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【看護師1人ひとりが伝えたい音楽の力とは?】
○ ゆめ ○
Yuuka
看護師×公衆衛生(保健師、MPH、ピアカウンセリング)×高校教諭
ある患者さんと音楽にまつわる話
私は内科系病棟の看護師として日々病と共に生きる患者さんを担当しています。看護師1年目だった私は病棟に行くだけでも緊張していて、失敗しないように、迷惑をかけないように、と常に考えていました。笑顔でいようと努めていましたがきっと顔は引きつっていたと思います。そんな不安だらけの私が朝の挨拶に伺うと「待ってたよ。」と笑顔で話しかけてくださるのが、その方でした。いつも笑顔で医療者と接してくださり、私の名前も覚えてくれました。入退院を繰り返していたので何度も担当させていただき、外来に来た時も病棟にわざわざよって声をかけてくれ、お手紙をいただいたこともありました。仕事で辛い時は手紙を読み返して、もう少しがんばってみよう、と思える力をくれました。
ある日、病棟に何かを探すようにきょろきょろと周りを見回している方がいました。お声掛けすると「こちらの病棟で演奏会ってされてますか?知り合いから一緒に見よう、と言われたものでいつか知りたくて。」と返されました。私達の病棟では年1回演奏会が開催されるのですが、基本的に病棟の入院患者さんのためのものでわざわざ聞きに来るような場ではありません。どういうことなのか詳しく聞いてみると、あの患者さんから誘われていたようでした。しかし残念なことに演奏会は3日前に終わっていたのです。そのことをお伝えすると「仕方ないですね。すごく楽しみにしていて何ヶ月も前から一緒にいこうと言われてたのですが。でも容態もよくないし聞きに来るのも難しい状況だったので良かったのかもしれません。」と話されました。本当にとても小さな演奏会で、30分程度で終わってしまうものなのにそれを何ヶ月も前から楽しみにしていたことを知り、患者さんにとって音楽がどれほど心の支えになり、思うように動かすのが難しい体から心を自由にさせてくれるものなのかを知りました。
それから数日後、私達の病棟にその方は入院してきました。容態は悪く、笑顔を見せることも声を出すことも難しい状況でした。そして数日後に天国へと旅立たれました。私は「その時」に立会いいろんな事を話しかけましたが、演奏を聞かせてあげたかったなという思いが心には残ったままでした。
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音楽は人の心を自由にしてくれます。いろんな気持ちを届けてくれます。癒やしや勇気や元気を与えてくれます。
いろんな気持ちと出会いそしてその気持ちを未来に向けることを、私は「ゆめ」と呼ぶのだと思います。だから私は音楽の力で「ゆめ」を届けたい。
病と共に生きる患者さんたちに音楽を通じて「ゆめ」を届け心の支えになりたい。
看護師だからこそ音楽で伝えられることがあると信じて
空にも届きますように
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引き続きご支援よろしくお願い致します