はじめに・ご挨拶
ヨミトク会の太田と申します。
文化や歴史という言葉を聞いた時、多くの人は教科書や専門書に載っているような「私たちの生活から切り離されたもの」をイメージされると思います。
しかし、教科書や専門書に載っているような文化や歴史も、実はその国、その時代の生活の延長線上にあるものであり、同様に私分たちの生活の延長線上にもたくさんの文化や歴史があるのだと私は考えています。
そのような考え方に基づき、ヨミトク会は「文化と歴史をエンターテイメントで読み解く」をテーマに、まだスポットライトを浴びていないマイナーな文化や地域の歴史などに対してエンターテイメントで興味の起点を作る活動をしています。
このプロジェクトで実現したいこと
「菊一文字」という刀の名前を聞いて沖田総司を思い浮かべる人は多いと思うのですが、ほとんどの人はその話の背景をきちんと理解していないと思います。
そういう人達が「現実世界に存在しなかった(と言われている)刀を現代の刀匠が作る」という浪漫溢れるアクションを興味の起点として、「菊一文字」の《菊》は何を意味するのか? 沖田総司が菊一文字を所有していたという話はどこから始まったのか? などを知る。
この流れを作り、それを未来につなげる事がこのプロジェクトの真のゴールであると考えています。
私たちの地域のご紹介
ヨミトク会の活動拠点がある台東区には天下五剣のひとつである「三日月宗近」を所蔵する東京国立博物館などが存在する「上野」と、江戸文化と深いつながりがある「浅草」があります。
「寛永寺」「東本願寺」など新選組の歴史の舞台となった場所もあり、1振り目の刀を奉納させて頂く予定の「今戸神社」は沖田総司終焉の地(諸説あり)と言われています。
また、刀剣博物館(墨田区)からのアクセスも便利な「蔵前」には、全国に支部を持ち、新選組と深いつながりがある国際居合道連盟 鵬玉会(ほうぎょくかい)の本部があります。
プロジェクトを立ち上げた背景
このプロジェクトは当初、歌と剣舞と物語で菊一文字と沖田総司を読み解くことを目的とした企画でした。
この企画は新型コロナウイルスの影響で「台東区芸術文化支援制度」が中止になってしまったことでストップしてしまったのですが、「助成金を使わずにこれを実現出来る方法は無いだろうか?」という話し合いの中で、現実世界には存在しなかったと言われている《沖田総司が所有していた菊一文字》を現実世界に顕現させる事を起点とし、《空想世界の沖田総司》をベースとした、一文字則宗の正しい歴史も織り込んだ新しい物語を作る構想が生まれました。
尚、ここでいう「新しい物語」は、小説やマンガなどのフィクションの世界だけではなく、現実世界を舞台とした、誰もが登場人物として参加出来るものを含みます。
《心に銃を持つ》と《心に刀を持つ》 の違いを伝えたい
本プロジェクトが歌と剣舞と物語で菊一文字と沖田総司を読み解く企画だった時、メンバー全員の共通意識として「《心に銃を持つ》と《心に刀を持つ》の違いを伝えたい」という想いがありました。
大きな力(暴力、権力、財力)を手に入れた時、多くの人の心にはその力を誇示し、自分よりも弱い人を力で支配したいという欲求が生まれます。この現象を、私は《心に銃を持つ》と呼んでいます。
昔、武士と呼ばれた人たちは15歳で元服し、殺傷能力を持った武器である刀を携帯しましたが、それは自らが正しいと信じたことに対して他人を殺めてでもそれを貫く覚悟と責任が伴う事を表していました。そして、自らが正しいと信じたことの為に人を殺める覚悟をするということは、自らが正しいと信じたことの為に殺される覚悟をすることでもあったのです。
そういった武士の生き方を基に、大きな力を手に入れた時、責任と覚悟を以てその力を制御し、その力をむやみに誇示せず、弱い人間が理不尽に虐げられている時はそれを一刀両断する・・・そのような心構えを私は《心に刀を持つ》と呼んでいます。
私自身を含め、現代の日本で心に刀を持っているといえる人はとても少ないと感じていますが、それは全く無くなってしまったのではなく、心の奥底で眠っているだけなのだと私は考えています。
だからこそ、心に刀を持っているといえる人と出会った時、私たちは「自分もああいう立派な人間になりたい」と思う事が出来るのではないでしょうか?
これまでの活動
新型コロナウイルス騒動が起きる前は商店街やデイサービス等での有償・無償の紙芝居公演を中心に活動してきました。
新型コロナウイルス騒動で紙芝居の公演が難しくなった現在は「いつまでもフレッシュであり続ける」という意味を持つ《オレンジング》をテーマとしたコロナ禍でも実現出来る企画を中心に活動しています。
ヨミトク会の活動はキッズ~シニアまでの多世代交流を前提にしたものが多く、将来的には過去~現在までの活動を地域に住む全ての人達の地域愛を育む事につなげていきたいと思っています。
資金の使い道・実施スケジュール
[1stステージ]《沖田総司が所有していた菊一文字》を現実世界に顕現させる
現実世界に顕現した刀は①沖田総司ゆかりの地で②観光地として若い女性が多く集まり③史実の沖田総司とのつながりが曖昧な今戸神社へ奉納させて頂き、台東区の観光資源として常設展示をして頂きます。
※650万円(目標金額)以上の資金が集まった場合
[2ndステージ]斬りに行ける名刀
刀剣の魅力は①造形的な美しさ ②語り継がれる物語 ③刃物としての性能 の3つである、と言われています。
台東区には、全国に支部を持ち、新選組と深いつながりがある居合道場「鵬玉会(ほうぎょくかい)」の本部があるので、ここへ2振り目の刀を寄贈させて頂き、「菊一文字を手に持ち、実際に物を斬る」という体験を誰もが実現出来る環境を整備します。
※1,300万円以上の資金が集まった場合
[3rdステージ]物語の補完
菊一文字に対して「名前を聞いた事はある」程度の人を対象とした、一文字則宗の史実に基づく物語や《沖田総司が所有していた菊一文字》という逸話が生まれた背景などを紙芝居(デジタル化したものを含む)として制作し、刀が持つ魅力のひとつである「語り継がれる物語」を補完します
※1,400万円以上の資金が集まった場合
[4thステージ]地域の文化資源として活用
菊一文字をイメージした曲&ダンスをミュージックビデオとして制作。
さらに、これを台東区内のダンス教室などで使えるようにアレンジしたお手本動画を作ります。
※1,600万円以上の資金が集まった場合
刀匠のご紹介
久保善博(くぼ よしひろ)刀匠
2016年 広島県無形文化財指定
2019年 全日本刀匠会副会長 就任
久保さんは千葉大学園芸学部を卒業後、同大学院にてバイオ研究で素晴らしい成果を収め、周囲からは研究者になると期待されていました。そんな久保さんは、偶然観たテレビ番組で「鎌倉時代の名刀は現在の技術では絶対に作れない」と語る刀匠の言葉に「700年前に出来たことがなぜ出来ないのか?」と疑問を抱きます。
そして、鎌倉時代の刀を自らの手で再現したいと考え、刀匠の道を志しました。
研究者としてのスキルを活かして独自に製鉄技術を追究され、瀬戸内市で実施した「日本刀の聖地・長船 令和の名刀を活用した観光魅力拡大プロジェクト」では国宝「大般若長光」の写しを制作されました。
コロジオン湿板法による撮影
完成した刀は土方歳三や斎藤一の写真で使われた「コロジオン湿板法」という1850年代から1870年代くらいまでの間に用いられた写真技法で撮影を行い、この写真をリターンのポストカードなどで使用します。
写真を撮影してくださるのは目黒の五百羅漢像をコロジオン湿板法で撮影し 、「五百羅漢を巡るふたつの視覚」展でその写真を発表した大和田良(おおわだりょう)さん。
ヨミトク会がこの写真展の後援をさせて頂いたご縁でお声がけをさせて頂きました。
(左)大和田良さん (右)コロジオン湿板法で撮影した五百羅漢像
リターンのご紹介
①奉納者名簿にお名前を記載し、菊一文字(1振り目)と共に今戸神社へ奉納
②菊一文字をコロジオン湿板法で撮影したオリジナルポストカード
③菊一文字草子オリジナルTシャツ
④菊一文字(2振り目)で実際に物を斬る権利
応援メッセージのご紹介(1) 国際居合道連盟鵬玉会 会長 武田 鵬玉さん
無外真伝無外流居合兵道 教士七段免許
東芝「フラッシュエアメモリ」CM出演
東映ビデオ「舞台警視庁抜刀課」居合監修
2020年 英国政府公認スコットランドより「スコティッシュサムライ賞」叙勲
浅草蔵前にある総本部道場にその人は直あたりをしに来た。そこは国際居合道連盟鵬玉会の道場である。340年以上の伝統を巻物で継ぐ無外流の道場だ。
2020年に俳優ショーンコネリーも追贈された、OSS勲章もその組織の会長は叙勲している。英国政府公認、スコットランドの勲章だ。そんな、無外流最大の居合の組織である鵬玉会に直あたりするには、相当の情熱が無ければ敷居が高いと感じたと思う。
しかし彼は来た。
ヨミトク会という、浅草を活動拠点とした文化と歴史をエンターテイメントで伝えたいと願う方が集う組織の長である。
浅草と言えば、世界にいる「日本に行ってみたい」と思う方たちのあこがれの地だ。西の京都なら、東は浅草。それはおそらく日本の文化としてのイメージだ。
その浅草に、イメージとしてのホンモノを置きたいという。諸説あるものの、かつて新選組の二番隊長永倉新八が「浅草今戸の松本良順先生宿(今戸神社)にて病死」と記した新選組一番隊隊長である沖田総司の刀だという。
沖田総司の刀と言えば、「加州清光」「大和守安定」説が今や強い。しかし、戦後の長きにわたって語られてきたのは、文豪子母澤寛先生が記して以来の「菊一文字則宗」だ。
現存していない刀を復刻する、それが世界が日本文化の象徴の街としてイメージする浅草であるなら、沖田総司の刀として復刻するは「菊一文字」以外には考えられないではないか。
そしてヨミトク会は、歴史に対する浪漫をこめ、この現存していない「菊一文字」として復刻するという。
世界は新型コロナであえいでいる。人は事実だけでは生きられない。たとえかつてのように生活できるのが、本当は2年後だとしても、希望や浪漫が必要だ。
ヨミトク会のおかげで私やあなたの希望、浪漫を積み重ねることができれば、2振りの菊一文字ができる。今戸神社に1振りを奉納し、もう1振りは鵬玉会の道場に奉納される。
無外流の大先輩と語られるのは、新選組三番隊隊長であった斎藤一だ。道場にも写真が飾られている。文豪浅田次郎先生の「一刀斎夢録」には、死を迎える前の沖田を、江戸から転戦する直前の斎藤一が訪れる場面がある。本当にそれがあったか、なかったかはわからない。
しかし、日本人の誰もが思い描く刀を復刻し、今戸神社に確認しに行き、そして浅草蔵前の鵬玉会の道場で、実際にその刀を触れるのだとしたら、あなたが夢をそこに託す価値は十分にあるだろう。
私は新型コロナの向こうに希望や浪漫を持ちたいからこそ、このプロジェクトは大変な価値があると思う。精一杯応援したい。
付記 今回の刀匠は、私の刀の尾川兼國先生にお願いし、菊一文字復刻におそらく最も適任だという方(久保善博刀匠)をご紹介頂いた。
文化は浪漫で満ちている。私たちは希望を語りたい。
応援メッセージのご紹介(2) 活弁士 麻生 八咫さん
1995年 伊・パルマ市にて文化庁主催「ジャパン映画フェスティバル」で活弁公演
1998年 文部大臣賞受賞
2004年 埼玉坂本龍馬会 会長 就任
浅草生まれ、浅草育ちの太田君が、浅草の文化を世界に発信しようとこんなステキな企画を立ち上げました。心より応援しております。
頑張ってください!
応援メッセージのご紹介(3) 浄土宗僧侶 佐山 拓郎さん
浄土宗僧侶の佐山と申します。3月まで、目黒の五百羅漢寺で住職をしておりました。
今回の企画のリターンに協力してくださっている、写真家の大和田良さんには、昨年、五百羅漢寺で開催された写真展「林忠彦×大和田良 -五百羅漢を巡るふたつの視覚」で、大変お世話になりました。
太田とは中学の同級生でした。卒業後約30年、交わることはありませんでしたが、ひょんな事から再会し、今では私の「ドラクエ法話」というイベントを一緒に行っています。
目黒で住職をしていた私にとって、地元浅草で「ヨミトク会」として活動している太田はとても眩しく、少しでも力になれればと、応援する事にいたしました。
私の故郷台東区で、私の好きな新選組の沖田が振るっていたといわれる「菊一文字」を復刻するという企画に、ときめきが隠せません。
今後私も、地元台東区のために貢献していきたいと思っております。「ヨミトク会」と「ドラクエ法話」を、今後ともよろしくお願いいたします。
最後に
最後まで読んで頂きありがとうございます。
日本の刀剣は古来より「魔を断つ力を持った神聖なもの」という精神性を持っていました。コロナ禍という今だからこそ、コロナという魔を断つ刀を現実世界に顕現させ、その物語を未来へ紡ぎたいと思っています。
出資金が集まった際には鵬玉会の武田会長にご指導を頂き、覚悟と責任を以て、全ての刀剣関係者が納得出来るようなきちんとした刀を完成させる事を約束致します。
本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。
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