はじめに・ご挨拶
初めまして、一騎しょうゆ・いつきみそ醸造元 合資会社緑屋本店の四代目、代表社員の青木一幸です。この度は、当社のクラウドファンディングのページをご覧いただきありがとうございます。
7月4日、あの日の光景
緑屋本店は、この度の「令和2年熊本豪雨災害」により甚大な被害を受けました。およそ4mの大水が押し寄せ、さながら津波のような濁流によって、創業の地に構えていた店舗と隣接の本家家屋が壊滅状態となり、商用車両も3台廃車となりました。幸い本社工場は、今から55年前の昭和40年に同じく人吉を襲った大水害(2m超の浸水)の経験から別地に移転していたことで今回は難を逃れ、社員も全員無事でした。
無事に生き残った私達の責務〜本プロジェクト立ち上げの想い〜
先祖代々受け継いできたこの地に再度店舗を復活させることは、単なる売上確保のためだけでなく、これまで人吉で百有余年、商いをさせていただいた当社の存在意義そのものであり、更には由緒ある「十軒町」の歴史(詳細は後段に記載)と賑わいを次の世代に引き継いでいくことが、幸運にも無事だった私たちの責務であり使命だと思い、本プロジェクトを立ち上げました。
後継者不足で廃業する老舗も多い中、ありがたいことに当社には現在、大学で醸造学を学ぶ息子が五代目候補として控えてくれています。目先のことにこだわらず、20年先、30年先を見据えた店舗づくりや街並みの復旧に、社員とともに親子二代で取り組んでいく決意です。
55年前の大水害の教訓を経て
昭和40年の水害も、今回と同じ55年前の7月初めの出来事でした。球磨川に架かる大橋を越水する浸水2mを超える大水害でした。当社は当時、今回被災した店舗と同じ場所に本社兼店舗と味噌醤油の醸造工場を構えていて、創業当時とほぼ変わらぬ形を留めていた木造の工場は、当然のことながら壊滅的な被害を受けました。当時を振り返り先代の父は「水が引いた後の工場の惨状を目の当たりにして、茫然と立ち尽くし廃業を覚悟した」と述懐しています。被災後、先代は社員とともに懸命に復旧作業に取り組み、ご愛顧いただく多くのお客様のご支援もあって、見事に事業の再生を果たしました。そして、今から30年以上前の昭和59年に「今後いつ何時、球磨川の大氾濫があろうとも、事業の継続性を確保しお客様にいつもと変わらぬ品質の製品をお届けしたい」との想いから、本社工場を別地に移転しました。
社員一丸で早期に操業再開〜お客様にいち早く製品をお届けしたい〜
今回はその英断のお陰で、被災から9日間のうちに社員総出で店舗の被災ゴミや流れ込んだ大量の泥だしを済ませ、10日目には本社工場の操業を再開し、地元をはじめ全国の馴染みのお客様に主力商品の『うまくち醤油「紫」』や『あわせ味噌「球磨川」』をお届けするなど、多くのご愛顧にお応えすることができました。
創業の地の店舗は「緑屋本店」の歴史そのものであり、地元への恩返し
そんな英断をした先代も、水害のリスクを考慮してもなお、当社の“顔”としての店舗や本家家屋は移転しませんでした。なぜなら、店舗を構える創業の地は、地元の人たちが代々の“緑屋本店の歴史”を連想する特別の地であること、更にはこの地を含む一連の通りが、戦前まで「十軒町(じっけんまち)」と呼ばれ、まさに10の大店(おおだな)が軒を連ねる由緒ある商業通りであり、今も有名旅館、百年超の業歴の焼酎醸造元や人気のうなぎ屋、老舗の和菓子屋などが連なる人吉の中心街であることから、当社も一緒になって店を構え、街や通り全体の賑わいやその歴史を後の世代に引き継ぎ、お世話になった地元に恩返しをしたいとの強い想いからでした。
"奇跡の"神棚に宿る先代の想い
そんな先代の想いが伝わったのか、壊滅した店舗の中で不思議にもほぼ全型を留める形で"奇跡的に"唯一残ったのが、百有余年前の創業当時から当社の商売繁盛を見守ってきた神棚でした。
その凛とした佇まいを目にしたとき、残された私たちが店舗復活の志を新たにしたのは、いわば自然の成り行きだったのかもしれません。
プロジェクトでご支援いただいた資金の使い方
復活する店舗は、先代からの想いである「地元人吉のお客様に健康で美味しく変わらぬ品質の製品をお届けする」ための重要な販売チャネルであることは当然ですが、今後は人吉の自然や歴史を生かしてこれまで以上に外部から観光に来られるお客様にも積極的にアプローチできる店づくりと、そのことが当店だけでなく街全体の魅力向上にも資するものにしたいと考えています。
そのため、今回のクラウドファンディングでご支援いただいた資金は、店舗再開に伴いお客様を呼び込み通りの賑わい創出につながる様々なプロモーション活動や店舗の魅力向上につながるアドバイス費用・その他店舗環境整備等の費用に充当させていただければと思っています。
尚、当クラウドファンディング運営事業者に対しては、ご支援いただいた資金の14%を各種手数料として支払います。
資金の使い道・実施スケジュール
ファンドが届きましたら、上述の目的に則して使わせて頂き、まずは来春4月中の店舗再開に向けて一日でも早い復旧に努めていきます。また店舗再開後4〜5月には、近隣の商店や宿泊施設とも連携し、復旧イベントの開催も計画しています。
リターンのご紹介
ご支援の金額に応じて、お礼状に加え、返礼用に特別に仕込んだ限定の熟成麦みそ(1kg)、ミニボトル醬油及びフリーズドライ味噌汁、本社工場又は通販サイトでの購買割引特典をご用意させていただいております。詳細はページ下部のリターン欄をご覧ください。
最後に ~四代目としての決意~
代々引き継ぐ、創業の地での「店舗」への想いを、四代目の私の代で途切れさせるわけにはいきません。完全復活までにはまだまだ道のりは長いですが、必ず復活できると信じて日々邁進していく決意です。皆様ご支援をどうぞよろしくお願い致します。
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