いわき発の「缶詰カレー」を作りたい
移動販売式のスパイスカレー専門店、TEA TO EAT(ティートイート)の和田幹之です。スパイスにこだわって作ったカレーのおいしさを閉じ込め、しかも、災害時には非常食としても活用できる「缶詰カレー」を開発するため、今回、こちらの「企業・ひと・技 応援ファンド」にチャレンジしました。ぜひ最後まで文章をお読みいただき、ご支援いただければ幸いです。
私たちTEA TO EATは、2016年に妻の絵美里の2人で始めたカレーショップです。提供しているカレーは、トマトと玉ねぎをベースに、オリジナルの配合で混ぜ合わせたスパイスを使って仕上げていて、「甘みと酸味とコクのバランスがちょうどいい」をコンセプトにしています。本格的なインドカレーと庶民的な日本のカレーの間にあるような、だれもが美味しいと思えるようなカレーを目指しています。
現在は、店舗は持たず、イベントや朝市、テナントの駐車場などに出店する「移動販売式」に特化しています。もともとは市内に店を構えていたのですが、昨年の台風19号水害で浸水しました。冷凍庫が生き残ったこともあり、レシピは守られ、この1年、なんとか事業の立て直しを図ってきました。コロナウイルスの影響もありますが、現在も移動販売を続けています。
水害とコロナウイルスという二度の困難を経験しましたが、私は「移動販売」というスタイルに可能性を感じています。三密も避けられますし、野外ならではの解放感や、イベントを通じたつながりが生まれるからです。ただ、コロナ禍でも安定した経営を続けるには、オンラインショップなど、これまでとは違うチャンネルで販売を強化していく必要性も痛感しています。
そこで、自分たちの強みであるオリジナルスパイスのカレーを、さらにお手軽に、これまでとはまた異なるお客さまにも召し上がっていただこうと、新商品の開発を進めています。それが「缶詰カレー」です。缶詰にすることで味が落ち着き、深みが出るうえ、いざという時には「非常食」としても使えます。
缶詰カレーの商品化のためのは、いくつか壁があります。スパイスの配合や調理温度を見極めるためには材料費もかなりかかりますし、製造を依頼する缶詰業者さんにも、ある程度まとまった最低ロット数を発注する必要があり、試作品を1ロット作るだけ百数十万円を超える費用がかかることがわかりました。
今の私たちにはその余裕がなく、日々の販売もあるため、次の一歩を踏み出すことができずにいました。皆さんからのご支援は、この「缶詰カレー試作第1号」に活用させていただきたいと思っています。ご支援よろしくお願いいたします。
TEA TO EAT の始まり
わたしは、もともとカレーショップの経営を志していたわけではありません。起業する前はスパリゾートハワイアンズのバンドメンバーとして働いていました。フラガールの後ろで、ギターを弾いたり歌を歌ったりしている、あの一団です。私もあの中にいました。ずっと続けてきた音楽に関われる仕事がしたいなと思って、たまたま採用のあったハワイアンズにお世話になったんです。
ただ、入社した後も音楽はさほど上達せず、バンドやフラガールの皆さんに迷惑をかけてしまってるなあという感じがして、日々悶々としていました。それで、最初は気分転換のつもりで、あくまで趣味としてカレーづくりを始めました。自分で本を読んだり、スパイスの研究したりしながら、バンドのメンバーや友人たちに振る舞うという感じした。
その後、当時交際中だった妻が現役のフラガールだったこともあって、妻を通じてフラガールにも自作のカレーを食べてもらったところ、「すごくおいしい」と評判になり、さらに本腰を入れるようになりました。かなりの数を作ったはずです。それでも誰からも「まずい」とは言われず、もしかしたら商売になるのでは? と思って、2016年に起業しました。
こだわり抜いた特別なカレーを作っている、という感じではなく、私たちのカレーはとてもオーソドックスだと思っています。玉ねぎとトマトがベースにあり、クミンやコリアンダーなどのスパイスの配合もベーシックなものです。ただ、私自身が脂っこいものが苦手なので、脂は鶏肉から抽出したものだけを使い、脂っこくならないよう、甘みと酸味、コクのバランスには特に気を配っています。
カレーづくりはやはり楽しいですし、やりがいも感じています。ですが、私はレシピを考えたり商品を開発したりするのは得意なんですが、それを現実的に形にする、商品として世に出すということが苦手で、その点、妻にいつも助けてられています。フラガール時代は、私が後ろからバンド演奏で支えるという立場でしたが、今では、プロデューサーのような妻に支えられて事業が成り立っている感じです。
2度の「災害」を経て
オリジナルスパイスカレーの「移動販売」を開始したのが2016年です。その後、少しずつ売り上げを伸ばすことができ、2018年には、いわき市内郷に固定店舗をオープンさせることができましたが、昨年の台風19号水害で浸水してしまい、現在も、店舗の休業を余儀なくされています。
お店に関しては、実は、反省も残っています。初めてのお店ということで、自分のこだわりを強く押し出した店にしたのですが、それは必ずしもお客様が求めているものではなかったなと。妻からも同じようなことを言われて気がつきました。災害で大変な目にはあいましたが、これまでの商売を見直すことができ、少し、変なこだわりが抜けた部分もあります。
災害を通じて、自分が本当に取り組むべきことはなんだろうと自問し、商品づくりのプロセスも見直しました。また、今回のコロナ禍でも、自分たちの仕事を見つめ直し、むしろ私たちの場合は「屋外での移動販売」の強みを実感するようになりました。これまでの営業で、屋外での提供のノウハウも積み上がっていますし、むしろ、可能性があるんじゃないかとも思っています。
味と思いを「缶」に詰める
自分たちのカレーを、これまで以上にさまざまな方に食べていただくには何が必要だろう。それを考え続けて「缶詰カレー」に行き着きました。過去には「レトルトカレー」にはチャレンジしたこともあったのですが、レトルトの過程で風味が落ちてしまったり、思い描いた味を表現できなかったりと、レトルトの難しさを痛感してきました。
缶詰だと長期保存できますし、保管する場所もさほど取りません。いざというときには非常食としても利用できます。災害時には食事が短調になりがちですよね。炊き出しが難しくても、缶詰であれば気軽にカレーを食べることができますし、幾度となく災害を乗り越えてきた「いわきのカレー」として商品化することで、災害の教訓を次に伝えることにもなると考えました。
ただ、冒頭で話したように、私たちの厨房には缶詰を作る機械がなく、業者さんにお願いする必要があります。発注する際の最低ロットなども考えると、かなりの商品開発費が必要なことがわかってきました。正直、今の私たちにはその余裕がなく、商品開発の費用を獲得するため、こちらのクラウドファンディングに参加したという経緯になります。
いただいた支援は、商品の原料、缶詰加工の資材や工賃として活用します。少し時期はかかるかもしれませんが、缶詰カレーが完成しましたら、その試作品の第1弾ロットをご支援のリターンとしてお返しいたします。ぜひ、新しい味わっていただき、味の感想やご意見を寄せてください。さらに試作を重ね、本格的に商品化させたいと思っています。皆さんからのご支援、よろしくお願いします!
リターンについて
メインのリターンは、現在通常販売している「冷凍カレー」を用意しました。冷凍庫で長期保管できますので、ぜひご利用ください。また、市内のコーヒーショップ「boshi coffee」さんが作る「カレーに合うコーヒー」を詰め合わせたリターンもございます。どうぞお好みに合わせてご利用ください。
一部のリターンには、試作品第1号の「缶詰カレー」を予定していますが、おそらく、試作の過程で様々な障壁にぶつかるだろうと思っています。もし、缶詰の商品化が難しい、味が表現できそうもないという結論に至った場合は、通常の「冷凍カレー」を皆さんにお届けいたします。あらかじめご了承ください。できる限り缶詰カレーを皆さんにお届けできるようがんばりますので、どうぞよろしくお願いします!
最新の活動報告
もっと見るフラシティ・スパイスカレー缶詰化のこれまでとこれから報告
2021/07/01 20:20こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
返礼品
2021/02/24 23:11こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
目標達成
2021/02/15 18:22連日のご支援、ありがとうございます!先日、たくさんの方々にご支援頂き、目標の1,500,000円を超えることが出来ました!本当にありがとうございます!!そして、このクラウドファンディングでの防災缶詰カレーについて、先日取材にてお話しさせて頂きました。福島県内のみでの放送になってしまいますが、福島テレビ様のテレポート内で明日16日の17時20分頃からの放送となります。よかったら取り組みについてご覧いただけたら嬉しいです!本日最終日残り6時間を切りました。最後までぜひよろしくお願い致します! もっと見る
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