こんにちは、プロジェクトオーナーの毛利です。今日は、リターン品のひとつにもなっている、自社秋保農園ワインについてご紹介します。
秋保ワイナリーの建物の周りに2ヘクタールにわたって広がるぶどう畑が、自社秋保農園です。2014年、まだジャングルのようだったこの地を、文字通り「開墾」するところから、秋保ワイナリーの歴史は始まりました。それは、現在においても秋保ワイナリーを支えてくれている、「ボランティア」や「ファン」といった言葉では足りない、「同志」とも言える仲間との歴史でもあります。
多くの人に助けられてできた農園
2014年当時といえば、ワイナリーを軸に食とツーリズムでにぎわい創出をやるぞ、という壮大なプランはあっても、まだワイナリーの建物もなければ社員もいない状態です。純粋に人手としてのボランティアを必要としていました。そんな時、三菱商事の復興支援財団に支援していただけることになり、三菱商事グループやその関連会社の社員の方々にボランティアに来ていただきました。山だったところを農地として整備していくわけですから、木枝を伐採したり、地中に埋まった木の根を掘り出したりと重労働です。しかし、私が語る夢にみなさん賛同してくださり、「ここから東北の新しい産業が生み出されるんだ」と明るく作業してくださったのを覚えています。
この時に足を運んでくださった方々は、会社としての支援活動が終わったあとも、2ヶ月に1度くらいのペースで車を乗り合わせて訪れてくださり、雑草取り、収穫などの農作業から、仕込み、瓶詰め、ラベル貼りといった製造に関わる作業まで一緒に行ってきました。その他にも、東京での物産イベントなどがあるときには、一緒に販売をしてくれたり、知り合いの飲食店を紹介してくれて、実際にそのお店でワインを使ってくれるようになったこともあります。まさに、一緒にワイナリー作りをしているような感覚です。
彼らにとっても、秋保という土地が第二のふるさとのようになってくれているようで、それもまた嬉しいことです。
ワインを通じて人の輪が生まれる
現在でも、収穫の時期には大々的にボランティアを募り、みんなでぶどうの収穫を行っています。作業後には芋煮やBBQを行って労をねぎらっています。その場で初めて会った人同士が仲良くなったり、毎年その時に再会する人と同窓会のような雰囲気になったりと、ワインを介して、温かい人の輪が生まれているのを感じています。ワインの魅力の一つに、同じ農園でとれた同じ品種のぶどうで仕込んでも、年によって味が全く違うという点があります。ぶどう作りから関わってくれた仲間たちと、「今年のワインは〇〇だね」と言い合いながら、その年の新酒を飲むのが、本当に幸せな瞬間です。
ようやくできた自慢の一本
ぶどうは植樹してから収穫まで最低3年はかかる作物です。秋保農園のぶどうはまだまだ若木なので、これまではあまり生産量がとれず、ワイナリーの売店でグラス売りを中心に販売するのみでした。今年、ようやく納得のいく質と収量を得ることができ、晴れて2020年の白の新酒を、このクラウドファンディングのリターン品としてお届けすることができるようになりました。また、赤は2018年に仕込んでしっかり熟成させたものをお届けします。多くの方が汗を流し、思いを込めて完成した自社秋保農園ワイン、ぜひ味わってみてください!