【どこで生まれても、どんなところで育っても】
●埋められない格差
インターネットが普及し、世界中どこにいても情報を共有できるようになりました。また、日本中どこにいても同じコンビニエンスストア、フランチャイズチェーンの飲食店等が並び、都会であっても地方であっても同じサービスが受けられるようになりました。
しかし、地域によってどうしても変わらない、埋められない格差のある分野があります。「文化教養の格差」が、その大きなひとつです。
●文化芸術に触れるチャンス
都会でしか開催しないライブや、お芝居は珍しくありません。東京では身近な歌舞伎や演劇も地方では観たことがない人も多いです。
演劇等を通して学ぶ文化教養は、大人でも馴染みのないという地域があり、そういった地域では、文化的教養はひどく遅れてしまっているのが現状です。
地方でも小学校で何年かに1度、プロ劇団の公演を観劇する機会があります。
これは文化庁が昭和25年度以後に、舞台芸術を感じられる機会の少なさを危惧し、また芸術に関する教育の充実を図るために地方へも巡業を始めたことが今でも続いているのです。このような機会を国が作ってくれたことはとてもありがたく、それだけ舞台芸術が子ども達の教育にとって大切だということでもあります。
生の舞台でしか感じられない迫力、役者の息づかいや汗、音楽の振動。
そのような映画やドラマでは味わえない熱量を感じた子ども達の中には、自分もあんな風になりたい!演じることをしてみたい!と思う子がいても不思議ではありません。
●夢を逃がしてしまう時
スポーツに関しては地方にもいろいろな競技のクラブチームが増えているのですが、舞台芸術となると途端にその機会はなくなります。舞台芸術を経験している大人の人数が圧倒的に少ないため、教える人もいませんし、知識や情報を持った人もいません。
舞台について、幼少の頃に小学校で観劇しただけ、という大人がほとんどでは、子どものやりたい事にアドバイスもできず、周りにサポートをうけるような体制もありません。また、全く知らない事をやってみたいということから、舞台に立ちたいという夢を笑われてしまったり、最初から無理だと言われてしまうこともあります。
野球やサッカーでプロを目指す子がいるように、舞台に立つ夢を見つけた子がいても、その夢に向かって努力する機会が1度もないまま、無理なんだろうと思いあきらめてしまう事や、才能を生かせるものに出会う事すらない現状は、子ども達の夢やチャンスを逃がしてしまっていると感じます。
●都会の子ども、田舎の子ども
都会で育つこと、田舎で育つこと…の違いは様々です。自然の中でのびのびと育つ事は田舎特有のメリットで、良いところも沢山あり、田舎に生まれたから不幸ということではもちろんありません。
文化教養の面で、特に舞台や芝居の世界への教養面の格差がとても大きいこと、そのことが重要視されていない社会に、どうしても疑問を持ってしまうのです。
【なぜミュージカルなのか】
●はじめまして
わたしたちは、石川県加賀市という人口6万6千人のまちで、地元の小学生から高校生の団員が所属、活動しているミュージカル劇団です。2011年に立ち上げ、児童劇団【大きな夢】サポートのもと、ミュージカルの基礎を学び、2013年から毎年ミュージカル公演を開催しています。
●ミュージカルは総合芸術
わたしたちはミュージカル俳優を育てるために、この団体を立ち上げたのではありません。文化芸術に触れる機会があまりにも少ない加賀市。この地域で子どもの成長過程において文化芸術に触れてほしい!という思いのもと、試行錯誤してたどり着いたのがミュージカルでした。お芝居だけでなく、歌と踊りでも表現する総合芸術なら、より高い文化教養が学べるのではないかという思いがあったからです。
ミュージカルを通してひとりひとりに内在する可能性を引き出し情操面の成長を目的として活動をしています。
●活動内容
週に1度、東京から専門の講師を招いて、地区会館や小学校の体育館を借りてレッスンしています。プロの俳優を育てる活動ではありませんが、レッスンは本格的で、歌唱・演技・ダンスとそれぞれの専門の講師から学びます。
1年に1度必ず公演を開催しています。
この公演は単にレッスンの成果を見せる発表会ではなく、チケット代を払って観に来ていただく「舞台公演」として開催しています。
舞台装飾は照明・音響・セット全てをプロの業者にお願いしています。出演者は役者として扱われ、決して子ども扱いはされません。一緒に舞台を成功させるため、劇団員は最後まで確認しあい、自身を奮い立たせて舞台に挑みます。
そうした舞台を地元の子ども達が演じることで、ホンモノの舞台芸術に触れる、それを地元の人が観客となって観に来ていただくことで、観劇の機会が生まれる。毎年の公演は確実に加賀市の文化レベルを向上させていると感じています。
●少しずつ、確実に
地元の方々にも親しまれ、近年は、過去の公演を観た方の口コミで、年々観客が増え、同時に「一緒にやってみたい」という子が入団し劇団員も増え、最初は5名から始まった団員も27名にまで増えました。
本当に少しずつ、それでも着実に進んでいる手ごたえを感じていました。
●地方での運営で立ちはだかる壁
加賀市には、1400席収容可能の大きな文化会館があります。この場所以外に公演が開催できる場所はありませんし、市内での小学校の観劇や音楽会、ピアノ発表会やバレエ発表会、演歌歌手のコンサート等、なにをするにも大半がそのホールで行われます。
このような文化会館は高度成長期に各地方の自治体が設立し、全国に多く見られます。都会では、こういった大規模なホール以外にも小さな劇場があり、その劇場の規模に応じた舞台公演が可能です。 加賀子どもミュージカルの公演はこの1400席のホールで開催するには会場の規模が大きすぎて、運営に見合っていない額の会場費がかかります。
小さな劇場は、東京のように人口が多ければ観に来るお客様の数も多いので経営は成り立ちますが、地方では小さな劇場があったとしても、必然的にお客様の数は少なくなり経営は成り立ちません。その事は理解しています。しかし、会場の選択肢がないことで、わたしたちの活動運営を圧迫しているのも事実なのです。
舞台装置に衣装やメイク、スタッフ等全てはプロと同じ仕様で、費用は子どもといえ、大人のプロの舞台と変わりません。プロの舞台を手掛ける音響や照明スタッフの方はほとんど東京から来ていただいているので、旅費や宿泊費等もかかってしまいます。
【これまでの活動で最大の困難】
●初の公演中止
第一回公演が行われた 2013年から毎年欠かさず開催し、8回目の公演が行われる予定だった2020年。世の中は新型ウイルスに脅かされ、暮らしは様変わりしてしまいました。そして加賀子どもミュージカルの公演もやむなく中止の決断をすることに.......。オーディションで決定したキャストによる練習が始まっていたため、子ども達の落胆は大きなものとなりました。 レッスンも東京からプロの講師を招くことは出来ず、オンラインでの配信レッスンに切り替え、その結果モチベーションが下がり、辞めていく団員が続出。長年かけて少しずつ増えてきた27名の劇団員が19名になってしまったのです。このままでは存続の危機に繋がる可能性も出てきました………
●耐え忍んだ2020年、そして設立10年目へ
結局、2020年はリモートでのレッスンが1年間続き、仲間との悲しい別れもあり、加賀子どもミュージカルにとって耐え忍ぶ年となりました。
そして、2021年………!!今年は、感染対策を徹底した上で公演開催に向け前向きに進んでいこうと頑張っています。
これまでコツコツ地道に続けてきた活動が軌道に乗りかかった矢先に、たくさん失うものもありましたが、設立から10年目の今年、これまで培った経験を生かして、なんとかこの困難を乗り越えたいと思っています。
【加賀子どもミュージカル 第8回公演「ロンの花園」】を開催します!!
2021年8月22日(日)
昼公演 12:30~ 夕公演 16:00~
加賀市文化会館にて
山崎洋子 作の「ひとりぼっちのおおかみ」を 高橋知伽江 脚本にて、感動のミュージカルに。
【この危機を乗り越えたい】
●ご支援のお願い
席数を半分にして開催せざるを得ない公演となりますので、例えチケットが完売しても、赤字になってしまいます。
存続をかけた今年の公演に是非ご支援をお願いしたく、このプロジェクトを立ち上げました。
●リターン
〇3000円
・サンキューメール
〇5000円
・サンキューメール
・8/22 公演 加賀子どもミュージカル「ロンの花園」 配信チケット
〇10000円
・サンキューメール
・お礼動画
・8/22 公演 加賀子どもミュージカル「ロンの花園」 配信チケット
〇50000円
・サンキューメール
・お礼動画
・8/22 公演 加賀子どもミュージカル「ロンの花園」 配信チケット
・児童劇団【大きな夢】の姉妹劇団・【劇団BDP】 いずれかの公演配信チケット1公演
※【劇団BDP】は、サポートいただいている 児童劇団【大きな夢】が運営している劇団です。
※お好きな公演をお選びいただけます。詳しくは支援者の方に直接ご連絡いたします。
〇100000円
・サンキューメール
・お礼動画
・8/22 公演 加賀子どもミュージカル「ロンの花園」配信チケット
・ホームページ・ブログ・SNSにて、ご支援者様のお名前と感謝の気持ちを掲載します(ご希望者様のみ)
・児童劇団【大きな夢】の姉妹劇団・【劇団BDP】 いずれかの公演配信チケット2公演
※【劇団BDP】は、サポートいただいている 児童劇団【大きな夢】が運営している劇団です。
※お好きな公演をお選びいただけます。詳しくは支援者の方に直接ご連絡いたします。
●資金の使い方
コロナウイルス感染対策で座席を半分にすることで、これまでの公演よりチケットの収入が見込めません。また、会場へ来ることが不安な方に、ご自宅から観覧できるように配信チケットを対応しております。公演開催時期の感染状況次第では、急遽、無観客での配信のみの公演となることも予想されます。配信のみの開催となった場合は収入のマイナスはさらに大きくなります。
今回のご支援はこのマイナス分の補填として使わせていただきたいです。
もし、ご支援金の合計が目標の300,000円以上となった場合は、これまでにコロナ対策で購入した消毒液、フェイスガード、アクリル板、リモート用のタブレット、スピーカー、等、また、公演のホールの消毒費用の補填として使わせていただきたいです。
公演開催を目指して、感染対策を徹底して進んでおります(詳しくは 加賀子どもミュージカル 感染対策ガイドライン をご参照ください)
しかしながら、コロナウイルスの感染状況により、止む無く延期または中止せざるを得ない状況になった場合、支援金の返金は出来かねます。その場合、支援金は今後の活動資金として利用させていただきます。(中止の場合、リターン品の配信チケットは、「大きな夢」の他のミュージカル公演の配信チケットとさせていただきます。中止が決まった場合にご支援者様へ詳細をご連絡いたします。)
【夢みること】
●将来の夢になっていく
立ち上げ当初は小学生の低学年中心だった劇団員も、今では高校生になった子もいます。10年のキャリアの中で7回の舞台出演を経験し、舞台への道を夢見る子もいます。好きな事、夢中になれることに出会えて、そしていつしかそれが将来の夢につながっていく、、、これまでの活動がなければ、この夢も埋もれていたのかと思うと、今後も必ず続けていきたいと改めて感じます。
●心の財産となる体験
最初にお伝えしたように、加賀子どもミュージカルはミュージカル俳優を育てる団体ではありません。それぞれ夢は違うけど、多感な時期にミュージカルを通して育った心、不安の中で舞台に立ち成功した時の達成感や充実感は、学校では学べない財産となっていると思います。
●生まれ育ったまちで
過去の公演でのお客様からのアンケートで「加賀にこんな子どもたちがいたなんて」「加賀でこんなに本格的なミュージカルが観れるなんて」という「加賀なのに」という意見が多いこと。
加賀の子にとって、自分のまちで素晴らしい文化教養を身につけられる場。それを提供することは、そこに住む私たち大人がやっていくべきだと、この活動を続ける決意を強く持つきっかけとなりました。
講師は関東を中心に子どもたちにミュージカルの指導をしている方ばかりですが、加賀ではミュージカルを観たことがない、基本的なダンスステップの名前も知らない、という子ばかりで関東の子たちと比べレッスンでは大変なこともあるようです。それでも、加賀の子の明るさ、エネルギーの強さ、仲間意識の高さで毎年の公演成功に繋がっているとのこと。
そしていつも言われるのは加賀の子は声が大きい!
元気で明るい加賀の子どもたちが、文化教養を学べるこの活動をもっともっと広げ、長く継続させる必要があると思い、使命感を持って取り組んでいます。
●最後に
なんども重複しますが………
生まれた地域だけでなく、人はみな生まれた環境によって様々な違いや差があります。不公平感は地方に生まれた子どもだけが感じることではもちろんありません。
けして平等だとは言えない世の中で、少しでも平等になれる場所、夢をあきらめたり逃がしてしまったりしないで済む環境を作ってあげることは周りの大人の役割だということを念頭に今後とも活動を続けていきたいです。ぜひ、ご協力くださいますようお願い申し上げます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
<All-in方式>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る終演御礼
2021/08/27 17:42こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
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