はじめに
私たちNPO法人One’sは、今年にはいってから10名程度の失踪した技能実習生を保護し、新たな実習先へとつないできました。また、技能実習制度の健全化を目指してイベントなどを行っています。
しかし、そのための活動資金が全くない状況にあるため支援を募りたいと考えています。
日本に蔓延る、根深い課題
我が国にはいまだに外国人を安い労働力として搾取する企業や組合がいます。
その一つとして技能実習制度を利用した外国人労働者の活用があります。
その実態は、多額の仲介手数料をとるブローカーと、実習生のケアをしない組合がまだまだ存在し、技能実習生のなかには多額の借金の返済に追われている人たちも少なくありません。
昨年も、外国人差別、暴力、中には賃金の未払い、理不尽な強制帰国などに耐えることが出来ず失踪を余儀なくされた外国人が年間約9000人に上りました。
その受け皿となっているのは、不法就労を許容するアルバイト先です。借金を返すために彼らは働きますが、見つかったとたんに国外退去になります。
このような状況を少しでもなくすためには、技能実習制度の健全化と、いま失踪して居場所を失っている実習生や、現状の労働環境に苦しんでいる実習生の救済が必要となります。
これらの課題解決を掲げて私たちNPOワンズは本プロジェクトを立ち上げました。
【相談者Aさん(男性・30歳)の場合】
2020年6月、1人の実習生が助けを求めて連絡が来ました。
その実習生は、失踪して1年たった実習生でした。彼は日本にくるために初期費用110万円を支払っておりその返済に追われていました。
送り出し機関と受け入れ側組合がおこなうべき日本語教育は不十分であり、仕事内容は出国前に聞いていた内容とは全く違う作業でした。
言語の壁もあり、現場では差別的な言葉や暴力を受けていました。
この様な状況が1年間ほど続き、耐えられなくなった彼は友人を頼って失踪しました。
当然、見つかったら国外強制退去です。
しかし借金が残っているため働かなければならず、頼りにしていた送り出し機関職員に相談したことで、私たちのところに情報がはいってきました。
初めて会った時の彼は、脅えており、「日本人のことが嫌いだ、信用できない」と口にしました。
その後、私たちの施設で衣食住を用意し、日本語教育支援を行い、受け入れ企業を探し出していくなかで、少しずつ彼の顔に笑顔がもどってきました。
現在は受け入れ企業も決まり、生き生きと働いています。
【相談者Bさん(男性・20歳3人)の場合】
別の協力NPO団体からの連絡で、20歳の男性3人の相談をうけることになりました。
内装業で実習していましたが、殴られたり蹴られたりボードで叩かれたりという毎日でした。
ミスをしていなくても自分たちのせいにされ、会社での居場所がなくなっていきました。その結果、差別や暴力が加速したようです。ある日、はさみをあごに刺されたため、怖くてやめたいと伝えたところ、「自己都合での退職」という扱いになり帰国を余儀なくされる状況になりました。
コロナの影響で帰国できない状況だったため、次の働き先も登録している組合から紹介されることなく5か月以上収入がない状況で苦しい生活を送っていたようです。
現在は、県内の内装業者で楽しく働いています。
【最後に】
上記のケース以外にも、コロナ禍で労働者が不要となった企業がいわれのない理由をつけて帰国させるケースなどもあります。
技能実習生は安い労働力ではありません。日本の技能を習得し、母国で活かす。そのために彼らはリスクをおって家族を置いて、日本に来ています。彼らは、3Kとよばれ日本の若者たちが就職しない職業を支えています。彼らの生活環境を整え、幸せに日本で働くことが出来るようにすることは急務です。
6月からすでに、30人以上の問い合わせが来ており、現在、約15人の実習生の再就職のサポートを行っています。そのうち、10人の就職が決まりました。しかし、まだまだ多くの実習生が問題を抱えサポートを待っています。
そのために、彼らを受け入れるための移動費、生活費、次の仕事先を探すための活動費、法律上の問題を解決するための費用、申告書類を作成するための費用など、多くの資金が必要ですが、現在は収益がないためすべてボランティアで行っています。今後、この活動を継続してくためにはそれらの資金がなければ継続不可能です。
私たちの活動を広く社会に認知していただきたいと思い、みなさんの支援を求めた次第です。
【資金の使い道】
医療費(コロナ対策等)1万円
大分県豊後大野市までの交通費:場所によって異なるが概算2~3万円
新しい企業を探すための手続き諸費:1人あたり5万円程度
食費・住居光熱費:毎月3万円
(1人あたりの諸経費10万円程度)
受け入れ施設改修費/維持費:40万円
クラウドファンディングの手数料
受け入れ人数目標 15人(支援金額に応じて、受け入れ可能な技能実習生の枠が増えることになります)
【発起人紹介】
理事長 東和毅
ワークビジョン協同組合の理事長
1996年大分県で生まれ。
大学在学中に日本に来ている留学生と交流し、在日外国人が多くの問題を抱えている事を知り、解決したいと強く思い在学中に起業。大分を中心として活動する中で、全国からたくさんの相談をうけ、組合だけでなくより大きな活動の必要性を感じてNPO法人One'sを立ち上げ、日本にいる問題を抱えている実習生達を日本の団体が協力して解決することを決意した。
日本の更なる発展の為には、技能実習制度や特定技能などの制度をしっかり活用し、外国の方も働きやすい過ごしやすい環境を作って行くことが急務。アジアの発展の為に日本の技術や働き方を学ぶ環境整備を目指して邁進している。
副理事 木村隆之
九州産業大学オープンイノベーションセンター長。同大学商学部准教授。
1973年京都府生まれ。
専門はソーシャル・イノベーション研究。社会的課題をビジネスにより解決する社会企業家の研究をする傍ら、大学において社会企業家育成に力を注いでいる。20代は大型トラックの運転手。30歳で大学進学、在学中に留学生支援をするなかで研修生制度の闇を知り衝撃を受ける。教え子である東たちの起業を機に、技能実習制度の健全化を目指して共にNPO法人One'sを立ち上げる。
理事 藤野直人
株式会社クロスエイジ代表取締役
1981年、奈良県生まれ。9歳まで台湾で育った。
九州大学卒業後、社会起業家として起業。農業総合プロデュース事業を通して、農業の活性化に日々邁進している。今後、更に農業が発展していくために技能実習生の可能性を感じ、監理団体と連携を取っている。
技能実習制度の問題解決と健全化を図るべく共にNPO法人を設立。山東省出身の祖父の存在もあり“アジアと日本の懸け橋は藤野家のライフワーク” がモットー。
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