☆西果て(さいはて)の町からこんにちは
こんにちは、今回のプロジェクト代表の門原淳一と申します。高校と大学以外は玉之浦で生まれ育ち、地元にある特別養護老人ホームゆうゆうの里の施設長を務めています。
長崎県五島市にある旧玉之浦町は、沖縄県をのぞけばほぼ最西端にあり、町のほとんどが西海国立公園に指定されている自然豊かなエリアです。一方で人口は1300人余りで高齢化率は60%近くと、まちごと限界集落であり、全国の少子高齢化・過疎問題の最先端といえます。
私は3年前に経営を引き継ぎ、分析をした結果、このままでは10年後には廃業もあり得ると気づき、弊社が事業継続できなくなれば、町も決定的なダメージを受けることがわかりました。そこで事業計画の長期目標を『20年間安心して暮らせる玉之浦町づくり』と設定し、戦略立案やマーケティングを行い、事業所が町を引っ張り、巻き込み進めていこうと決めてチャレンジしています。
玉之浦町を象徴するルックポイントである大瀬崎灯台
☆海外からアーティストがやってくる!
Rudy Kistler(ルーディ・キスラー)はオーストラリア在住の画家です。彼の素晴らしい風景画も好きなのですが、じつは3Dアートも得意としています。昨年は日清のCMでサンドアートも描いていました。今年は東京において初めてとなる3Dアート展も開催し、好評でした。
RUDY KISTLER SOLO EXHIBITON「POP OUT!」
3Dアート・プロジェクト『ルーディ・キスラーが玉之浦で3Dアートを描く!』
17年9月、ルーディが五島にやってきて、ゆうゆうの里の屋上全面に3Dアートを描きます!この絵は大瀬崎灯台へ至る道路から見下ろすと立体的に見えるように制作します!屋上の面積は2300㎡で、完成すれば日本最大級の3Dアートになると思われます。
玉之浦やゆうゆうの里の新しい名所となるのは確実であるプロジェクト、完成後は人や経済が動く仕組みも盛り込みます。今回のプロジェクト成果は事業所だけのものではなく、町にも還元することが大きな目的です。
ゆうゆうの里 この屋上全体に作品を描きます
☆玉之浦ワックワク計画
はじめに書いたとおり、この玉之浦町は少子高齢化問題、過疎問題においてかなりのスピードで進行しています。つまり日本の最先端、いやその先まで突き抜けているのです。しかしこの状況は10,20年先の他の離島や過疎地の状況だと言えます。だからこそ全国でも最先端の取り組みを積極的に取り入れて実践しています。具体的には2030年に800人と予測される町の人口を1000人で維持しようと目標を立てています。その目標を達成するために戦略を考え、戦略にもとづいた取り組みを『玉之浦ワックワク計画(以下、TWP)』とよんでいます。
弊社もきびしい状況のなかで、長期目標設定、戦略立案、マーケティングによって市内、県内外でも注目される老人ホームに変わってきました。じつはホームの事業も前述のTWPの一部なのです。なぜかと言うと町なくして福祉事業所は成り立たないからです。このままの状況では10年後、サイアク廃業することも視野に入れており、無関係ではないのです。昨年から住民の有志、事業所の職員を中心として町をイノベーションさせようとチャレンジしている途中であり、今回のプロジェクトにつながりました。
TWPはこの殴り書きからスタートしました
☆ブランディングとマーケティング
TWPのなかで重要なベースとなるひとつがブランディングです。玉之浦町はかつて漁業で潤い、昭和の初めには1万人を超える人口を誇っていました。産業が衰退した後も風光明媚な観光地、充実したイベントによるプラスイメージはあるのですが、それを町の活性化にはつなげきれませんでした。原因は目標と戦略、マーケティングの不在です。通過型観光地である特徴に対して十分な手を打てなかったことが大きいと考えています。とくに人口減少が著しい現在、むやみにイベントを仕掛けても非効率的で地域が疲弊していくことに気づきました。そこでマーケティングとマネジメントにより効率化を図り、いままでとはまた違ったブランディングを構築しようとしています。今回のプロジェクトはそういった過去の経験を糧に、完成して終わりではなく、目標と戦略にもとづいて人と経済を動かす仕組みづくりを目的としています。具体的にはこの3Dアートを実際に見て写真におさめ、地元商店でお金をつかうとキャッシュバックするなどの方法を検討しています。
ゆうゆうの里では長期計画をビジュアル化しました
老人ホームのイメージを変えたい!と車両の色もカラフルにしました
☆ここまでの変化
昨年度に始まったばかりのTWPですが、ここまでの変化をお伝えします。まずは玉之浦で8月に開催される夏祭りはステージイベントを廃止して、古民家松ノ下(空き家だった築80年以上の網元の御屋敷を再利用)を中心としたストリート型のイベントにリニューアルして来場者をふやし満足度を高めています。さらに松ノ下では冬場の閑散期イベントとして夜神楽を開催して好評を博しました。これらはもちろんブランディングが目的です。
港祭りにはプロのヴァイオリニストもサプライズで演奏してくれました
松ノ下最多集客だった冬の夜神楽
人口減少対策として、弊社では幅広い育児支援や待遇の改善、空き家管理に取り組んでいます。SNSなどでの発信力を高めた結果、今年は東京からのIターンで職員が移住してきました。また住宅手当の見直しで、町内に移り住んだ職員夫婦もいます。イベントだけでは人は住んでくれません。実際に住める環境づくりにチャレンジしています。ターゲットはUIJターンのファミリー層です。
ゆうゆうの里事業所内保育園や夏休み児童預り事業などにより育児支援が充実しています
☆プロジェクトの方針とお金の使い道
今回のプロジェクトはルーディの日本でのPR活動ということで、制作そのものに関しては無料となりました。過疎の町や事業所にとって大変喜ばしいことでした(ありがとう!ルーディ!)。しかし、材料費、交通費、滞在費、事前の補修などを合わせると約200万円の予算が必要になることが分かりました。このプロジェクトは弊社のブランディングにとどまらない効果をもたらします。そのため、事業所だけで全額を負担するよりもクラウドファンディングを通して、作品やルーディとともに玉之浦町を広くPRすることを決めました。そして地域(住民や事業所)にも支援をよびかけることにより、広く地域の共有財産にすることを考えています。この作品自体は専門業者によると10年間は観ることができるとのことです。
☆今回のリターン
1.ルーディの作品をポストカード(今回のオリジナル3Dポストカードです)
2.玉之浦町のポストカードセット(5人のカメラマンによる)
3.玉之浦町だけで使用できる商品券(支援内容により変動します。飲食店等で使えます)
4.玉之浦町の物産(オリジナルの水産加工品)
5.宿泊(民宿・ゲストハウス・民泊など)やアクティビティ(シーカヤック体験など)の無料利用券
※すべての発送予定は今年11月を予定しています。
いつか 玉之浦へ どうぞ
☆損はさせません!
さいごまでご覧いただきありがとうございました。玉之浦町は日本の課題の最先端を突き抜けています。だからこそ、まず玉之浦が結果を出して、同じ悩みを持つ地域やこれから同じ境遇になるであろう地域の旗艦(フラッグシップ)になろうと考えています。クラウドファンディングを玉之浦町内で活用するのは2例目となります。最初はIターンの女の子たちが温泉地に立ち上げたゲストハウス「ネドコロノラ」。今回、玉之浦ネイティブがクラウドファンディングにチャレンジするのは初めてとなります。地域にコミットする重要な立場であるからこそ、皆様に支援していただいた成果を必ず町の未来につなげます。いずれ玉之浦町がいろんなメディアに取り上げられる地域になる方法もTWPのなかで考えています。今回もそのひとつです。全国や世界の人の目に留まる日が来たとき、ご支援いただいた皆様が胸を張れるプロジェクトに育てていきます。ご支援、アツイ応援、どうぞよろしくお願いいたします。
最新の活動報告
もっと見る完成披露会について
2017/09/17 10:37こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
制作7日目 完成!そして誕生日!
2017/09/17 10:049月15日(金) くもりのち雨 私が出勤したらルーディはすでに一人で作業していました。後から知りましたが7時から来ていたそうです。雨が降る前になんとか完成させたいとのことでした。結果的に午前10時過ぎ作業完了!雨が降り出す前に完成させました!画像は携帯カメラなのでご容赦ください。なにとぞ現地で実物をご覧になってください。(詳細はプロジェクトのステップ2を後日アナウンスします)実際、ルーディにとっても最大の作品だったので期間が読めませんでした。よく間に合わせてくれたなあというのが感想です。ありがとうございました! そして、申し合わせたわけではないのですがこの日はルーディの誕生日でした。弊社デイサービスにおいて、利用者様や職員と一緒にささやかなお祝いをしました。本人は「毎日がスペシャルデイだよ!」と特別なことを避けていましたが、初の五島+最大の作品完成+誕生日、こんなスペシャルデイもないですよね(笑) もっと見る
制作6日目 ラストスパート
2017/09/17 09:539月14日(木) 曇りのち雨 今日はルーディと小夏さん、二人による仕上げの作業に突入しました。しかも週末には台風18号の接近が予想され、天気が崩れる前に完成させることを決たようです。素人目にはほぼ完成と言っても良い出来なのですが、やはりアーティストは妥協しません。午後3時に雨が降り出すまでコントラストを入れたり、新たにできた池に蓮の葉を描いていました。 写真は制作風景 じつは今回製作期間が早かった理由の一つは観るポイントから見えない死角はペイントしていないのです。なので大瀬崎灯台に至る道路から見えないところはこのうような感じになっています。そして、逆に見える立体構造物はエアコンの室外機からコンクリートまで、できるだけ平面に見えるようにペイントしました。上からではわからない細かいこだわりがたくさん盛り込まれてますし、素人のボランティアも作業したので意外に雑なところもあります。すべてひっくるめての作品となっています。 もっと見る
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