皆様こんにちは!いかがお過ごしでしょうか?
横浜はポカポカ日差し、私は裏庭でパソコンに向かっております。
さて、河童ブギウギのご参加について、いくつかご質問いただいておりますので、今日は、振り付けについて考えていることを書こうと思います。
私が福祉施設でタップダンスのワークショップをするようになったのは2010年です。みるみるうちに参加施設が増えて、昨年コロナで途切れるまでの10年間、毎月100名の障害があるといわれる方々とタップダンスをしてきました。その中で、いろいろなことに気づきました。
例えば、昨日のタップセッションはこんな感じでした。
「生きるエネルギーを交換する」
「振り付け通りではなく自由にさせてあげたい」
こちらは初めてダンス体験させてあげたい!という際によく伺うご要望です。その意図はわかりますが、いくつかの段階のことが混ざっていますので、自由な表現が生まれるために、私が大事にしてきたのは以下の手順です。
1.自ら参加しようという気持ちが生まれるまで待つ
しばらく様子を見たいなあと思っている時に、せっかくだからやりなさい!と誘うほどにやりづらさが増してしまいます(笑)。気を遣って参加してくれた時には「これでいいですか?」という態度になってしまいます。
2.参加していない感じの人に常に気を配り、ふとやってみたい!と心が動いた瞬間にサポートする
ですので、しばらく見ているという自由を確保するようにしますが、かといって、放置するのではないのです。見ている、という立場から、やってみる、という立場に移る時には何かのきっかけが必要なので、そのタイミングを見逃さないように、周りの人たちの様子を常に感じています。
3.遊びの構造(ルール)を伝える
はじめて出会う表現においては、なんでもいいからやってみる、という状態の次に、簡単なルールがあることで遊びやすくなります。
例えば、並んでいる順に音を出してみる、や、隣の人の音を真似していく、など、シンプルでわかりやすいルールが一番です。しばらく繰り返していくと、思いがけない反応が返ってきます。これが目的!あるルールの中で安心して遊ぶことでやっと、次はこうしてみようかな?、というモチベーションがひとりひとりの中で生まれます。出し切るまで遊びましょう♬
4.できることを組み合わせた振付で、構造的な楽しみ方を伝える
こうした遊びの後に、振り付けに入ります。振り付けには極力シンプルな構造を持たせた方が良いです。タップはリズムですので、フラクタル構造で展開することが可能です。
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自閉スペクトラムの方には特にこの構造がはまりやすいように感じていますが、この方法では、ステップの速度を変えてみる身体的な練習と、リズムの構造の理解が同時に行えます。やることを伝えた後に、大事なことは、この構造にぴったりな歌を歌うこと!!
曲選びに困るかも?いえいえ大丈夫です!大抵の音楽も、こんな構造になっています。おそらくこれは万人に気持ちの良い展開なんですねぇ。
ちなみに今回の「河童ブギウギ」は、歌詞合わせのイレギュラーなところもありますが、基本の足音はこんな構造にしてあります。
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盆踊り的に、繰り返しが気持ち良さを生んでいきますので、お試しくださいね!
このように、楽しいな!気持ち良いな!ということを体験する足掛かりとして振り付けがあります。これはこれとして体験してみたその先に、その中での自由度を上げていくこと、そこから外れて自由度を上げていくこと、などの選択肢も生まれてきます。
でも初めから、「自由にやってごらん」だけでは、自分の知っている方法以外見つからなくて飽きてしまう場合があります。
そんな時に、「河童ブギウギの」振り付けを使ってみていただけたら幸いです!
その通りに”ちゃんと”できる必要は、全くありません!!!
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私おどるなつこはタップダンサー・振付家としてさまざまな振付を行なってきましたが、この春は新たなNPO法人あしおとでつながろうプロジェクトの代表として、日々さまざまな活動をしております。昨日はプレスリリースを初公開しました!
ご興味ある方は下記リンクからPDFをご覧ください!
プレスリリース「アートと福祉を社会とつなぐ「デジタルギフト」販売開始 ~コロナ禍における新しい社会貢献型商品の提案~」
お読みくださりありがとうございました!
楽しい毎日をお過ごしください!!