【靴下にまつわる豆知識】#3 つま先を閉じる職人技
※「#1 靴下の編立」「#2 踵(かかと)の形成」をご覧いただいていない方は過去の活動報告よりご確認下さい
#2で靴下の踵・つま先の作り方はご説明しましたが、編み上げられた靴下のつま先はまだ空いたままなので縫合する必要があります。それらは大きく分けて2つの方法があります。
①リンキング
…編み目を1つずつ縫合する方法で、リンキングの機械にはめてゆく作業は職人技そのもの。繊細な作業ながらスピーディーに機械へかけてゆきます。ロッソに比べて繋ぎ目がフラットで肌当たりが少ないのが特徴です。その分作業は大変で工賃が高いです。
②ロッソ
…リンキングによる縫合方法を機械化した方法で、繋ぎ目はリンキングに比べるとゴロツキが感じられ、蛇行する場合もある。使用される糸使いや、作業者の熟練度によって仕上がりの差が出てきます。
どちらの方法も作業者の熟練度・技術が要されます。特にリンキングの針へ編み目をかけていく作業はとても繊細で素人には到底できない所業です。
『靴下』というものは、こうした高度な機械と職人さん達のの努力と技術によって出来上がる製品なのです。
これまで紹介した技術はほんの一部で、編み方や柄の出し方などまだまだ奥が深く難しいのが靴下だと思います。普段何気なく履いている靴下ですが、よく見てみると技術がいっぱい詰まっているのです。