2015/11/11 00:32
この題材は決して新鮮ではないと思います。ただ、松本優作監督には「これを作りたい」という熱意がみなぎっていました。1990年代生まれの若者感覚で描くと、どうなるのか。そして「病み」というワードを日常的に使う世代が、地下アイドルを通して現代の「闇」に踏み込む。本当の「地下」ってどこにあるのでしょうか。実際のところ「地下」すらも、今は「闇」にまぎれているのではないのか。底辺すら見当たらない若者像と、無差別殺傷事件。篠崎こころさん、安城うららさんが浮かべる不機嫌な眼差しの意味を早く確かめたいです。
田辺ユウキ(映画・音楽評論、宣伝プロデューサー)