2020/11/14 00:23

御手洗には赤い桟橋があります。

いつもの何気ない風景。


ゆっくりと変化のない穏やかな風景に見えますが、時間と共に風景は大きく変わっています。

潮の干満の激しい瀬戸内海ではこの御手洗桟橋も満潮時は潮位が上がることにより平らになり、干潮時は坂道となります。

昭和の時代、直径500mほどの小さな街御手洗は肉屋、魚屋、パチンコ屋、製麺所、銭湯、映画館などこの街で生活・娯楽も充実している一大商店街でした。


住吉通りにお店を構えていた氷屋の話。

「大きな氷の塊を今治から船で運び御手洗の桟橋に着けるんじゃけど、干潮の時は大きな氷の塊を荷車に載せて坂道になった桟橋を上がっていくのが大変だったんよ。」


何気ない御手洗桟橋の風景から昔の御手洗での営みを思い起こすことができます。

各家庭には今では当たり前になった冷蔵庫や多くの便利な電化製品がありますが、沢山の営み、関係性を経て今があることをその風景を見ながら想像すれば、その何気ない風景も一味違ったものになります。


御手洗の暮らし、営みの物語のかけらを一つずつ拾い集め記録していきたいと思っています。