こんばんは、劇団IQ5000です。
劇団員が有鄰館演劇祭への思いを綴りました。
今回はドン・タクヤよりお届けします。
『有鄰館演劇祭への想い』
自分が芝居を初めてから20年
色々な会場で舞台に立たせてもらいました。
芝居用の劇場、ホール、ライブハウス、野外、学校、お祭りの特設ステージ
それぞれの場所には、それぞれの空気があって、その会場の空気の感触を楽しむのも舞台に立つ醍醐味の一つ。
四年前の夏、有鄰館演劇祭に参加する事になり、一足先に下見に行きました。
最初は蔵でお芝居か…面白そうだけど、大変そうだなあ、くらいの感覚でした。
門を抜け、利用予定の蔵の前へ、そこには趣のある佇まいの建物が、重厚な扉を開ける、当然だが中には何にも無い。
だけど、そこには空気があった。他のどこにも無い、ここだけにしか無い空気が。
一歩足を踏み入れ、空気を吸い込むと、自分達IQ5000がここで芝居をするイメージが一気に広がった。
ゾクッとした、ここでマンホールロケットをやる…
スケジュールもタイトだし、蔵の中には何も無いという事は、最低限の設備は自分達で設営しなくてはいけない、劇場で芝居するよりも、比べ物にならないくらい倍ハードだ、それでも劇団員、スタッフさん、力添えしてくださった方々、チームIQ5000は無事最高の舞台を創り出す事が出来た。
この感じが上演作品であったマンホールロケットの登場人物達と重なった(マンホールロケットでは、マンホールチルドレンと呼ばれるストリートチルドレンがみんなで知恵と勇気、力を合わせて、ロケットを飛ばすために一つになる)
自分の役者としてのコンディションは自分の役者人生の中でもかなり厳しい状態だったけど、有鄰館の空気、みんなで創り出す祭りの熱気が自分を押し上げくれた。
死ぬほどハードで死ぬほど楽しい
生を感じる事が出来る
だから、やめられない、それが有鄰館演劇祭、自分は地元の人間では無いですが、こんな素敵な事が出来る桐生市、とても羨ましいです。
ドン・タクヤ
(撮影:石澤知絵子)