里山で続けてきた道づくり、道巡りについてこの活動の始まりは、めちゃくちゃシンプルです。自分の住む里山地域、普通にすごい。何もないと思われているけど、いやいや全然そんなことない。外から来た人の目線で見ると、驚くほど魅力がある。里山って、めっちゃ面白い。この面白さを、いろんな人に知ってもらいたい。そんな、独りよがりな感覚から、このホラ吹き活動はスタートしました。誰も来ない里山。忘れられた場所。価値がないと思われている場所。でも、自分にとっては全然違った。「本当に価値はないのか?」そんな違和感を覚えながら、ただひたすら山に入り続けて、道をつくってきました。最初から明確な思想があったわけじゃないです。むしろ、現場で体験を重ねる中で、少しずつ自分の中の問いが深まっていった感覚です。その中で出会ったのが、『野生の思考』でした。人は本来、もっと自由に世界を捉えていたのではないか。そんな問いが、自分の中に立ち上がってきた。さらに『万物の黎明』を通しては、人類は一つの正解に向かって進んできたのではなく、多様なあり方を試してきた存在なんだという視点。そして山本哲士の思想からは、「どう生きるか」「どう関係するか」という問いに、改めて向き合うきっかけをもらいました。本を読んだから、この活動を始めたわけではありません。活動を続けていく中で、それらの言葉に触れたとき、「ああ、自分がやっているのはこういうことだったのか」と、あとから輪郭が立ち上がってきた。そんな感覚に近いです。やっていることは、とてもシンプルです。里山を整備して、道をつくる。ツアーを通して、その面白さや感覚を伝える。そして最近は、裸足で、山を歩く。ただそれだけです。靴を脱いだ瞬間に、地面の感触、湿り気、温度、匂いが、ダイレクトに入ってくる。自転車で森の中を走るときも同じで、いろんなものが身体の感覚として入ってくる。頭で理解する前に、身体で感じる体験。そしてもうひとつ大切にしているのが、体験することと、手を入れることを分けないこと。歩くだけじゃなくて、整備する。感じるだけじゃなくて、関わる。その両方があって、はじめて里山との関係が生まれると思っています。最初はただ、「面白いから伝えたい」それだけだったものが、続けていく中で、少しずつ言葉を持って、少しずつ形になってきました。気づいたらもう5年、活動してきて思うのは、今は何かを証明しているわけでも、教えているわけでもなく、ただ、問いをひらき続けている、ということ。これからも続けていきます。里山での、道づくりと、道巡り。気になったら、ふらっと来てください。里山で、お待ちしています。



