2021年4月12日0時、クラウドファンディングは終了しました。お陰様で、目標金額30万のところ、40万6,280円の支援があつまりました。支援者数は81人!何よりも支援者数が増えることがとても嬉しかったです。本日よりリターンの準備に入ります、もうしばらくお待ちください。そして、失語症の本もすべての校正を終え、入稿します!ドキドキこのクラウドファンディングでタイトルも決まりましたね。感慨深いです。クラウドファンディングはこれで終わりましたが、4月25日失語症の日もあります。動画配信ですが、是非ご覧くださいね。オンラインイベントです。失語症の日制定実行委員会の事務局であるNPO法人Reジョブ大阪のYouTubeチャンネルで配信します。お楽しみに!それではみなさん、またどこかで!
失語症協議会 の付いた活動報告
こんにちは。失語症当事者でも、その家族でも、医療従事者でもない、失語症の日制定委員会の中の人、NPO法人Reジョブ大阪の松嶋です。3年前、私は友人に当事者の書いた手記の編集を頼まれたことをきっかけに、失語症や高次脳機能障害、いわゆる脳損傷の患者さんに起きる後遺症のことを知りました。そして見た目では障害があるとパッと分からないがために、障害者手帳の申請ができなかったり、復職時にトラブルに見舞われたり、支援がなかったりします。そんなひどい状況を知り、「これって何とかしなくちゃいけなくね?」ということで、言語聴覚士の西村紀子とNPOを立ち上げたのです。いっそ、死んでしまえばよかった。中途半端に生かしやがってそんな言葉が当事者の口から出てきた時、一瞬気を失うほどショックでしたが、これはこの人が弱いからじゃない、社会が障害に弱いんだと気づきました。医療技術が発達して、本来死んでしまっていたはずの命が助かる。これは完全に、間違いなく、素晴らしいことです。死ねば良かった人なんて、この世にいないんです。でも、その後、障害を負って生きるのがつらくなったら、この日本で「でもさ、助かって良かったね」と言えるでしょうか。私は私の生きている間に、こんな世の中を少しでも変えたい。万が一、私の、例えば息子が障害を負った時に「俺、死んでしまえば良かった」などと言わせたくないのです。皆さんもそうですよね!でも、ひとりの力じゃ変えられない。そこに力を吹き込んでくれるものの1つがクラウドファンディングです。例えば私が「寄付ください」って言っても、友人が「ん-、またぁ?」と嫌がっておしまい(笑)自腹でもいいか……となるかも(笑)でも、クラウドファンディングって、私の友人がシェアするだけで、私の知らない人にまで記事を見てもらえるんですね。そしてその人が「いいね」するだけで、そのプラットフォームをその人の友人が見る時にタイムラインに表示されるようになる。そしてたまたま目にした友人の友人の友人くらいの人が「そういえば、私の母も、脳卒中してから変だわ」とか「近所のあのいつも怒っていたおじいちゃん、自転車で転んだあと急におとなしくなった」とか、そういうことを思い出して記事を読んで「この本ほしいな」って思ってくれる。そういう力があるんですね。冒頭に述べましたが、私は失語症当事者でも、その家族でも、医療従事者でもないので、特にクラウドファンディングなんてやっていると、「障害を負って人生めちゃくちゃ。静かに暮らしたいんです。そっとしておいてください」と言われることも。「あなたに私たちの気持ちは分からない」とも。凹みましたよ。悩みました。そして禿げました(笑)あ、でも、去年の失語症の日に出来た禿げは治ってきましたよ!(笑)色々な考え方があります。でも私は、私たち「失語症の日制定委員会」は「広く知ってもらう」ことを目的に3人から始めた委員会です。だって、知らない人がいるから、大変になるのだもの。病院の窓口の人、市役所の担当部署の人でも知らない人がいるんです。一般人ならなおさらです。知らない人がいるから、そういう人がいるってことに想像力を持てない人がいるから、レジでもたもたする人に向かって「早くしろっ」とか怒鳴る人もいるし、電車の中で杖を突いている人がいるのに、いえ、乗ってくる可能性があるというのに、寝たふりどころかぐっすり寝て人もいるんですね。しかも「知ってる」と「行動を起こす」ことの間にはまたいくつものハードルがあるんです。せめて「知ってる」人だけでも増やしたい。私たちはそう考えています。この図は失語症の日のホームページにあるものです。知ってもらうことで、私のように障害がない人が変わるのが上二つ。そして、最近では下の「社会参加」が特に重要だと言われています。つまり、障害を持ってしまった人も、社会参加が大切だということです。人間は社会的な動物です。コミュニケーションを取り、人や社会と関わることで、生きる意味を見出していく生き物。失語症はそのコミュニケーションが上手に取れなくなってしまうので、なおさら、上二つのアプローチが必要なのです。皆さん、今日でクラウドファンディングは終わります。が、私たちの活動はこれからも続きます。「そっとしておいてほしい」と言っていた人たちが、少しでも前向きな気持ちになり「知ってほしい」という、言葉にならないかもしれないけれど、そういう「言葉を超えて」希望を持てるような社会にしていきませんか?まずは、もうすぐ私たちのクラウドファンディングで完成する本『言葉を超えて-失語症と生きるということ-』を読んでみませんか? リターンにあります。
今日はある委員の文章を掲載します。私は委員会のクラウドファンディング担当で、いただいた原稿をチェックし、ここに掲載する係です。間違いがあってはいけないので、何度も音読チェックするのですが、読むたびに涙が出て止まりませんでした。みなさん、今、心に余裕がありますか? ない場合は、余裕がある時に読みに来てください。あなたのお住まいの地域に支援はありますか?もし、心に余裕がある場合は、しっかりとこの文章を受け止めて、一つ行動を起こしてください。自分のお住まいの市区町村には「失語症」に関する支援はありますか? 何があるのか調べて見てください。福祉課などに赴いてみてください。脳卒中や脳梗塞のリスクは年々増しています。けして脅すわけではありませんが、あなたが、あなたの大切な人が「失語症」になる可能性は0ではないのです。むしろ年々上がってきているのです。失語症に限らず、どんな障害を負っても、「何の臆面もなく社会にははばたき、職を得て、居場所を確保し、当たり前の生活を送ることができるように」少しずつで良いので世の中を変えていきませんか? 困っている人がいたら声をかけるだけでも、世の中は良くなります。特定非営利活動法人日本失語症協議会の園田です。協議会は1983年に発足した失語症のある方、ご家族、支援者の方々の会です。これまで35年にわたり、失語症のある方の当たり前の生活を確保するべく、いろいろな活動をしてきました。私がなぜ、そのような活動にのめりこんだかと申しますと、目の前の現実との闘いが原因でした。私の夫は、今から19年前、脳塞栓から重度の失語症者となりました。そのころの夫は、働き盛りでもあり、突然の発症により、私たち家族の生活は180度変わってしまいました。経済的にも、社会的にも、これからどうすればよいのか。右も左もわからず、周りには相談できる窓口もなく、ひたすら行政の窓口に通いました。そして、いくつかの福祉サービスを受けることができましたが、その道は紆余曲折でした。20年も前のこと、当時は利用できるサービスもあまりなく(現在も多いとは言えませんが)、夫は復職を目指しリハビリに励みましたが、言語の機能訓練が受けられたわけではありませんでした。病院を退院した失語症者に、言葉の機能訓練をする場所など、当時は全くありませんでした。今でもありません。そのような中、失語症協議会の存在(当時:全国失語症友の会連合会)の存在を知りました。友の会の中で、多くの経験豊富なご家族や、当事者の方々からご助言を頂戴し、夫も、友の会の活動の中で、ゆっくり回復していきました。私も協議会の事務所をお手伝いするようになり、今に至っています。話が戻りますが、夫が都身障の職業訓練を終了した折に、「もう、復職は無理ですね!」と教官の発した言葉に、夫婦そろって落ち込み、訓練さえ終えれば職場に戻れると期待が大きかっただけに、言葉を失ってしまいました。帰途の車中はとてもつらく、涙をこらえるのに必死だった記憶があります。もう駄目だ……と。その後、夫は、全国でも珍しい失語症の方々が通所する作業所、今でいう就労継続支援B型施設に通所しました。毎朝、夫の落ち込んだ背中を見るのは本当につらい日々でした。10年ほど通所しているその間には、色々な事件や、交通事故など、様々な出来事がありました。そして夫は、今では前期高齢者の仲間入りをしています。週1~2回デイサービスに通う日々です。20年前は勿論ですが、現在でも、失語症に対する、福祉環境が充足されているかと問われればそれは「NO!」です。「失語症」という名称も、その障害に対して適切ではないと思います。失語症のある方が受ける生活の困難さを、社会全体が理解できていないということが、一番の理由ではないでしょうか?特に、回復に長期間を要するという専門家のエビデンスがあるにも関わらず、退院後の失語症者には、機能訓練をする施設がほとんどないのです。このことは、失語症のある方の社会復帰、職場復帰を大きく妨げています。失語症の日は昨年から記念日として承認されました。 これを機会に、多くの方々に失語症の困難さをご理解いただき、失語症のある方が何の臆面もなく社会にははばたき、職を得て、居場所を確保し、当たり前の生活を送ることができるように、応援を頂戴いたしたく思います。どうぞよろしくお願いいたします。園田さんは、年下の私がこんなふうに言うのは大変失礼なのですが、とてもチャーミングな女性です。でも、この笑顔の下には想像を絶するご苦労と、そしてこの課題を社会に問いかけていく強靭な精神があるのだと思いました。NPO法人日本失語症協議会からは、リターンとして4冊の本を提供していただいています。ぜひ、ぜひ、読んでみてくださいね。