はじめに
1000年以上前から嗜まれている囲碁、この囲碁を誰もが楽しめたら…!
そんな思いで考え出したユニバーサルデザインの19路の碁盤です。
視覚に障害があっても、指先の感覚に不安があっても、移動中や旅先でも、
誰もが自由に囲碁を楽しむことができる、そんな碁盤を作りたいとの想いで
プロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトで実現したいこと
碁石や碁盤の線が見えなくても、囲碁を打つことができるようになりました。
それは、指先で黒石と白石の違いがはっきりわかりますし、
手で触れても碁石が動かない碁盤があるからです。
[プロジェクト発足]
私たちは、この碁盤をさらに軽量化して、コンパクト化できないだろうか、そして価
格を安くすることで広く普及できないだろうかと、2年ほど前からプロジェクトチー
ムを立ち上げて検討を重ねてきました。
「碁盤を四つに分割し、それを組み合わせれば19路盤になるのでは…?」という発想
から始まり、この程「視覚障害者も打てる携帯型碁盤」として現実のものとなりまし
た。
これは、通常の碁盤の4分の1になりますので、持ち運びに非常に便利です。
また、視覚障害者のみならず、指先が周りの石に触れて、ほかの石を動かしてしまう
のでは…?と心配されている方にも、碁石が固定されますので安心して対局を楽しん
で頂けます。
まさにユニバーサルデザインの碁盤です。
[どんなものができるの?]
・1枚の寸法 222mm×210mm
・4枚組んだ碁盤の寸法 422mm×422mm
・厚み 4mm+3mm(碁石を固定させる為の線形状部)
※この碁盤は、木の粉末を固めたMDFという素材で作った試作品です。
(噛み合わせの部分は製品化するものとは少し異なります)
■碁盤に碁石が固定されるってどういうこと?
碁石の裏側には8方向の溝があって、これを立体化したラインの交点に軽く押し込む
ことで、碁石が碁盤にしっかり固定されます。碁石をはめたり外したりするのにやや
手間はかかりますが、指先の機能アップにもなりますよ!
■碁石は、何で作られているの?
碁石はプラスチック製です。正直言うと、一般の碁石より軽くて少々チャチな感じが
します(笑)
那智の黒石やハマグリの白石で、榧の碁盤に音を立てて打ってみたいですね。
■碁盤には、星の印はあるの?
盤面には、手で触れて分かるように9カ所に星の印が付いています。また、星に石を
打ったとしてもその位置が分かるように、外側の延長戦にも印が付いています。
■4枚を組み合わせる碁盤ってどういうこと?
パズルを想像してください。
4枚のピースの2辺をかみ合わせることで、しっかりとした19路盤になります。
本来の碁盤は少し長方形ですが、この碁盤は正方形なので、初めての方にはやや違和
感があるようです。が、何回か打つうちに気にならなくなるようです。
■プラスチック製の碁盤は滑りやすいのでは?
確かにテーブルなどの上では滑りやすいので、この碁盤にはすべり止めのシートを付
けさせて頂きます。
※その他、こちらのブログ記事をご参照下さい
[ブラインド(視覚障害)の方と対局するときに、気をつけることは?]
応援コメント(敬称略)
■社会福祉法人日本点字図書館理事長 田中徹二 「復活した囲碁への想い」
私が囲碁を知ったのは高校生のときでした。興味を持ち始めたころに失明しました。
それ以後は囲碁とはすっかり離れていました。ところが、10年前ぐらいだったでしょ
うか、触ってできる囲碁盤ができました。これで再び囲碁ができると喜んだものです。
日本点字図書館でもカルチュア講座の一つに取りあげ、日本福祉囲碁協会の指導の下、
毎週囲碁教室を開いています。
ところが、使っている囲碁盤は大きく価格が高いのでなかなか普及しません。今回開
発された囲碁盤は、持ち運びに便利な大きさのほか、金型代を支払えば、価格も安く
なりそうです。さらなる視覚障害者に囲碁を普及させるために、この囲碁盤の完成が
大いに期待されるところです。私もこの囲碁盤の完成を希望しています。
■日本棋院東京本院所属 鶴山淳志八段
先日携帯型碁盤の試作品を見せてもらい、また、9路盤を使用して対局する機会をい
ただきました。
アイマスクをして手触りだけで黒石と白石を判断し、頭の中で想像して対局するのは
とても楽しい時間でした。
この碁盤であれば石が動かない利点を活かし、一般の方も揺れる機内や電車内でも対
局を楽しむことができるでしょう。
この碁盤を利用して、どんな方でも分け隔てなく、いつでもどこでも気軽に対局がで
きる日が来ることを切に願っております。
■日本棋院東京本院所属 信田成仁六段
この度、視覚障害者も打てる携帯碁盤ができたとのこと、囲碁に携わる者として本当
にありがたく感謝いたします。
このことにより、囲碁を通してより多くの友達の輪が広がり、人生を豊かに過ごされ
る方が増えていかれることは間違いありません。
目の見えない方たちはもちろんのこと、碁盤を4分割にすることにより持ち運びやす
く、揺れ動く所でも石が崩れず大変貴重なものができたと嬉しく思います。
1家族に1台はこの碁盤がある、そんな時代が来てくれることを(トランプがあるよう
に)祈っています。(夢ではないと思います)
携帯碁盤作成に当たって下さている皆様の多くの努力が実ることを信じています。
■日本棋院東京本院所属 大西研也四段
私が初めてブラインド用の碁盤にふれたのは3年ほど前なのですが、見えていないの
に碁石を触りながら碁盤が頭に入っており、1局打てている様子は目から鱗で今でも
鮮明に覚えています。
この碁盤のおかげで、努力しだいでは囲碁も健常者と対等に遊べるゲームになったと
思いますので、皆様に触れていただければ、囲碁棋士として嬉しいかぎりです。
■関西棋院所属 影山敏之五段
升目の線が盛り上がっていて、碁石の裏に溝があり、升目の線にはめ込む。
碁石は指先で触った感覚から黒白がわかるという視覚障害者用の碁盤は、数十年前か
らあるのは知っていましたが、この度携帯型碁盤が開発されたとの事で大変うれしく
思います。
これで簡単にどこにでも持ち運びが出来て、世界中の誰とでも囲碁が打てれば楽しい
ですね!
ぜひともこの碁盤が普及されて、囲碁人口が増えますよう心から願ってやみません。
■関西棋院所属 小野綾子初段
ブラインド囲碁大会でこの碁盤と碁石に出会い、様々な素晴らしい工夫に感動しまし
た。
石を碁盤にはめ込むので対局中に石がずれる心配がなく、軽い素材なので旅行のお供
にも最適です。石を「カチッ」とはめ込む時の感触がとても気持ちいいです♪
囲碁は、年齢や国籍なども関係なく楽しめるゲームですが、この碁盤が普及する事で、
さらに沢山の人達が囲碁を楽しめるようになると期待しています。
■ヴァイオリニスト 白井崇陽(BIC東京メンバー)
ヴァイオリニストの白井崇陽です。
私が囲碁に出会ったのは3年ほど前、音楽と並行して長く挑戦し続けることのできる
なにかを探していたときに声をかけていただけたのがきっかけです。
見えれば、スマホなどで対局や詰碁・記譜並べを暇な時間に勉強をすることができ
るんだろうなぁとうらやましく思ってしまいます。せめて持ち運びができる碁盤があ
れば…。そんな私たちの夢と希望が詰まった碁盤が今開発されようとしています。
私は学校講演やコンサートでもブラインド囲碁を知ってほしいと体験会や実演を行っ
ていますが、碁盤を持ち運ぶのが困難で実現できないことも多いのです。この携帯型
碁盤が完成すれば、もっと多くの人に触れていただくことができると確信しています。
見える見えないを問わず、時や場所も越えて誰もが自由に楽しむことのできる囲碁。
この携帯用碁盤は、そんな夢の架け橋になってくれるはずです。
資金の使い途
携帯型碁盤の製造を依頼しているメーカーから頂いた見積りです。
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1 試作品作成費 242,000円
2 金型作成費 1,485,000円
3 碁盤作成費 (@1,848x100) 184,800円
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4 販売管理費 240,000円
5 予備費 48,200円
6 Campfireへの手数料 200,000円
支出合計 2,400,000円
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販売管理費の内訳は、トランクルーム代、碁盤ケース代、滑り止めシート代、
広告宣伝代、包装・発送代などです。
これまでの活動について
■私たちのサークル「BIC東京」とは
このサークルが発足したのは6年ほど前、東京を中心に、現在、ブラインドが75名、
指導者やサポーターが82名、地域的には北は札幌から、南は岡山県、香川県へと全国
に広がりつつあります。
2018/6/7 酒蔵見学
2019/12/27 囲碁合宿
BIC東京の主な活動は、東京の高田馬場駅近くにある新宿社協視覚障害者交流コーナーを
拠点に、週3回(月曜、水曜、金曜)の夕方まで例会を行っています。
また、第2と第4金曜日には、日本福祉囲碁協会の皆様の協力を得て、初心者のための
囲碁教室を開催しています。
2020年11月、鶴山八段との交流を行いました
■プロジェクト発足後、目標額の半分近くを達成!
当プロジェクトを立ち上げた後、我々サークルの仲間とそのお知り合いの
囲碁愛好家の皆様を中心にご支援を賜り、現在までに目標額の半分近くである
110万円のご寄付を頂いております。本当にありがとうございました。
視覚障害者の新聞「点字毎日」に掲載されました!(記事の途中までお読み頂けます)
しかし、あと残り130万円ほど資金が不足しております。
ぜひともこのクラウドファンディングを通じ、皆様の絶大なるご支援を頂ければ
幸いです。
<All-or-Nothing方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。
リターンについて補足
このプロジェクトの目的は、まずは「携帯型碁盤を1日も早く製造着手させる」こと
であり、皆様からチャリティとしてその原資を募りたいという趣旨をご理解頂ければ
幸いです。
■ぽち袋
■点字用紙再生グリーティングセット
・いずれも、点字を学習した用紙を用いた可愛いアイテムです。
■自家焙煎コーヒーと革キーホルダーのセット
・上記は、視覚障害や複数の障害を併せ持つ盲重複障害を持つ人たちの
障害福祉サービス事業所「領家グリーンゲイブルズ」(埼玉県上尾市)を
運営されているNPO法人みのり様にご協力を頂きます。
■お名刺への点字刻印(②-1)、お名刺作成および点字刻印(②-2)のサンプル
・点字名刺とは、視覚障がい者が一枚、一枚、機械を用いて点字を刻印する
サービスです。
・名刺に点字を入れる事により、「誠実さ・人柄・優しさ・社会貢献」などの
イメージが生まれ、第一印象が良くなります。
・埼玉県越谷市の就労継続支援B型事業所(福祉作業所)「ココロスキップ」様に
ご協力を頂きます。
■ブラインドのヴァイオリニスト、白井崇陽氏について
ヴァイオリン演奏の他に、歌手、陸上競技アスリート、ラジオパーソナリティなど多
彩な活動をしておられる白井さん。
我がBIC東京のメンバーでもあり、2018年視覚障害者囲碁大会にて、9路盤の部優勝・
13路盤の部準優勝の実績があります。また、ブラインド囲碁大使としての活躍も大い
に期待されています。
■岡村晴朗の講演会について
あなたの職場、学校、サークルなどに講師として岡村が伺います!
(一都三県以外など、距離によっては交通費をお願いすることもあります)
[テーマ](講演時間は2時間程度)
A.「見えない・見えにくいってどういうこと?」
B.「視覚障害者の基本的介助法」
C.「点字入門講座」
D. その他、希望に沿ったテーマを検討
年に数回、このようなテーマで講演活動をしています 。
FAQ
・この碁盤の完成目安について
資金が集まり次第の発注となりますが、予定としては2021年7月頃を予定しています。
・完成後はどこかで一般の囲碁ファンも購入可能ですか?
この碁盤は、「視覚障害者も打てる携帯型碁盤を作る会」にて頒布させて頂きます。
間に卸や商社などを入れると価格が上がってしまうため、「1人でも多くの方に」と
のコンセプトに基づき、私たちの会で承りたいと思います。
その際は、keitaigoban アットマーク gmail.comまでご連絡下さい。
・価格はどれぐらい?
携帯型の碁盤と碁石のセットで8,000円を予定しています。
・この携帯型碁盤を、どのような人たちに広めたいですか?
まずは一人でも多くの視覚障害者の皆様に紹介したいと思っています。また、高齢で
目が見にくくなった方、手が震えてしまうような方にも安心して対局していただきた
いですね。もちろん、健常の皆さんにも広めたいと思っています。
・どんな所にこの碁盤を普及したいですか?
理想を言えば、地域の碁会所や公民館など、囲碁を打つコーナーがあるところにこの
碁盤が置いてあると、多くの皆さんと対局できますね。
・日本棋院や関西棋院には、この碁盤は置かないんですか?
もちろん囲碁の聖地ですので、また、社会に広く広める意味でも、もし目標額に達し
完成した暁には、「視覚障害者も打てる携帯型碁盤を作る会」として寄贈を考えてい
ます。
代表・岡村晴朗のプロフィール
駅ホームからの転落回数、なんと5回です!
最新の活動報告
もっと見るプロジェクト達成のお礼
2021/02/01 12:44「碁石が見えずとも囲碁を打ちたい!コンパクトになる碁盤で囲碁のバリアフリー化を!」このプロジェクトにご支援いただきました皆様に心から感謝申し上げます。おかげさまで、122名の皆様から142万円ものご支援をいただき、目標であった130万円を9%上回るうれしい結果で終わることが出来ました。本当にありがとうございました。なお、リターンにつきましては、準備出来次第送らせていただきます。今後は、この携帯型碁盤の製品化に向けて、本格的に活動を始めることとなります。完成時期は6月末を予定していますが、不安定な世の中ですので、多少遅れることがあろうかと思います。進捗状況につきましては、以下のブログを通じて、随時お知らせします。時々見ていただければ幸いです。私たち「視覚障害者も打てる携帯型碁盤を作る会」は、まずはこの製品化に向けて、全力で取り組ませていただきますが、本来の目的は、この携帯型の碁盤を視覚障害者の方々だけでなく、幅広い皆様に使っていただき、どこででも誰とでも囲碁を打てる社会にすることを目指しています。皆様のさらなるご協力、どうぞ宜しくお願いいたします。「視覚障害者も打てる携帯型碁盤を作る会」のブログhttps://profile.ameba.jp/ameba/keitaigoban/ もっと見る
1月31日、明日終了です。最後のお願いです
2021/01/30 11:46夢のようなユニバーサルデザインの碁盤、おかげさまで、製品化が現実のものとなりました。多くの皆様からの温かいご支援、心から感謝申し上げます。実は当初の目標額は、リターンなどの経費を組み込んでいませんでした。したがって実際にはまだ不足状態です。大変心苦しいのですが、1月31日の最終日まで皆様からのご支援をいただければ幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。視覚障害者も打てる携帯型碁盤を作る会代表 岡村晴朗 もっと見る
[誰もが打てるコンパクトな碁盤の誕生! No.6]
2021/01/29 07:41[誰もが打てるコンパクトな碁盤の誕生! No.6]「この破損しやすい碁盤、何とかならないだろうか?」と、例会によく来られる方たちに相談しました。やはり、素材は耐久性のある合成樹脂でするしかなさそうです。それには、金型が必要とのことです。しかも一つの金型を作るには、「150万円から200万円ほどかかるかもしれない!」というのです。これまでの携帯型の19路盤は、それぞれのかみ合わせが1枚ずつ微妙に異なっているので、4種類の金型が必要となります。計600万円以上です。これでは、私たちの手にはどうにも負えません。何か別の良い方法はないものかと、藁をつかむ思いでプラスチック加工会社のSさんを紹介していただきました。Sさんは、点字器などの視覚障碍者のプラスチック製品を作っている会社の方です。何てラッキーなことでしょう!女神が微笑んでくれたのです。しばらくしたある日のこと、「1枚のピースで、それを組み合わせることで、19路盤ができそうですよ!」と言うのです。私は半信半疑でした。ところがその説明を聞いてみると、確かにできるんです!驚きです。金型が1枚で済むのなら、経費的には何とかなるかもしれません。心の中でガッツポーズです。(ところでガッツポーズってどんな格好をするんでしたっけ?)これに共感していただいた18名の皆さんで、早速プロジェクトを立ち上げることにしました。「視覚障害者も打てる携帯型碁盤を作る会」のスタートです。この組織をNPOにすべきか、そうでない方法があるのか、まったくの手探り状態でした。何事も専門の方に伺おうと、都庁のセミナーを受講したり、東京ボランティア・市民活動センター相談担当専門員の方ともお会いしました。「この会の目的からいうと、任意団体が宜しいのでは?」とのアドバイスをいただきました。それからは 会の規約を作ったり、ゆうちょ銀行に口座を開設したりとあわただしい日々を過ごしました。最初に取り組んだ資金集めは、助成金の申請です。可能性の高い所へ申請したのですが、世の中そんなに甘いものではありませんよね。「うまくいけば100万円をゲット」というのは水泡に帰すでした。やむなく、広く皆様のご支援とご協力をお願いするしかありません。(つづく) もっと見る
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