ごあいさつ
クラウドファンディングで募集を始めて、短い時間の中で多くのご支援とコメントを頂いたことに深く感謝致します。本当にありがとうございます。
クラウドファンディングのページを作成するにあたり、自分自身の「想い」の部分について深くは語っていませんでした。なのでここをお借りし素直に自分の言葉で語ろうと思います。まとまりのない文章になってしまうかもしれませんが、もしよかったら最後までお付き合いください。
納棺師になるきっかけ
高校を卒業し、地元のホテルへと就職。ウェディングプランナーになることが夢でした。結果的にプランナーになることはできませんでしたが、婚礼のスタッフとして音響証明を何件も担当させてもらっていました。笑顔や温かい涙で溢れる仕事に誇りをもっていましたが、ある時ふと本当にきっかけもなかったと思います。真逆のような葬祭業に興味がでました。葬祭業といえば葬儀社とまず考えましたが、より亡くなった方とご遺族に近い仕事はないかと考え納棺師という仕事を見つけ選びました。
会社員時代の想い
毎日誰かの死を見て、亡くなられた方の為に、ご遺族の為に、同じ現場なんてないし時間も限られていて、
その中で自分がどれだけできるか、ここまでしかできなかった、もっと他に方法はなかったのか、自分の選択や結果がご遺族や故人様にとって本当にベストだったのか等悩む現場もありました。
経験を積んで、臨機応変がわかってきたら、それはそれで逆に、1人の納棺師としてどこまで行うのか、どこまでご遺族に言葉を伝えていいのか。自分はたまたまその現場にいた納棺師で葬儀社でもなく、親族でもない。出過ぎた行動や言葉になっていないか。サービスを提供する立場なのに自己満足になっていないかと悩みがなくなることはありませんでした。
他の納棺師の寄り添い方にも疑問が多々ありました。納棺師として提供できるサービスは同じですが、提供の仕方は人によって変わってきます。自分のやり方や考え方が正しいかは分かりません。その答えはご遺族が持っていて、点数を聞かせて頂く事がありません。ただ、故人様の処置を行い血液を取り除いて、その血液の量をご遺族に見せたり、故人様に対し「扱う」という言葉を用いたりということがありました。他にも多々あります。血液を取り除く処置は時には必要なことですが、それをご遺族に見せる意図が自分には理解できません。見せられたご遺族の気持ちを考えるとあってはいけないことだと認識しています。「扱う」という言葉にしても、その言葉はモノに対して使う言葉であると思っています。自分たちが触れているのはご遺族の大切なご家族で「人」です。ですが考えや認識が甘いそういった納棺師がいるのも事実です。
独立の道へ
前述したような自己満足や無配慮のスタッフとは自分の思う寄り添い方ができないと思い、同じ職場で自分と同じ価値観と志を持つ中村と話をし独立を決めました。納棺師のあり方についてスタッフと話をすることも日常的にありましたが、改善が見られず諦めました。
コロナ渦の葬儀の現実を知る
連日コロナ感染者や死者の報道がある中、志村けんさんのニュースが印象に強く残っていました。葬儀社は何か対策やコロナで亡くなった方に対し、特別な葬儀は検討していないのかと疑問に思いました。
納棺師という亡くなった方と接する仕事をしているから持ちえた疑問かもしれません。
こんな施設があれば葬儀まではいかなくともそれに近い事はできるのではないかと思いついたのが今回のプロジェクトの発端でした。ですが思いついただけであってすぐに動いたわけではありません。
理由として
1、自分が考え思いつくぐらいなのだからいずれどこかの葬儀社が始めるだろうと思った
2、自分は納棺師であって葬儀社ではない
3、独立したばかりで行う資金もない
この3つが大きな理由でした。ですがいつまで経ってもそのような葬儀が始まる事もなく死者数は増える一方でした。
コロナの時代に適応する為に
12月になりこのままでは何も変わらないと決心しリサーチから取り掛かります。
・施設を建てる上で材質や広さの指定があるか
・コロナで亡くなった方からの感染があるのか、B型C型肝炎HIVのウイルスとの対処の違いがあるか
・コロナで亡くなす方の病院から出棺までどのような対応なのか(故人様がどのような状態なのか)
など情報収集から始めました。
保健所に問い合わせ建設する上での指定は全くないということ
コロナで亡くなったから触れただけで感染する事もないということ
肝炎やHIV で亡くなった方と同じで、粘膜(目や口腔内、血液など)にはウイルスが潜んでいる可能性が高いのでその点に注意しなければいけない
結核と同じで亡くなった方は咳をしないので飛沫感染がない
など色んなことを知り、理解した上でやはりこの施設が必要で運営が可能であると判断しました。
想い
大切な家族を亡くすことは悲しいことです。ただ悲しいだけでもないんです。明るくにぎやかに送ってあげようとするご遺族もたくさんいらっしゃいます。笑顔が溢れる葬儀もあるんです。どちらが良いということではなく。泣きたいときは泣いて、笑いたいときは笑うっていう感情を出していい場所が葬儀だと思うんです。
それすらできないことが何より悲しいと自分は思います。
人は大切な人ほど死なないと考えてしまいがちです。考えたくない、想像したくないまたは想像できないというのもわかります。
ですが、だからこそ一度想像してほしい。もし大切な人が亡くなったら、、、大切な人が亡くなった時に後悔しないか…。今、一番死を身近に感じるコロナが流行っています。もし、コロナに感染してしまったら、、、もし、コロナで亡くなってしまったら。
そしてそれは今珍しい事でもなく、何万分の1という難病でもなく、コロナで大切な人を亡くしたご遺族が日本だけでもたくさんいることなんです。
最近ワクチンの報道がされない日はないんじゃないかと思うくらいされています。そのワクチンの報道の陰に亡くなった方達がいるんです。
亡くなった方を生き返らせることはできません。けど遺されたご遺族が悲しみを感じ、また生きていく為に、ほんの少しかもしれないけど背中を押せたら。そう思っています。
その為の力をどうかお貸しください。