2021/06/11 05:00

おはようございます。

共同代表 木下です。
クラウドファンディング終了まで残り3日となりました。

今回は「ケール1tの危機」のお話です。

「いちご騒動」が解決しホッと胸をなでおろしたのもつかの間。
「THE ONE」に含まれる「ケール」は古賀農園さんの無農薬ケールを使用し、冷凍加工も既に終わっていました。
新しいレシピ用に別で古賀農園さんにお願いしていた露地栽培の減農薬ケールが5月に収穫の時期を迎えました。古賀農園さんから5月に収穫しないといけませんよと言われていましたが、「いちご騒動」が重なりテンテコマイになっていたので収穫を待ってもらっている状態でした。

しかし、刻一刻と収穫のピークは近づいています。とうとう収穫しないと花が咲き、虫が付き、病気もつくリスクが高くなる週になってしまいました。
これまでうきは市の加工場に加工をお願いしていたのですが、なんと、福岡県の緊急事態宣言の要請で閉鎖(!)

こんなところにもコロナの影響が…。
対応出来ない事を知り、多方面に加工場がないか探してもらったり電話でしらみつぶしに連絡しましたがこれがなかなか見つからない。

とはいえ、気温も上がってきていて収穫の限界は予断を許さない状況。「すぐにでも畑から引き上げないと味が落ちます、例えば冷蔵保管はどうですか?新鮮さを保つ冷蔵保管向きの材料もあります。」と古賀農園さんからのありがたい助言。

そんなことが可能なのかとちょうど契約を始めたばかりの巨大な冷蔵冷凍業者さんが受け入れが可能だったので一度そうしてみることにしました。

一方、同時進行中の加工場探し。
ご紹介で5箇所ほど加工場の情報が入り、電話確認や視察をしましたが、なんせ1tの瞬間冷凍加工です。ロットが大きすぎたり、瞬間冷凍機が無かったり、冷凍加工に慣れていらっしゃらなかったりとで場所によって様々。別ではネットで探して飛び込み電話確認。なかなか決まらずでした。

しかし、諦めるわけにはいきません。

全量買取させてもらう様にしていたのでお金面で古賀農園さんに迷惑をかける事はないですが、丹精込めて作ったケールを捨てるのは絶対哀しいはず。そして、このケールは必ず皆さんの元に届けたい。必死でした。

この気持ちが伝わったのかもしれません。

なんと、FBの投稿を見てくれた友人の紹介で大分県にある「豊後大野クラスター」さんで加工受け入れが可能かもとこと。農家さんの収穫スケジュール確認、運送業者のチャーター、段ボール購入、加工場との受け入れ調整でバタバタでなんとか段取りがつき、まるまる1tお願いする事にしました。
決まった時は本当嬉しかったです。

受け入れが決まったことを古賀農園さんに報告。自分の事のように喜んでいただきました。そしてこう言われました。
「ブランドでストーリー作ろうとしなくても、農に関わればこんな事ばっかりなんで勝手にストーリーになりますよ。今、ワックマさんが体験してるのが農と食のリアルです。挑戦する人の応援はしますから頑張りましょうね」と。


この2つの騒動で気づいたことがありました。
自然と農家さんからの授かり物の野菜・果物を扱うということがどういうことなのか。
①天気や気温に大きく左右されるということ
②オーガニックに近づければ近づくほど病気や害虫から守るために技術と手間がかかり収量も少なくなるということ

このようにコントロールがかなり難しいのです。


九州は突発的な集中豪雨や災害クラスの台風など農家さんを取り巻く環境は刻一刻と変わっています。農家さんはこだわって育てたものが一発で吹き飛ぶようなリスクと常に向き合いなければならないのです。

食卓に並ぶ野菜や果物がどういう背景で作られているか。
ニュースで見るどこか他人事だった自然災害も自分ごととなり、とてつもなく感謝の念が湧きました。

「自然と農家さんと歩む」

私たちはこの感謝の念を伝えていくべく、真摯にものづくりと情報発信に取り組んでいきたいと思います。