2021/08/06 18:00

前回、立体作品は、手で触れて作ることができる「形」と同時に、「空間」を作ることができる、と書きました。

今日は、どういう「形」を求めて制作をしているか、という話です。



「形」

平面も立体も嘘から。


“三次元を二次元にしているのだから、そこには必ず嘘が必要。”

これは大学受験時代、予備校でデッサンを学んでいる時に言われた言葉です。

見たままを描いてもダメなんだ、と。


まさに立体に関しても言える事だと思っています。素材が変われば見え方も変わる。動物の形をスキャンして3Dプリンターで出力したとして、それは造形的に魅力的な形とは限らない。


そして何より、私は存在する動物のそのままを作りたい訳じゃない。


生きものの形は生きるための形。

では造形として、魅力的な形を、どう表現できるのか。


植物との融合はその手段の一つです。植物と合わせることで、生きものの力強さ、美しさ、儚さをカタチとして表現する。

余談ですが、私は「動物」好きではなく「動物のフォルム」好きです。触れるより見ている方が好きです。





さて、そんな想いのもと制作している、様々な生き物モチーフの作品。

お気づきでしょうか。


「ヤギ」だけやたらヤギではないんです。

どういうことかと言いますと、

ねこ


オオカミ


鶏(東天紅鶏)


カエル(ヒキガエル)


・・・ヤギ?



文鳥


ヒツジ


・・・。



はい。もちろん他のモチーフも、本物ではない造形としてのカタチを考えて作っているので、そのままという訳ではありませんが、ヤギだけデフォルメがすごいんですね。


これはもう、山羊蔵たる所以と思ってください。


角を枝分かれさせるとシカ疑惑もありますが、これが鹿かというとそれも微妙なところですしね。まぁモチーフなんてなんでもいいんです。


ヤギでもシカでもない、山羊蔵のヤギ?をこれからもよろしくお願いします。