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クラウドファンディングが終了しました。
ご支援、応援いただきまして本当にありがとうございました。
当プロジェクトはAll-or-Nothing方式です。
目標金額を達成しなかったため、当プロジェクトは解散になります。ご支援頂いた金額は返金されます。印刷を発注する際のロット数の折り合いもあり今回の方式を選びました。申し訳ありませんが、ご理解のほどよろしくお願い致します。
今回は私の力不足により、プロジェクトは実行まで至りませんでしたが、今回のプロジェクトが、私のこれからの大きな助走になることは間違いありません。
ご支援してくださった14名の皆様方のお気持ちに、現時点で応えるには、
次回に繋げるためのプロジェクトの反省と私のこれからの考えをなるべくお伝えすることかと思い、報告させていただきます。
反省|「企画にする」ができていなかった
今後|制作はこう続けます
最後|クラウドファンディングを終えて
三部構成でかなり長くなりますが、今の私ができる精一杯のお礼とお詫びの気持ちです。
お付き合いいただければ嬉しく思います。
反省|「企画にする」ができていなかった
・ドリルではなく、穴が欲しい
「ドリルを買いにきた人が欲しいのは、ドリルではなく『穴』である」
『マーケティング発想法』(1968年)よりレビットさんの有名なお言葉があります。
今回のクラウドファンディングのタイトルは、
「ピクトグラムの無料配布サイトを制作したい」でした。
配布サイトを制作したいというのは私視点の話であり、
ピクトグラムを使ってくださる方々の視点からのフレーズではなかったことです。
私のピクトグラムをみんなに使って欲しい。
だから制作するピクトグラムの配布サイト。
これは手段でああり、ドリルのことです。肝心な穴ではなかったです。
タイトルの付け方が良くなかったなと反省しました。
「〇〇をつくりたい」「〇〇をしたい」という自分先行のタイトルは応援してもらうクラウドファンディングっぽいとタイトルと言えばそうなのですが、
そうだとしても、「ピクトグラムの無料配布サイトをつくりたい」ではタイトルだけを見て、そのあとの展開が予想しにくいタイトルでした。
これは、ピクトグラムコンテンツをひとつの流れに組み込み、
“企画”にまで仕上げるという考えが甘く、シンプルになるまで考え抜けていないことだったなと思います。
・企画がひと言で言えていない
慌ててつくったリターンがあります。
「文字のない本」です。
タイムラインに流れてくる情報は流し見するのが常です。
そんな流し見に、なんとか引っかかるためにひと言で伝えられるような、シンプルで分かりやすく、それでいて尖ったものが必要だと思いました。
ピクトグラムとは文字を介さなくても伝わる視覚記号です。
そこを極端に取り上げて、文字のない本をつくろうと思いました。
文字の起源を遡ると、象形文字は古代エジプトのヒエログリフをはじめとして絵から成立しています。今となっては「文字」と「絵・図」はそれぞれ別ものになり、「文字を読む」と「絵・図をみる」と言うように動詞の使い分けもあります。
「文字のない本」を制作し、
長い年月とともに、かけ離れていった文字と絵・図の距離をピクトグラムを通して改めて測ることをしようと思いました。
今すぐにクラウドファンディングをもう一度するのであれば、
「文字のない本をつくりたい」にします。
タイトル以外にもたくさんの問題があるのは承知の上ですが、
文字のない本というフレーズをきっかけに、流し見でも生き残れる可能性があるようなタイトルにすべきだったかと思い直しています。
・ピクトグラムを使うイメージが湧かない
プロジェクトページでは、
ピクトグラムを実際に使ったイメージが湧きにくく、頭でっかちにコンセプトを話しすぎたように思います。
このピクトグラムは色々考えを巡らせてはいるのですが、使ったときの想像ができないかぎり、客観的にみると、「こういうミニマルなデザインが好きなんでしょ」という安直な見え方ににしかなりません。
使用例をプロジェクトページに載せましたが、ピクトグラムの風合いを損なわないようにと意識するあまり、実際に使用するイメージが湧きにくい参考画像になってしまいました。
ピクトグラムを身近に感じていただく工夫をもっと考え出し、作っていくべきだなと思いました。使う側に立って考えた、お試し段階を上手く設計できていませんでした。
・友達、知り合いが少ない
これは厳しい現実。とても悲しいですね。
SNSのフォロワーは全部のSNSを足しても200名の方もいない現状です。
かと言って、
なりふり構わずにフォローして、知ってもらう活動から始められるほど器用じゃないことが今回で分かりました。
打開策はつくり続けるしかないということです。
日頃の制作姿勢が自分のやりたいことを通していくための必要条件であることを認識できました。
黙々と、粛々と制作を続けて発信していこうと思います。
今後|制作はこう続けます
・才能のあるフリを辞める
ある程度、SNSのバズりなどを見て、こういうの受けがいいよね、こういうのが好きなんだよねという世間のリアクションの想像はつきますが、狙って制作したことはありませんでした。
社会に受け入れられなくてもいい、理解されれば終わりだなどと斜に構えた才能のあるフリは辞めて、社会に受け入れられる素直なクリエイティブをした上で自分のしたい制作をしていこうと思います。
それにあたり、安直ですが今後は色を使っていこうと思います。
今考えているのは以前まで制作していたポップモダンというシリーズで作ることです。
・企画ありきの制作をする
作品を一つの企画としてまとめてパッケージする大切さを知ることができました。
今までは制作したものを都度、SNSにアップすることはしてきましたが、最終的にどのようにまとめるかということは意識していませんでした。
ピクトグラム自体は単体よりも、むしろ全体でみて魅力を感じます。
作品一つ、一つに脈絡をつくることで活きてくる、流れとしての表現を大切にして今後は制作を続けていこうと思います。
Instagramに並べることを常に意識するイメージです。
・このあとのピクトグラム
ピクトグラムは自分自身の探究心の赴くままに制作したものでした。
西洋的な数比であるフィボナッチの比率(≒黄金比率)を用いて構成しながら、線表現や余白表現で日本的な表現をどこまで演出できるかという和洋折衷のデザインを試行錯誤したものでした。
西洋的な造形言語に対比して日本的な造形言語はなんだろうという問いかけは、私の中で残り続け、プロジェクトが一区切りした今でもその探究心は枯れるどころか深まり続けています。
ですので、今後も赴くままにつくり続けるかと思います。
何かしら、形になって出るかと思いますのでご期待くださると嬉しいです。
最後|クラウドファンディングを終えて
・自分を知れた
どこにも言いませんでしたが、
もし、クラウドファンディングを達成できていたとしても私には一銭も入ってこない設定でした。単にお金の扱いが下手ということもありますが。
支援で集まったお金がどこに行くかというと、
CAMPFIRE手数料、リターン商品の原価、発送費、
そして、エンジニアにお願いするためのお金です。
お金と労力を割いて、はじめて私はピクトグラムの配布サイトを制作に移せます。
今回を終えて、制作ができるというゴールで、おおよそのモチベーションを保てていた自分に気づくことができました。
私は22歳です。
周囲の同級生たちは就職し社会人としてスタートを切っています。
同級生と連絡すると、就職したらとか、暇でしょとか、LINEの反応もなくなりましたが、それと同時に、全て自分でつくることへの固執と社会への鈍感さを自覚することができました。
トゲをトゲだとしっかりと感じない感受性を見つめ直すべきかとも思いますが、
しばらくはこの鈍さを愛でていきたいと思っています。
・お金と支援
クラウドファンディングは支援という形でお金が発生しています。
支援していただく度にその重みを感じました。
リターンの料金を設定するとき、
時給換算的にも原価的にも、プロジェクトを遂行するためのエンジニア分も考えて、このあたりが妥当だなと料金を設定しました。
にも関わらず、支援される度に想像以上のプレッシャーを感じ、5月後半は実際に押しつぶされていました。
プロジェクトページの完成度、もっと高くできたなとか、ピクトグラムひとつにつき100案も出してないくせにリリースすなよとか、ピクトグラム1000種は作って出直せよとか、色々と後ろ向きに内省しました。
これはクラウドファンディングで応援される側になり、初めて感じたものでした。
振り返ると、時間との折り合いの中で小さな妥協の積み重ねがあり、それが最終的にプレッシャーとしてはね返ってきたのかなと思います。時間との制約の中で妥協点を探すのではなく、探すべきは時間との整合点でした。
・いつかのクラウドファンディング
もう一度、挑戦したいとは思いますが、目的にならないように気をつけます。
公開はしていませんが、クラウドファンディングが楽しそうだなと思い、準備していたプロジェクトがこの他に3つあります。
クラウドファンディングが目的ではなく、手段として適切だなという考えにまで至ったとき、もう一度挑戦したいと思います。
ありがとうございました。
クラウドファンディングを終えて、見えてきたものが多くあります。
プロジェクトを始める前は自分の近くにあるところだけで考え込んでいましたが、
クラウドファンディングを理由にして、普段は連絡しない人に連絡してみたり、時間を合わせてくださった方々とはビデオ通話をしてプロジェクトに意見をもらったりして、多様な視点からの知見に触れ、自分にとっては意義のある有難い5月でした。
なるべく早く、皆さんにこの気持ちを制作を通してお返しできるよう努めていきたいと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
お手数とお時間をありがとうございました。
ご支援してくださった14名の皆様、この御恩は重たく噛み締めております。
本当にありがとうございました。
一方的ですが、改めてこれからもよろしくお願い致します!