2012/11/18 21:34

テレビ局取材中(1)から続く

写真のミュージシャンはGang。彼は実はもう35歳。子どもの頃から漁師や家具職人などさまざまな仕事を経験して、でもどうしても自分の中にある音楽を忘れられず、結婚した相手の父親に「ミュージシャンなんかとは別れろ」と言われ離婚に至りながらも、ミュージシャンとして生きることを選んでいます。

彼の家を訪ねると、そこにはベッドと服とウォークマンと、歌詞を書きつけるノートしかなくて、そのノートには、現地語ウォルフ語しかできない彼が、へたくそな字で英語を勉強している跡がありました。「You、He、She..」と、英語とウォルフ語が対応させて書いてあります。「ミュージシャンは世界にでていこうとするならば、英語ができないとだめだ」と、まわり(私含む)がいうものだから、35歳になってはじめて英語を勉強し、今からミュージシャンになるために挑戦し、若い子に交じってライブで歌っている彼。

「ほんとうの自分がわからない」とか「もうトシだから〇〇できない」というようなセリフを日本ではよく聞きますが、彼を見ていると、そういう人たちにほんとうにそれでいいのですかと問いかけたいような気持ちになりました。


テレビ局取材中(3)に続く