2021/07/01 12:00
海外のシアターに観劇に行くと、併設されたカフェやバーで、出演の俳優たちが語らっているのに出くわす。気軽に観劇の感想を聞いてくれたり、あるいは、最近の魅力的な演目についてなど、話しに花が咲く。観劇客同士の交流も盛んで、演劇というものが、演じる側、観る側双方にとって、何気なく、馴染み深い存在であることが伺える。
シアターという空間は、人々が、作品を通して世界のありように触れる場であり、演者と観客だけでなく、作者、スタッフの心までもが交じり合う場でもある。そんな心の交流を味わい尽くすために、作品を観る時間、その前や後に、豊かな余白をもたらしてくれるカフェのようなゼロポイントが、シアターに、私たちには必要なのだ。
中嶋 朋子