絶滅危惧オニバスが毎年咲いている善通寺稲木前池
絶滅寸前の古代蓮「オニバス」が咲く自然環境と
稲作の文化や歴史を未来の子供たちにつなげていきたい
オニバスの生育・開花などの情報提供など広報活動や、心地よく見学できる環境整備を行いたい
人類よりも古い古代蓮 オニバス 花言葉は“神秘的”
※環境省指定絶滅危惧Ⅱ類(UV) 善通寺市指定天然記念物 香川県指定希少植物
オニバスが咲く生育環境の保護活動にご助力をお願いいたします
1 弘法大師・空海が生誕された四国香川県善通寺市JR土讃線金蔵寺駅のほど近くに稲木前池という、周囲300メートルほどの小さな溜池があります。雨の少ない讃岐の国には、水田にすぐに水をひきこめられるように、平野部の住宅地域に小ぶりなため池が多く点在しています。稲木前池は、讃岐人にとっては、ごくありふれた農業用のため池です。しかし前池は「ただのため池」ではありませんでした。日本には61ケ所しかない絶滅危惧植物のオニバスが生育するため池、しかも毎年咲きつづけているのは善通寺稲木前池だけという情報もあります。(善通寺市のホームページでご確認を)
https://www.city.zentsuji.kagawa.jp/site/zentsujitoday/onibasu20170819.html
2 オニバス保護のため、地元住民が保存会を立ち上げ、草刈などの維持管理保全作業を行っています。ボランティアで作業をする人を提供するために設立した保存会では、資金力は皆無で、開花情報など見学者への情報提供などの情報公開はできておらず、見学者からは、「せっかく見にいったのに咲いていなかった」などの不便をおかけしていました。ホームページなどでの情報提供や心地よく見学していただける環境整備の資金を募るプロジェクトをお願いすることにいたしました。
3 絶滅危惧種「オニバス」について
オニバス「鬼蓮」は、温暖地の池や沼に生育する大型水浮性のスイレン科の一年草で、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。最大2メートル近くになるゴツゴツしたトゲのある鬼のような葉をつけるのが名前の由来とされ、お盆から秋のお彼岸にかけて、大人の親指くらいの大きさのイソギンチャクのような紫色の花を咲かせます。
オニバスが好む生育環境は水田での稲作と深くかかわっています。
山の湧き水のような澄みきった清流ではなく、水が動かない、栄養豊富な多少濁った水質を好み、光合成の必要から、水深は浅く、発芽・生育・開花・結実の生育過程に応じた水温と水量が必要となりますが、それは稲作の保水管理と重なる部分が多いようです。研究文献に基づけば、オニバスの歴史は人類よりも古く、氷河期の北京原人の時代から生き残っている種で、生物学の分類上では単独種です。原種・単独種であるがゆえに、気象変動への対応力や、ヒシ・ウキクサなどの生物間での生存競争に負けてしまいがちだということです。
さらには近年では、家庭排水や除草剤の流入などの水質汚濁により絶滅寸前となっていました。稲作の村で、里人と共存して暮らしていたコウノトリやトキは、いったんは日本から姿を消してしまい、ホタルやゲンゴロウも、この頃はメダカでさえ姿を見かけなくなってきました。
4 平成19年(2007年)の環境省が滅危惧種「レッドリスト」の指定をする調査では、オニバスの生育が確認された池や沼は日本中で61ケ所ありましたが、毎年咲き続けているのは前池だけだろうということでした。しかも移植や管理生殖された種ではなく、何世代にもわたって、この池で受け継がれてきた自生種だということでした。それは、偶然でも、奇跡でもなく、稲作をはじめた昔から先人たちの生活を支えた稲作文化、瀬戸内地域のため池の保水管理の営みが、オニバスにとっては、気候条件も含めた最適の生育環境だったからでした。
5 絶滅危惧種指定後、開花期には、善通寺市の広報や地元新聞・放送局などで報道されることが増え、市民・住民の関心も高まり、オニバスの希少性や特殊性が徐々に知られてきました。15年前の絶滅危惧種の指定時の調査では、香川県内で生育が確認された池は7ケ所でしたが、令和になり、オニバスの咲く池は20ケ所ほどに増えました。全国的もオニバスが咲く池が100ケ所ほどに増えたそうです。それでも、まだまだオニバスを知っている人は多くはありません。地元の小学校区に暮らす住民でさえ、「オニバスは外来魚のブラックバスの鬼のようにデカいヤツ」と思っている人が多数派だというのが現実です。
参考までに オニバスの希少性は・・・・・
2020年時点での絶滅危惧種は 動物昆虫1446種、植物2270種 計3716種あります。
令和の世となり、オニバスが咲く沼や池は、日本全体で100ケ所程度が確認されています。
代表的な絶滅危惧種の2020年生育推定数は.....
コウノトリ220羽ほど、トキ100羽ほど ヤンバルクイナ1500羽 丹頂鶴1250羽 イリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコ各100頭ほど。オニバスが咲く池や沼は全国で100ケ所ほど。
オニバスの種子はドングリのような固い皮に包まれていて、生育できる「環境がお気に召すまで」は何十年でも池のドロの中で眠り続けているそうです。
6 善通寺と稲木前池
オニバスが毎年咲く前池は、香川県善通寺市の平野部、JR土讃線の金蔵寺駅のほど近くにあります。電車の車窓からは池の案内看板も見えます。
※興味のある方は、グーグルやヤフーなどで検索をしてみてください。
稲木北部自治会集会場の住所で 善通寺市稲木町1154-1
7 オニバス保存会
1)平成16年、前池オニバスが善通寺市の天然記念物に指定され、池の保全管理する水利組合と自治会が「オニバス保存会」を立ち上げ、全員総出で草刈等の維持管理作業や水質保全の作業を行っています
オニバス保存会の歩み
平成14年(2002年) 前池が満濃池や鳴門うず潮などと並んで、四国のみずべ八十八ケ所に選ばれる。オニバスの存在や価値が市民にも知られるようになる
平成16年(2004年) オニバスが善通寺市で初めて唯一の市の天然記念物に指定される。池の保全を担う水利組合と稲木北部自治会が保存会を設立。以降住民総出での草刈作業などの保全活動を継続しています。
平成19年(2007年) オニバスが環境省の絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定される
令和 2年 (2020年) 善通寺稲木前池オニバス保存会としてNPO法人化
※稲作文化と共生する象徴として日本国の天然記念物の指定をめざしています。
2)善通寺市は、資源ごみの分別を全国に先駆けて実施して、環境推進のモデルケースなった自治体です。現在も太陽光発電などのノーカーボン、グリーン政策に率先して取り組み、香川県で初めて「ゼロカーボンシティ」を宣言しました。歴史文化や自然環境保護に対する理解は高く、池の土堤の整備などの土木作業には行政の援助もありますが、開花情報などの情報公開は行政任せで出来ておらず、せっかく見学にきてくれる皆様にとっては、駐車場などの案内や開花時期や時間帯の説明もなく、無駄足も多く不満も多くあるようです。
保存会は、草刈などの保全作業に人をだすのが役目で、広報活動をできる資金も能力もなく、広報活動は県や市など行政の役目と考えていました。しかし、ごみやたばこの吸い殻ポイ捨てや迷惑駐車などの困りごともあり、それ以上に、多くの人にオニバスことを知ってもらいたい、ちょっと「ふるさと自慢」をしたい気持ちもありました。行政任せにせず、生活実感としてオニバスの日々の有り様を最も知っている地元住民が、ホームページなどを立ち上げ、見学者の皆さんへの情報提供を行い、ひいては稲作やオニバスにかかわる文化やノウハウを、未来を支えてくれる子供たちに伝承していくことは、現在を生きている地元住民の責務だと考え、令和2年9月NPO法人を立ち上げました。
8 手入れの行き届いた前池は一年を通して野鳥天国です
9.ご支援いただいた資金の使い方
ホームページの運営などオニバス・前池の広報活動
善通寺稲木前池オニバスの絶滅危惧種指定後、住民の関心もたかまり、開花期の見学者も増えてきました。これまで広報活動などは行政任せで、保存会は独自のホームページや池に設置する掲示板ひとつ持っていませんでした。ご支援金を元手に、開花時期や花が咲く時間帯などの情報を広く皆様にお知らせして、駐車場や交通手段などの説明、見学マナーなどの広報活動を行いたく思っています。ホ-ムページやSNSの開設、善通寺市内や市外周辺地域へのビラ配布。見学者へのオニバスについての説明を記載したビラの据え置き配置したり、できれば保存会役員による見学者案内ガイドを実施したいと考えます。
※広報活動に関しては、例年の開花時期8月を基準にして(募金状況を参照にしながら)プロジェクトの終了前でも実施したいと考えています(個人負担も含めて保存会の費用負担)
2)施設の拡充
稲木前池は、今も現役で利用している農業用のため池です。専属の園芸技術者がいる養育の行き届年いた生物公園ではありません。池を守っているのは地元住民で、維持作業も、保水や草刈りなどの百姓仕事の延長で、園芸の専門知識も持っているわけではありません。駐車場の設備、トイレや雨宿りや休息のためのベンチなどの設備もありません。隣接地を借り受け専用の駐車場を設置してはとか、土堤にスイセンやツツジなど季節の花を植えては、との声もあがっています。誰もが心地よく見学できる環境整備に取り組めればと考ています。
※公園化など環境整備についてはプロジェクトの募金具合に応じて実現化していきます。
【ご支援金の活用方法のめど】 番号は優先順位
1.返礼品作成・発送、掲載料 30万円
ご支援金の活かし方
2.広報費(チラシ・ホームページ作成) 25万円
3.人件費(事務費、開花期の案内ガイド) 25万円
4.環境整備費(花の植樹など) 20万円
ご支援の集まり具合によっては、土堤にツツジやスイセンを植えての公園化も。例えば、地元の小学校に、(アサガオを育てるように)挿し木からツツジを育ててもらい、自分が育てた苗を土堤に植樹して名前を書いた札を根元に。(タイムカプセルのように)大人になっても自分が育てたオオムラサキが前池に咲いている・・・地元のちびっこの時の頑張りが(大人になって都会に移住したとしても)未来の前池オニバスの環境保全につながっているストーリーも・・・(発想段階で未調整です)
10 ご支援いただいた方に、どう恩返ししていくか(リターンについて)
なによりも、オニバスの花が咲き続けることが、支援していただく方々への最大の勤めだと肝に銘じています。今後とも、これまでも行ってきていた住民総出のボランティアで維持管理作業や環境保全の拡充を続けていきます。更には、前池のオニバスを、地元の子供たちや地域の住民たちに伝承していき、水量の加減などのノウハウやコツなどを共有して、次の世代に伝承していくことも重要だと考えています。
◎本稿を作成するのにあたり、環境省や香川県や善通寺市の広報やホームページ、香川県環境研究センターなど多くの文献や、全国の生育地のホームページなどを参考にしました。
使用した写真は全て保存会で撮影したものですが、文面の権利上の諸問題や、見解の相違、事実認識の誤りがある場合も考えられます。お含みおき願います。
善通寺市広報ホームページ https://www.city.zentsuji.kagawa.jp/site/zentsujitoday/onibasu20170819.html
◎オニバス保存会は非営利法人(NPO)ですが認定NPOではありません。このクラウドファンディングで支援いただいた支援金で、支援者様が税制優遇を受けることはありません。
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