これは、ある危機に見舞われた地で力強く生きようとする家族の物語である。
彼らの姿をカメラがドキュメントすることで、日々の暮らしの人間模様を描こうとする。
このフィルムを通じて、世界的に未曾有の大災害を受けながらも、家族を守り、郷土を想い、奮闘する強靱なる侍魂の精神をあらためて感じることができるだろう。
■SYNOPSIS ストーリー
福島には侍が今でも暮らす。彼らは侍の大事な装備品である刀や武具を代々、大切に保存し、年に一度、相馬野馬追という侍の訓練ともいえる行事を行なって自分たちのアイデンティティを確かめる。相馬地方で1000年の歴史を持つ伝統行事だ。
2011年、侍たちに最大の危機が訪れた。地震と津波、そして福島第一原子力発電所の事故による強制避難。彼らが暮らしてきた町と伝統は、存続の危機に立たされた。
古来、この地は、侵略を度々受けながら、侍集団の結束で郷土を守り抜いた歴史があり、その象徴として相馬野馬追がある。多くの命や物を失いながらも、彼らは故郷を想い、未来の世代への継承のために行事を続ける道を選ぶ。避難生活を送る侍の一人、板倉氏は、本田氏と協力して、散り散りになった侍同士の結束を固めてコミュニティを存続させるために動く。結束することで、政府や東電に見捨てられた住民が主体的に行動できると考えたからだ。カメラは彼らの生き様を追い、家族を守り抜こうとする誇り高い日本人の姿を追う。これは、先祖代々伝わる侍の精神でもって過酷な現実を生き抜く人々の物語である。
■PROJECT STATUS 企画の立ち上げ
ディレクター荒井順平は、東日本大震災が発生後の5月、被災地に向かった。被災された地域の取材を重ねる。
福島県相馬市で、荒井は、甲冑師に出会う。そして、彼は町全体が甚大な被害を受けている中でも、相馬野馬追が今年も7月に開催されるべく関係者が活動をしていることを、甲冑師から知る。荒井は相馬野馬追の参加者たちに取材を開始。
そして2011年7月、相馬野馬追は開催された。
現在も、野馬追騎馬会会長や参加者とその家族と連絡を取り合い、継続的に福島を訪れている。
また立ち入り禁止の警戒区域近辺での取材も継続している。
■監督からのメッセージ
福島の原子力発電所の事故で被害を受けて、避難を迫られている地域に、歴史的価値の高い伝統文化が存在しているという事実は、私たちを引きつけてやみません。
相馬で暮らす人々の生活に、「相馬野馬追」は深く存在しています。それは、ここに暮らす人にとっての「誇り」であり、子供の頃から憧れていた「夢」であるということ―。1000年以上も続いてきた行事である事実は驚くべきことです。
そう、侍の精神を次の世代に残すことこそ、彼らの「使命」であり「責任」なのです。
しかし、一方では放射能被害は少なくとも30年はなくならないだろうとも言われています。町の景色や生活は日に日に変化しており、そんな今こそ彼らの記憶がまた貴重なのです。だからこそ、私は、世界で最も苛酷な環境の中で、生き抜こうとする彼らの精神のありかをドキュメンタリーとして記録し、世界中へ真の侍の姿を紹介したいと考えています。
私にとって重要なのは、彼らが悲劇の人々ではなく、尊敬すべき、強い信念を持った人たちだということです。2012年7月の「相馬野馬追」を、彼らはどのような形で開催するのでしょうか。
私は、そんな彼らをフォローし、彼らが生きている世界を記録したいと考えます。
それが、私が福島で見つけた、みなさんに語りたい物語です。
※この企画は、シンガポールで開催されたアジアTVアワードにて、最優秀ドキュメンタリー企画賞をいただいた作品です。完成後は、テレビ放送などの他、IDFAなど海外の国際映画祭などへ積極的に出品する予定にしており、すでに交渉中です。ミッション完遂の為には、どうしても今年も7月末に開催される「相馬野馬追」を取材しなければなりません。現在取材費用と完成までの編集費用が不足しております。どうかプロジェクト完成のため皆様のご協力を、何卒宜しくお願い申し上げます。
■目標金額内訳
機材費:200,000-(カメラ機材等調達費)
交通費:50,000-(7月末に開催される『相馬野馬追い』取材のための福島までの交通費)
滞在費:50,000-(7月末に開催される『相馬野馬追い』取材のための福島での宿泊関連費用)
編集費:100,000円(撮影後1本の映画に仕上げる作業に関わる費用一式)
■リターンについて
当プロジェクトでは、『限定公開ブログ』や、『特別メイキングポートレート集』『特別メイキング映像』など、パトロン様限定のリターンを多数ご用意しております。
現在も、毎日福島から密着取材のメイキングポートレートが続々と届いております。

また、支援金額にあわせて『本編DVD』や、この映画のために作曲された楽曲の数々を収めた『特別サウンドトラック』などもご用意しております。
コメント
もっと見る