数日でクラウドファンディングも終了します。
たくさんの方にご支援いただき本当にありがとうございます。
気がつけば、目標金額まであと少しとなっています。
必要な方に届けたいのが目的であって、目標金額達成が目的ではありません。
結果はどうなるかはわかりませんが、ご支援ありがとうございました。
終了後も引き続き必要な方に届ける活動をしていこうと思っています。
今回活動報告として2つの香りについてお伝えしたいと思います。
今回のマスク用の香りとしていますが、ハッカ油はスッとする清涼感と爽やかな香りでマスク用に合うのはおわかりいただけると思います。
ラベンダーについては、なぜラベンダー?と感じている方もいると思います。
なぜラベンダーを選んだかをお伝えしたいと思います。
精油を使った研究が世界中でおこなわれ、論文発表も多数されています。
その中でラベンダーオイルを使った研究がとても多いのをご存じですか?
好き嫌いのあるラベンダーの香りですが、あえてラベンダーを選んだ意図は、マスクをしている不快感から来る体の不調を和らげたいという想いからです。
アロマスティロを使った研究はしていませんが、たくさんあるラベンダーの香りを使った研究からいくつか取り上げてご紹介します。
なぜかラベンダーオイルは研究ではよく使われます。
特に有名な研究はテレビ番組で取り上げられ、精油の在庫切れを起こすくらい反響のあった鳥取大学医学部の浦上克哉教授たちの研究です。
すでにご存じの方も多いと思いますが、出所はご存じないかもしれませんので論文本体をご紹介します。
昼にローズマリーカンファーオイルとレモンオイル
夜に真正ラベンダーオイルとスイートオレンジオイル
上記の組み合わせのオイルを使用しています。
28名の高齢者を対象に、そのうち17名が認知症(アルツハイマー病(AD))の方です。
詳細は
合計で28人の高齢者(平均年齢86.1±6.9歳)がこの研究に関与し、17人の患者がAD(男性2人、女性15人、平均年齢86.3歳±6.4歳)、3人が血管性認知症(すべて女性、平均年齢89.7歳±5.5歳)、8人はADと脳血管病変の混合症例(すべて女性、8.3歳±平均84.5歳)。
28日間のコントロール期間の後、アロマセラピーは次の28日間にわたって行われ、続いて28日間のウォッシュアウト(アロマテラピーの影響を排除する期間)期間が続いた。コントロールとウォッシュアウトの期間中、患者は治療を受けられなかった。アロマセラピーの28日間、患者は朝9時から11時に0.04 mLレモンと0.08 mLローズマリーエッセンシャルオイルの香りにさらされ、夜19時30分から21時には0.08 mLラベンダーと0.04 mLオレンジエッセンシャルオイルの香りにさらされました。
扇風機とディフューザーを使い、エッセンシャルオイル(ローズマリーとレモン、ラベンダーとオレンジ)は混合されたものを使用しています。
TDASというタッチパネル式のADASというアルツハイマー型認知症の検査法を用いています。ADAS法は世界的に最も信頼性の高い評価法のようです。
アロマテラピー期間(28日)の前後に28日ずつアロマテラピーをしていない期間があります。その期間にTDASなどの評価をおこないアロマテラピー前、アロマテラピー後を比較しています。
結果、認知機能の有意な改善がアロマテラピー後に観察されました。
この研究のポイントは、ブレンドした精油2種類、昼と夜に嗅ぐという所です。
残念ながらラベンダー単体の結果ではありません。
原文と著書「アロマの香りが認知症を予防改善する」をご紹介します。
「アロマの香りが認知症を予防改善する」
https://www.amazon.co.jp/dp/4800230128
Jimbo D, Kimura Y, Taniguchi M, Inoue M, Urakami K. Effect of aromatherapy on patients with Alzheimer's disease. Psychogeriatrics. 2009 Dec;9(4):173-9. doi: 10.1111
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1479-8301.2009.00299.x
その他のラベンダーの香りを使った研究をご紹介します。
まずは、ラベンダーオイルのアロマデフューザーを使った研究です。
「重度の認知症における興奮行動の治療薬としてのラベンダー油:プラセボ対照研究」日本語訳
原題「Lavender oil as a treatment for agitated behaviour in severe dementia: a placebo controlled study」
対象
重度の認知症のICD-10診断基準を満たし、ピッツバーグ・アジテイション・スケール(PAS)の最低3ポイントとして定義された興奮行動に苦しむ15人の患者。
研究
2%濃度のラベンダーオイルを使ったアロマディフューザーを2時間(16時~18時)使用。比較として水を使ってプラセボ(効果の無い比較のためのもの)としています。1日おきに10回の使用。
結果9名の患者(60%)が改善を示し、5名(33%)は変化がなく、1人の患者(7%)が悪化しました。ThePASは16ポイントで評価され、4つのドメイン(異常発声、運動の興奮、攻撃性とケアへの抵抗)それぞれ0〜4ポイントを評価しました。高いスコアは興奮のレベルが高いことを示します。
結果:ラベンダーオイルの香りを嗅がせると、おだやかな改善効果が認められる。
ラベンダーの香りを嗅がせるとおだやかな効果が期待できそうです。
原文(論文)は以下の通りです。
Holmes C, Hopkins V, Hensford C, MacLaughlin V, Wilkinson D, Rosenvinge H. Lavender oil as a treatment for agitated behaviour in severe dementia: a placebo controlled study. Int J Geriatr Psychiatry. 2002 Apr;17(4):305-8.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11994882/
他にもラベンダーの香りを嗅ぐと鎮静効果があると言う報告もあります。
以下、いくつか研究結果のポイントだけ列記してみます。
(以下文章は自動翻訳を用いています、気になるところは手直ししましたが日本語がやや不自然なところがあります)
・ラベンダーは、不安障害および関連状態の治療に用いられた。 3回の臨床試験で、ラベンダー油から調製されたエッセンシャルオイル(水分蒸留によるラベンダーの花から製造されたエッセンシャルオイル)を、80mg /日の用量で、亜症候性(混合)不安障害および一般化された不安障害などがあります。 ラベンダーの抗不安効果は、不安障害に罹患している221人の患者において、プラセボより優れていた。 さらに、ラベンダーは不穏感、睡眠障害、身体的愁訴などの関連症状を改善し、一般的な健康状態や生活の質に有益な影響を与えた。
Kasper S, Gastpar M, Müller WE, et al. Efficacy and safety of silexan, a new, orally administered lavender oil preparation, in subthreshold anxiety disorder—evidence from clinical trials. Wiener Medizinische Wochenschrift. 2010;160(21-22):547-556.
・アロマテラピーによるラベンダーオイル(1%濃度に希釈)を気散させた集中治療室に入院した36人の患者の不安と気分の改善が報告された。
慢性血液透析で治療されていた14人の女性患者について、同じ結果が報告された。
Itai T, Amayasu H, Kuribayashi M, et al. Psychological effects of aromatherapy on chronic hemodialysis patients. Psychiatry and Clinical Neurosciences. 2000;54(4):393-397.
・高リスクの産後女性の不安とうつ病に対するラベンダーアロマテラピー(2%濃度に希釈)の影響に関する調査では、ラベンダーの香りを嗅がせ4週間後のエジンバラ出生後うつ病スケールと全般性不安障害スケールの有意な改善が示された。
Conrad P, Adams C. The effects of clinical aromatherapy for anxiety and depression in the high risk postpartum woman—a pilot study. Complementary Therapies in Clinical Practice. 2012;18(3):164-168.
・ラベンダーの香りは歯科患者の不安を軽減しました。
Lehrner J, Marwinski G, Lehr S, Johren P, Deecke L. Ambient odors of orange and lavender reduce anxiety and improve mood in a dental office. Physiology and Behavior. 2005;86(1-2):92-95.
・ラベンダーは、その不安緩解効果を伴うヒトの脳波パターンに影響を及ぼす。 ラベンダー(10%濃度に希釈)を3分間吸入すると、EEG(脳波)のアルファパワーが不安を減少させ、40人の健康な成人の気分を良くすることが報告されています。
Diego MA, Jones NA, Field T, et al. Aromatherapy positively affects mood, EEG patterns of alertness and math computations. International Journal of Neuroscience. 1998;96(3-4):217-224.
ラベンダーをあえて選んだのは、ラベンダーの香りの効果を調べるための研究が多いからです。
香りの好き嫌いはあると思います。
香りを嗅ぐだけで口には直接入れませんが「良薬口に苦し」ということでラベンダーの香りを一度試していただければ幸いです。
マスクをしている不快感の軽減に役立てていただきたいアロマスティロです。