2021/02/07 02:05


今日は仕事の方を進めていたので、サンプルの進捗はなしです。


代わりにこれまでのこと、これからのことをいろいろ考えてました。

当初は誰からともなくグッズが欲しいという声が上がり、面白そうだねじゃあ作ろう。でも元手がないから先に資金を募ろう、そうだクラファンだ──本当にこんな始まり方でした。


僕自身、イリアムという環境に関わるまでは、裏方専門のしがない個人の絵描きでしかなく、ネームバリューなど皆無に等しい、広く業界を見渡せばどこにでもいる普通の人間でした。

しかしながら、今は少し違います。

僕がイラストを手掛けた12人(先日さらに3人増えて15人)のライバーさんをはじめ、仲の良いライバーさんやそのリスナーさん、そのまた別の推しのライバーさんとそのリスナーさん。

一部は僕が直接関わったことのないような人なのに、ふらっと配信にお邪魔すれば「あ!誰々さんの絵師さんですね!」と認識してくれることも珍しくありません。多くの人たちが「痕野まつり」という絵描きを知っている。慕ってくれている。応援してくれている。僕は今かつてないほどに、そんな沢山の人たちの「支援」によって支えられているという実感の中にいます。

そして今、まだ目標の半分とはいえ、わずか1週間で40万近くの支援額を集めることが出来、その9割近くが一口1万円という決して少なくはないコースのリターンによって賄われています。


その事実だけでも僕の中では大きな、とても大きな驚きなのですが、それと同時に、果たしてただ目の前の現実に──自分の想像を超えた現象に圧倒されているだけでいいのか? という疑問に行き当たってもいます。


冒頭に触れましたが、きっかけはほんの遊び心でした。


クラファンでの資金集めも、人件費と製作費の確保が主目的であり、それ以上は望むまいと、利益を目的にはしまいと。そんな謙虚な良い人を気取って取り組んでいました。

もちろん、無償の奉仕などと綺麗事を並べるつもりはありません。そういった行いが真に成立するのは、もっと途方もなく大きな力のある人だけであり、今の僕はまだその境地には達していません。

かといって、じゃあ製作費と人件費を回収し、作るもん作ってお届けして、内輪の中でわーかわいい!で終わりというのが正しい形なのか、その先に一体何が待っているのか、ということを考える機会を頂き、僕なりに考えていたという次第です。

多分、「良い思い出」で終わるだけでしょう。

切り詰めに切り詰めた予算、ギリギリのスケジュール。提示したルールは、数値上は確かに達成可能な条件の中です。でも本当に最低限です。文字通りのAll or Nothingでそれ以上も以下もない。

それで終わるのならば、わざわざクラウドファウンディングという手段など取らず、初めから専用フォームで資金を募ればもっと安価に、かつ確実に皆さんのもとにグッズを届けられます。

とはいえ、それは僕自身がクラファンに対して無知だったという部分も大きいのですが、そこに気付きを得た以上、もっと未来のことに目を向けなければこれまで支援していただいた方々はもちろん、自分に対する不敬なのではないかと考えています。


なんのためのプロジェクトなのか。ただ物理的な返礼以上の価値を改めて考え直すと、現在設定中の目標では何もかもが足りません。


誤解しないでください。

今も充分嬉しいんです。僕というひとりの絵描きが、いま確実に誰かに認められている、価値を見出されているという事実に不満などあろうはずもない。仮にもし目標に届かずプロジェクトが終わってしまったとしても、これだけの人達が今の僕と「僕たち」に声援を送ってくれたという事実は消えませんし、それはこの先の僕の活動において大きな誇りとなることでしょう。

ただ、自身の未来を思うのであればこのプロジェクトも通過点であり、決してゴールではないのだと気付いたという話です(前回の活動報告で「痕野家に大きな前進を」と書いていたにもかかわらず)。

そしてそれに気づかせてくれたのも、誰あろう僕たちの未来を思うひとりの支援者の方でした。

肝心なのは、このプロジェクトを終えた先でどんな価値をこれから提供できるのか、でした。

それは「思い出」などという過去への餞別ではなく、より強固で明確な痕野ファミリーとそのリスナーさんたちへのリターンでなければなりません。

カレンダーも、アクキーも、クリアファイルもトートバッグもシークレット特典も、これから先お届けするより大きなリターンに付随する物理的なものでしかありません(自身初のグッズ化、という名目であれば話は別ですが)。


忌憚なく本音を言いましょう。

僕はもっと大きくなりたいです。もっと有名になりたいです。そして今以上に、痕野家のライバーさんたちが愛される存在になれれば良いと思っています。

──余談ですが、今イリアムのイベントで勝つセオリーの一つとして、超重課金リスナー、いわゆる石油王と呼ばれる人をファンにつけるのが重要とされています。

しかしながら僕は、彼ら彼女らに対し、ひとりの石油王ではなく1万人のリスナーさん達を味方につけ、1万人の力でイベントに勝ち、1万人全員で祝杯をあげる。その方がきっと盛り上がるし、きっと楽しい。そんな誰にでも愛されるライバーさん達であってほしいと思っています。


それにあたって僕ができることは、残念なことにイラストしかないのです。

そしてご存知の通り、イラストには非常に多くの時間と手間がかかります。

僕が痕野家のライバーさん達とそのリスナーさん達に対して絵を描く上で、時間的金銭的環境は無視することはできません。

具体的な例を示すと、今の目標額からプラス50万円あれば、痕野家全員分の新規立ち絵が作れます。

さらにもう50万円あればLive2Dを商業クオリティで提供する環境を半年以内で構築できます。

もっとも、まだこれは概算に過ぎないので全てを真に受けないで欲しいのですが、要するにただカレンダー作って届けて終わりにするためだけのクラウドファウンディングでは、誰も得をしないというお話でした。

なので、今日この日をもって現目標額にプラスしたストレッチゴールの設定を正式に検討したいと思います。

ストレッチゴールの詳細については、その仕組みと合わせて近日中に発表します。

もとより時間があるわけではないので、そう長くはお待たせしません。

長いというなら今回の活動報告の方がいい加減長文になって参りましたので、本日はこの辺りで締めとさせていただきたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございます。

支援者の皆様におかれましては、これからも切に、切によろしくお願い申し上げます。