何からお話したら良いのか、未来の為にも今回の事をお話した方が良いように思いますが、そうでない場合もあります。
お話出来る内容も判断に迷う所ですが、日々私達は命を救う為に判断を下したり、決断に迫られたり法律の壁に悔し涙を流したり日々戦っています。
今日はアメコカのカーラちゃんのお話です。
ある方からボロボロのアメコカを助けて欲しいとお電話を受けた事から私達はカーラちゃんを知る事になりました。
カーラちゃんにはセンター収容時、マイクロチップが入っていたので入っている以上は、行政上の決まりで飼い主さんの元にコンタクトを取り、意思確認をしなければいけない事から1か月近くはマイクロチップの追跡に時間がかかるかもしれない事もお聞きしていました。
画像を見る限り、あまりに酷い状態でガリガリで健康状態も不安でしたのでもし飼い主さんが現れたら仕方なくお返しするしかありませんがまずは温かいお風呂に入れてあげたいし、ゆっくり寝かせてあげる為に、お預かりしたい気持ちである事をお伝えし、職員さんに懇願しました。
職員さんから酷い毛玉で悪臭が酷い事をお聞きしながらも、私達のお願いにご理解下さりお預かり出来る事になり、すぐお迎えに行きました。
カーラちゃんは所謂劣悪繁殖場と呼ばれる環境を想像してしまう程、酷い毛玉と身体中から放つ悪臭とガリガリの痩せた体。
しょんぼりしたカーラちゃんに絶対に幸せになろうね、と約束して。
早速いつもボランティアトリミングしてくださるAISPさんがカーラちゃんを綺麗にして下さり見違える程フワフワに。
カーラちゃん、きっと生まれて初めてのシャンプーで嬉しかったのでしょう
ニコニコしていました。
お散歩も未経験、オヤツもオモチャ遊びも未経験。
ご飯もあまり貰ってなかったようで大急ぎで尻尾振りながらご飯を食べていました。
それからカーラちゃんのこれからの不安は室内にある幾つもの脱走防止ゲートも軽く飛び越えてしまう程の跳躍力。
一般家庭で育ったのに、何故こんなにもカーラちゃんは家庭的な感じがしないのだろう、と不思議でした。
それでもシェルタースタッフの皆さんにカーラちゃんは愛され、お散歩の練習を始めたり、遊びも覚えたり。
少しずつ体もふっくらしてきました。
預かりスタッフのお宅でも少しずつサークルトレーニングをしたりしてカーラちゃんが未来に困らないように、皆でカーラちゃんを愛し、ケアし、守っていました。
そんなある日、行政の方から連絡があり、マイクロチップの追跡調査により飼い主さんとコンタクトが取れたそうでこんな酷い状態で1か月以上迎えにも来ない飼い主に、カーラちゃんを返還しなければいけない可能性が出てきました。
絶対に返したくない!返せば次はカーラちゃんは死んでしまうかもしれない!
センターの職員さんも私達の気持ちにご理解いただきながらもどうにも出来ないシステムに飼い主さんとカーラちゃんを合わせなければいけないと言う事態になり、法律の壁に苦しく、やるせない気持ちになりました。
目の前にはフワフワの毛並みになったニコニコする可愛いカーラちゃんがいて、この子が再び苦労をする為に返す事になるなんて!驚愕で苦しすぎます!
一旦センターに連れて行くとカーラちゃんは私にすがり付いてきて、私達も悔しくて涙を堪えるのが必死でしたが必ず、迎えにくるから、安心して待つんだよ、と約束して帰りました。
後ろ髪を引かれて、正直自分の活動の限界も感じました。
必死に守ってケアしてくれたシェルタースタッフの皆さんや預かりスタッフの残念な表情も頭をよぎり胸が詰まります。
当会には小学生から大学生のボランティアスタッフの方もいて、親御さんと保護犬のお世話や譲渡会に通って下さっている方も多いのでカーラちゃんだけが幸せになれない事を知ったらどんなに落胆するか。
自分の子供時代から長年味わってきた世の中の理不尽さや何度も流した動物達への悔し涙の記憶が蘇ってきて。
私はその頃と今も同じ気持ちだから現場という最前線から離れたくないのだと思います。
スタッフの皆さんにはそんな落胆を味合わせたくないと思い、職員さんにも何回もご連絡しました。
センターの職員さんにも飼い主さんと話す際には、犬を飼える環境なのか、その犬を家族として幸せに出来るのか、そうでないかを聞き、しっかり指導して欲しい事と、その前に、カーラちゃんを手放して欲しいとお伝えしました。
センターの職員さんもカーラちゃんのこれまでの劣悪飼育を把握されたそうで今回頑張って下さいました。
飼い主さんを呼び、しっかり指導した後、二度と犬を飼わないようキツく指導して下さいました。
そして晴れて飼育放棄となりました!!
良かった。。。
カーラちゃんは生きられる
センターの職員さんからお電話をいただいてからすぐにお迎えに行きました。
カーラちゃんはクンクン泣きながら(まさに泣きながらと言う言葉にピッタリでした)胸に飛び込んできました。
私は待たせてごめんね、ってカーラちゃんに謝って。
お利口だったね、って沢山ナデナデしました。
職員さんもあまりにカーラちゃんが私達に懐いているので飼い主さんより懐いてる、と言って下さいました。
カーラちゃん、晴れて正式に引き出し手続きが終わり、SORAっ子になりました。
今、遊びながら少しずつマテを覚えたりして、脱走防止ゲートだけに頼らず、対策を考えてケアして行くつもりです。
カーラちゃん、頑張ります。
カーラちゃん、おかえり
センターの職員さん、カーラちゃんの事を考えて下さって感謝します。
カーラちゃんのような事は普段からよくある事でマイクロチップの意義や虐待の定義など
まだまだ法律改正しなければいけない部分は多数あると感じています。
全ての子達を守れる日が来ますように。