を続けるために、なるべく長く長く続けるために、このクラウドファンディングに挑戦させてもらいます。皆さまからのあたたかいご支援を、無駄にはしませんので是非ともよろしくお願いいたします。
冒頭に名乗りましたが、浦賀わさびって変わった名前だとお思いでしょう。もちろん本名ではありません、芸名といいますか、舞台に立つ時の名前なんです。喫茶店を始めるよりも以前から演劇に関わらせてもらっており、いわゆる小劇場で何度か舞台に立つこともありました。友人知人のあいだでは本名よりも浦賀わさびのほうが知れ渡っていたこともあり、喫茶店を始めた時にも、もうこの名前でいこうと決めたのです。名刺も浦賀わさびですし、郵便物もいつの頃からか浦賀わさびで届くようになりました。
そんな演劇にも関わっていた私が喫茶店を始めるにあたってイメージしていたのが、この喫茶店に「昼の顔」と「夜の顔」を持たせることでした。昼の顔は、どこにでもありそうな地域の人々の集う普通の喫茶店です。夜の顔は、喫茶店の空間を使ってお芝居を上演したりワークショップを開催したりできる劇場としての顔です。この昼と夜の顔を持たせることで、演劇などの舞台芸術をもっと身近なものにできないか、来店されるお客さまに新たな楽しみを提供できるのではないか、なんてことを考えたわけです。昼と夜と、いずれかに重点を置いてしまうとバランスがとれずにお客さまは置き去りになってしまいます。昼と夜のバランスを保ち緩やかに繋ぐ、そのためにはまずは経験値のなかった昼の顔、喫茶店の経営をイチから真剣に取り組む必要がでてきました。
喫茶フィガロ開店よりも前に遡りますが、ここには元々、30年以上続いた地域の憩いの場のような喫茶店がありました。サイフォン、レンガ調の壁、シャンデリア、籐を編んだ椅子など、店の中に足を踏み入れると、昭和にタイムスリップできるような、そのような空間でしたので、私もお気に入りの喫茶店として何度も通っていました。
あるとき、このお気に入りのお店が閉店するという話が飛び込んできます。当時のマスターはご高齢でしたし、膝の調子も良くないことも引退を決意された要因のように聞いています。それまでにもお気に入りのお店が無くなるという経験は何度かあったのですが、この時はなにか直感のような無くしてはいけない、この空間が無くなってしまうのはもったいない、みたいなことを思い、私自身で譲り受けられないかと名乗りでたのでした。
ただ、当時の私はサラリーマン。50歳くらいになったら早期退職してのんびり喫茶店経営でもしたいなとありがちな夢はみつつも、今すぐに自分が店に立てる状況でもなく、同じような価値観の人を探して店をお願いできないだろうか、喫茶店をやってみたい人ってたくさんいるだろう、くらいに軽く考えていました。実はこの軽い考えが、開業から1年半ほどくすぶり続け、不安定な経営の原因にもなってしまいます。
くすぶり続けた1年半についてはあまり細かく書いたところで過去のことですし、書きはじめたら1冊の本になるくらいには書きたいことがでてきそうですので、割愛させていただきますが、なにせ最初の1年半の間に経営体制が二転三転四転しており、最後の半年ほどは私自身も経営から抜けていたというあまり周囲にも知られていない事実があります。経営が行き詰まったところでバトンパスを受けたといいますか、バトンを拾ったといいますか、店を畳むか私が引き継ぐかという選択肢のなかで、当時の私は脱サラ喫茶店マスターになる道を選んだのでした。
自分自身が店に立つようになってわかったこともたくさんありました。どれだけ甘い考えで喫茶店を経営しようとしていたか。そもそもが立ち仕事に慣れていなかったこともあり、1日の営業がこんなに大変なのかと、そういった初歩的なところから認識を変えなければいけなかったですし、集客数や売上額の皮算用なんてまったく意味をもたず、店の窓からは通行人がたくさん見えるのに、なぜ入って来てくれないんだろうという焦りもありました。それでも手伝ってくれたスタッフさん(長年飲食業界で働いてきた人がいてくれたのが有り難かった)や、仕入れ業者さんからイロイロなアドバイスをもらいながら、少しずつ喫茶店らしく、マスターらしく店作りを進めることができたように思います。店に立つようになって最初の頃はお客さまからマスターと呼ばれるのもちょっと小っ恥ずかしい感じがしたものですが、これも最近ようやく慣れてきました。
喫茶店のマスターという職業が私に向いているのかどうか、まだわかりません。現時点で言えるのは、自分が立っている店にお客さまが来てくれる、自分の淹れたコーヒーを注文してくれる、お客さまと何気ない会話ができる、このような経験はサラリーマン時代にはできなかったことですし、この環境は本当に有難いなと思う日々です。個人的な価値観にはなりますが、何事も10年は続けてみないと結果はでないと思っています。10年やってみて、それなりの成果が残せていなかったら、その時にはきっぱり辞めてしまってよいと思っています。
この9月でオープンからまる5年。まだまだ振り返るタイミングではなく、あと5年は続けなければ。そんな中でのコロナ禍。飲食業界は3年で70%が閉店するといわれています。コロナがなかったとしても10年続けられたかなんてなんの確証もないですが、コロナによって先行きが不安定になってしまっているのは変えられない事実なのです。緊急事態宣言やら営業自粛やらそんなことでグラつかず、ドンと構えていたい。お客さまには悩んでいる顔ではなく笑顔を見せたい。そんなことを思っています。まずは、あと5年。
「もうすこし喫茶店つづけさせてください」
どうか、支援をお願いいたします。
資金の使いみち
まずはお店の維持費・運転資金としたい。その上でリターン品の製作費用や発送費、アフターコロナを意識した備品の購入や設備の改修費、演劇等のイベント運営費などに充てたい。
長年使用された店内の籐の椅子は割れやほつれなどを見つけるたびに素人作業で補修してきたのですが、いちどプロの家具職人さんにしっかりと補修してもらいたい。
緊急事態宣言の期間中、コロナの影響を受けた飲食店やゲストハウスなどの経営者さんとネット上で情報交換し、アイデアを出し合い、励まし合っていました。落ち着いたらそこで知り合った方々にも会いに行きたい。
このような使いみちを考えているところです。
店舗の詳細情報
〒606-8237
京都市左京区田中上大久保町13-2 ネオコーポ洛北1階
電話:075-755-7166
営業時間:10:00〜18:00(月曜定休)※月曜が祝日の場合は営業
ホームーページ http://figaro.main.jp/
ツイッター @cafe_figaro
インスタグラム @figaro.sakyo
ユーチューブ 喫茶フィガロチャンネル
おまけ
喫茶フィガロ店内で撮影されたショートムービー『Cafe Ole』
[制作] オモヒグサ興業・ share@1k
(share@1kさんのYouTubeチャンネルに公開されているものです)
<All-in方式>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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