(海くんの病気とは少し離れた内容です。)
実は最近、仕事を辞めました。
辞めたらあれやってみたいこれやってみたい、と、いろんなことが頭に浮かんでいたのですが、そんなときに預かることになったのが海(カイ)くんでした。預かってすぐに難病であることが判明するも、多くの幸運に恵まれて元気いっぱいに変身できたわけですが、ほっとしたときに私の心に沸いてきたのは、無力感でした。これだけがんばって、たくさんの人に助けてもらえても、救えたのはたった1匹、焼け石に水なのだという。
ですが私ががんばったのは今回だけのこと。毎日、殺処分される犬猫を減らすことを最優先の生活を送っていらっしゃる方が大勢います。職業としてではなく、ボランティアで。日中している仕事以外の時間はほとんど犬猫のことに走り回っている方々には、頭が下がります。
それでも、殺処分される猫の数が減らないのが愛媛の現状なのです。
海くんのことに力を注いでみて、1匹を救うことが無力感でなく達成感で終われるようになるには、救わなければならない命があとからあとから生まれてくるのを止める、つまり去勢避妊手術を徹底的に行うしかない、と、これまでになく強く思うようになりました。
仕事を辞めてできた時間、ゆっくり好奇心を満たすことに使いたいと思っていたけれど、今は、一斉TNRプロジェクトの立ち上げと実施を考えるようになりました。はっきりとした効果が出るだけの規模で行うには、広範囲からの情報収集と、綿密な計画と、関係者への丁寧で簡潔な説明が必要です。とにかくエネルギーを要することだから、燃え尽き症候群のような今の状態を脱したら、ビジョンを具体的に説明して協力者を募る準備から始めようかと。どこまで実現できるかは、やってみてからでないとわかりませんものね。
今でもはっきりしている理想の形は、団体か個人か、官か民か、どこの団体か、といった枠は二の次にして目標へ純粋に向かうチームを作ること!です。
こりゃ大変なことだ。書いてみると改めて思います。が、好きな踊りにかける時間とエネルギーは減らさずにやります。バレエなんかにかけるお金を回せるんじゃないのかという声が聞こえてきそうですが、絶対やめません。生きがいですから。
ちなみに海くん、甘えん坊で人見知りも猫見知りもしない、とーーっても可愛い子ですよ。まだ里親募集中です!