みなさん、はじめまして。
「カンボジアの子どもたちを支援する鹿児島人の会」の代表、有留(ありどめ)と申します。過去2年あまりにわたって、この鹿児島の地からカンボジアの農村の子どもたちを支援するための活動を続けています。
その活動内容については後ほど説明することにして、まず初めに今回みなさんにご支援をお願いすることになったソリヤちゃんについてお話させてください。
▼ソリヤちゃんとの出会い
彼女が住んでいるのはカンボジアのほぼ南西に位置するコンポンスプー州。そこでは見渡す限り田んぼが広がり、そのまわりにはヤシの木が生い茂り、ところどころで牛たちがのんびりと草を食んでいます。時間の流れもゆったりと感じられる、そんな牧歌的な雰囲気のただよう土地です。
私がそのコンポンスプー州を訪れ、ソリヤちゃんに出会ったのは昨年12月。支援している現地NGOの代表の仲介で、ソリヤちゃんの通っている学校(ボーセット中・高校)に学生寮を建設することになり、その学生寮の完成式に出席したときのことです。
式典を終えてから、生徒の家庭訪問の一環として訪れたのが中学3年生のソリヤちゃん(現在15歳)の家でした。聞くと、両親が離婚してから祖母の手にあずけられ、経済的にも厳しい環境の下に置かれています。そのせいか、なかなか笑顔を見せず、どことなく悲しげな表情をしていたのが強く印象に残りました。
それ以上に印象深かったのが、彼女の落ち着いた物腰というか、物おじしない態度でした。
このソリヤちゃん、英語が好きで、村の英語塾に通っているのですが、その月謝(5米ドル=550円程度)を稼ぐために日曜日と祝日は近くの食堂で朝の6時から夕方の6時まで皿洗いをしているといいます。ちなみに、バイト代は1日にわずか1.25ドル(140円程度)。実に芯の強い女の子です。
実は、ソリヤちゃんの家を訪問した際、たまたま彼女の学校で英語を教えているアメリカ人の女性が同行していました。平和部隊(日本の青年海外協力隊の米国版)の隊員だということでした。
ソリヤちゃんに「せっかくだから、先生と英語で話をしてみたら?」と促すと、あまり表情を変えることなく、堂々とした態度でその先生と会話を始めました。これには驚きました。なぜなら、「英語で少し話そう!」と呼び掛けても、カンボジアの農村の子どもたちは恥ずかしいのか、一般的には、あまり話そうとしないからです。
といってもまだ中学生ですから、当然、それほど英語がうまいわけではありません。それでもソリヤちゃんは片言の英語で、そのアメリカ人の先生と一生懸命に話そうと努力します。そうした彼女の「挑戦する心」に胸を打たれたといっていいでしょう。
いままで何人もの子どもたちの家を訪問していますが、ここまでひたむきな表情をした子どもを見たのは初めてでした。
そして強く思いました。
「なんとかしてこの子を高校に進学させてあげたい。そこでしっかり学んでもらい、いずれは地域や社会にとって役立つ人材に育ってほしい!」
幸い、初年度に必要な資金(およそ800米ドル)は、以前、学生寮の建設資金として提供してくださった篤志家からの寄付金が残っており、それをあてられます。ですので、この10月から彼女は高校に進学することができます。
しかし、問題は2年目と3年目の奨学金です。その資金が不足しています。
今回、その奨学金をみなさまにお願いして、なんとしてもソリヤちゃんが無事に高校3年間を終えられるようにしてあげたいのです。
ちなみに、この学校に通う数多くの生徒の中からソリヤちゃんだけに奨学金を提供することについては、正直、多少のためらいがありました。貧しい子どもは何も彼女だけではなく、まわりの子どもたちの中に嫉妬する者が出てくるのではないかと懸念したからです。
しかし、校長先生にたずねたところ、「まわりの子どもたちはソリヤの置かれた厳しい環境を十分に理解しています。まったく問題ないです」との言葉をもらいました。
彼女の同級生も応援してくれています。
ソリヤとはクメール語で「太陽」を意味する言葉です。今はまだ小さな太陽かもしれませんが、いずれは大きな太陽に育っていって、彼女のまわりを明るく照らしてほしいと願っています。
厳しい環境に負けず、「学校の先生になりたい」という夢を実現するために日々がんばっているソリヤちゃん。彼女がその夢をかなえてあげられるよう、みなさまからの温かいご支援をお待ち申し上げます!
▼資金の使い道
1.ソリヤちゃんへの奨学金(2年間分)=¥150,000
2.現地NGOの管理費・物品購入費・郵送費=¥33,000
3.CAMPFIREへの手数料=¥10,000
4.現地NGOの銀行口座への送金手数料=¥3,500
※以上は1ドル=110円として計算
なお、目標額を上回った場合には、現地NGOが提供している中学生向けの奨学金(一人当たり100米ドル程度)として使わせていただく予定です。変更の場合は、追ってまたご報告いたします。
▼リターンについて
●3000円→ソリヤちゃんからのお礼の手紙を現地からお届けします。
●5000円→上記に加えて、現地で購入したカンボジアの万能布と呼ばれるクロマーをお届けします。
●10000円→上記に加えて、私が地元(鹿児島県肝付町)の町おこしの一環として制作したTシャツ(1枚)をお届けします。町のシンボルである900年近くの伝統を誇る流鏑馬とイプシロンロケットを組み合わせた非常にユニークなデザインのTシャツです。サイズはS、M、L、XL、色は白、黒、紺の中からお選びいただけます。
▼これまでの活動
私がカンボジアの農村の学校を初めて訪れたのは2014年の9月25日のことです。
プノンペンに行った際、現地のNGOの代表と知り合い、彼からの誘いでコンポンチュナン州の中学校を訪れたのが、すべての始まりでした。
そこで目にした衝撃の光景、それは、その中学校の敷地内に建てられた学生寮でした。ご覧のとおり、学生寮とは名ばかりで、実際には掘っ立て小屋のような代物です。
屋根や壁のいたるところに穴が開いて、雨が降ると雨漏りがします。電気や水道は通じておらず、まともな台所もありません。夜の勉強を可能にしてくれるのは、小さなオイルランプだけです。
まさに想像を絶するような環境でした。
その中学校の校長先生が訴えます。
「この学生寮を建て替えて、子どもたちにまともな暮らしをさせてあげたい!」
まずは地元に戻り、まわりの人たちに、このカンボジアの子どもたちのことを話してみよう!そして、支援を呼び掛けてみよう!
それが出発点でした。
すると、どうでしょう。帰国後、近くに住む知り合いの一人から「それくらいだったら、ぼくが出せるかもしれない」という思いがけない言葉が戻ってきて、現地の中学校の敷地内に真新しい学生寮を建てることができました。
2015年7月のことです。
さらにうれしいことには、別の知り合いからも「亡くなった母からの遺産の一部を現地の子どもたちのために役立ててください」というありがたい申し出があり、2016年12月には前述したとおり、ソリヤちゃんの通う学校に学生寮を建て、寄贈することができました。
それに加えて、当会では、これまでに数回にわたり、現地の学校を訪れるカンボジア教育事情視察ツアーを実行してきているのですが、そのツアーにご参加いただいたご夫妻から支援の申し出があり、そのお金は学生寮の建設ではなく、別のNGOを通じて、現地の高校を卒業した生徒たちが大学に進学するための奨学金として使わせていただいています。
▼最後に
以上のように、私の役割はカンボジアの子どもたちの置かれた厳しい環境、そして、そうした環境にもめげず明るく健気に学んでいる子どもたちのことをまわりの人たちに伝え、ひろい心と多少のお金を持った人たちに支援のお願いをすることです。
確かに、こうした活動はしょせん「大海の一滴」なのかもしれません。でも、たとえ小さな支援であっても、目の前にいる子どもたちたちにとっては文字通り、彼らの人生を大きく変えるビッグ・チャンスかもしれません。
これからもできる範囲内で、カンボジアの子どもたちに少しでもチャンスを与えられるよう、活動を続けていくつもりです。
最後までお付き合いいただき、まことにありがとうございました!
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