0、代表挨拶
初めまして、伝統工芸学生アンバサダーとらくら代表の白江勝行と申します。私は現在、大阪府立大学3年を休学して「伝統工芸を未来と世界に繋ぐ」ために、会社や学生団体を運営しています。
このCAMPFIREで皆さんと実現したいことは「日本のアイデンティティである伝統工芸を次世代に継承するエコシステムを構築する」ことです。
こう思うきっかけは、私の祖母や親戚が伝統工芸品丹後ちりめんの職人であったこと、父の家系が板金会社であったこと、日本の歴史が大好きという原体験です。
幼少期から、丹後ちりめんを織る仕事で一家を養うことはとても難しいという話を母から、何度か聞きました。実際に、機織りをしていた祖母は私の生前に廃業しています。また、叔母は今でも糸繰りをしていますが、それだけでなく惣菜を作るお仕事もしています。そういう様子を知ったり、見たりするなかで、日本の伝統文化を支える職人の現状を肌で感じました。
また、父の家系は板金会社を経営していました。地元は小さな田舎でしたが、体育館やドーム屋根、高速道路IC関連など次第に大きな仕事を受注し、会社の規模は大きくなりました。しかし、田舎では仕事がなくなり、都心に進出しましたが経営陣の病気等で廃業しました。私が中学生の時でした。
そういった家庭環境もあり、業界のリアルを当事者に近い立場で見ました。そして今では自分も、文化と地域の手仕事の領域「伝統工芸」で会社を作りました。「日本のアイデンティティである伝統工芸を永久に次世代に継承するエコシステムを構築する」という目的の達成のために、「とらくら」を立ち上げ運営しています。
1、このプロジェクトで実現したいこと
① まず伝える。
日本全国の伝統工芸品を取材し「SNS」で世界中の人々と未来の後継者に魅力を伝えたいです。
日本には国が指定する伝統的工芸品が約230種類、県市町村が指定する伝統工芸品が約1500種類ほど(存在するかは個々で調査する必要あり) 、その他指定を受けていないが伝統的な手仕事が数多く存在します。中には人々にあまり知られていないが、度肝を抜く工芸も存在します。例えば、私の地元京都府の京丹後市には「藤布」という日本最古の布が存在します。縄文時代から重宝されていた藤布は江戸時代から昭和時代前半にかけて消滅したと考えれていました。しかし、昭和37年の民俗調査で丹後山里の村でおばあちゃんたちが織っている姿が偶然目撃され、現代社会の表舞台にたちました。こういった一部の村の人々しか知らない工芸を学生取材部隊で発掘したいです。また、伝統工芸の中には消滅寸前のものも数多く存在します。例えば、博多鋏。700年の歴史を持つ福岡の伝統工芸品で地金に鋼を付け、何度もたたいて研ぎ、焼きを入れて製造します。2020年末、最後の職人さんが他界し後継者が途絶えました。日本全国に点在するあまり知られていない工芸品、消滅寸前だけど半端ない技術と物語を持つの工芸品を探し発信すること、また代表的な伝統工芸品の魅力を深ぼりさらにファンを増やす、そのために日本全国を実際に目で見て周り、SNSで発信していきます。
【参照】
博多鋏:https://www.crossroadfukuoka.jp/traditionalcrafts/products/detail/18
②発信で終わらない。産地に還元する。
アンバサダーが日本各地で出会った伝統工芸品を”お土産”として、支援者の皆様にお届けし、伝統工芸業界の活性化に繋げたいです。
伝統工芸品の職人さんの話を聞くと、「一時的に寄ってきて対応したけど、それほど売上に貢献していない」という声をよく聞きます。認知度をいくら高めても売り上げが上がらなければ、伝統工芸を次世代に繋ぐことはできません。なので、自分たちが日本全国で出会い本気で皆さんにオススメしたい工芸品を、支援金で購入し、支援者の皆様に"お土産"としてお届けします。
③その先に。活動の持続可能性を高める。
皆さんと日本の伝統工芸の未来を共創したいです。
最後にCAMPFIRE を使って支援を公募した理由は、皆さんと一緒に伝統を未来に繋ぎたいと思ったからです。いくら学生が「伝統工芸こんなにステキなんだよ!」って言い続けても、大きな未来を作ることはできません。この業界の課題は想像以上に複雑でした。流通や販促、後継者の問題など課題は様々です。このCAMPFIREを通して1人でも多くの方々が同じ方向を向いて、目標を設定して、アクションして初めて大きな一歩になります。日本の伝統文化である伝統工芸の未来を皆さんと共創したいです。
2、伝統工芸学生アンバサダー 「とらくら」とは
「とらくら」は traditional craft の略称で、2021年1月26日に発足した学生アンバサダー部隊です。伝統工芸を未来と世界に伝えるべく、全国から共通の「想い」をもった学生が集結します。
若者の目線で伝統工芸の思想の深さや魅力を発信すると同時に、学生自身も伝統工芸への理解を深め後世に継承する目的があります。具体的には、伝統工芸のwebメディアやSNS、その他イベントを行います。
伝統工芸品市場は、40年で80%生産額と従事者数が減少する市場です。一方、世界的には日本の伝統工芸に対する評価が上昇傾向にあります。伝統的なものづくりである伝統工芸の持つ「技術・精神・歴史」の情報を正しく伝え、伝統工芸を保護・革新させる、継承させる役割を担うのがこの若者組織です。
とらくら公式ホームページ:https://torakuraofficial.studio.site/
3、なぜ私はとらくらを運営するのか (代表 白江より)
① 伝統工芸が好き
純粋に好きだからです。どこが好きなのかと言うと、日本の伝統文化・自然が詰まっている点です。目に見えない文化的情景の時間軸、1人の日本人として守りたいと思うアイデンティティ、時空を超える自然がそこには存在します。文化は文明とは対照的に、「便利さ」ではなく、「風土」と「情」のプロダクトです。感じる人には感じるし、わからない人にはわからない、ある種ロジックでは説明できないものだと思います。でも、文化と共存する人間として、その深みにハマり生活が豊かになることを実感しました。代表の私はこういった点で伝統工芸が好きです。とらくらメンバーはそれぞれ好きの価値基準を持っています。作る空気が好き・手仕事が好き・アート的なカッコ良さが好き、様々です。工芸の価値は多様です。一種のエゴかもしれませんが、同じ思いを持つ人といろんな視点での好きを原動力にとらくらを運営しています。
② 伝統工芸を繋ぎたい
好きの次に、守りたい・つなぎたいという思いです。好きなもの・大切なものを守りたいと思うのは人間の心理として自然です。でも、伝統工芸はただ守りたい「もの」ではありません。①でも話したように「風土」と「感情」のプロダクトです。伝統芸能や歴史遺跡を守るべき理由と同じように、そこには数百年・数千年の日本人に愛され、革新し、繋がれてきた思いのバトンパスがあります。その過程で、本質を失い目先の利益ばかりを追求し消えたもの・社会の大きな波に飲まれ消えたものがあると思います。でも、今あるものはそんな荒波を乗り越え、先人が思いを込めて繋いだものの数々です。そこには日本国としてのアイデンティティ・日本人としての誇りがあると思っています。これを守ることが日本という国が存在する源であり、ルーツであると思います。
③ 伝統工芸の産業としての無限の可能性
最後に、産業としての可能性です。文化と産業は切り離されない関係です。時代を振り返ると経済圏が存在しないものは熱狂的なファンや後継者がいなくなれば淘汰されています。直近40年の急激な社会変化で伝統工芸は80%生産額が減少しました。しかし、近年その価値を再度見直す動きが強まっています。人類が残した文化を継承する文脈で日本は国際的に活躍する可能性があります。世界で一番皇族の歴史が長い日本、また地方には歴史遺跡や方言、自然、モノづくりが存在します。この文化的独自性をドライバーに世界で独自の産業ポジションを形成することが可能だと思います。日本は"文明"ではなく、"文化"で世界中へ価値を届けることが可能でその一つが伝統工芸です。ここの可能性を感じとらくらを運営しています。
4、これまでの活動
①【学習】伝統工芸学生アンバサダー育成講座 「とらくらカレッジ」
伝統工芸学生アンバサダーとらくらが文化や工芸について正しい知識をインプットし、企画立案や取材へ繋げる人材育成講座。業界有識者によるオンライン講義、講義後は一枚のスライドにアウトプットするアクティブラーニング。全6講座を実施。とらくらメンバー限定で動画閲覧可能です。
②【発信】伝統工芸の世界を若者目線で調査・思考・発信するwebメディアを運営開始。
メディアのコンテンツは ① 伝統工芸事業者を取材するインタビュー記事 ②伝統工芸✖️ X で新たな切り口から伝統工芸の魅力を発信するコラム記事 ③とらくらの活動報告 の3つです。
webメディアはこちら:https://torakura.com/
③【体験の編集】伝統工芸を次世代に継承するイベント企画
Z世代の視点、デジタルネイティブ・SDGsネイティブ・ものよりこと、などの価値観を踏まえてイベントを1から設計し開催。伝統工芸の未来を異業種の方々とコラボし作ります。
1、若手ARエンジニアチーム withAR 共催 伝統工芸withARハッカソン
企画の詳細:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000061162.html
2、KIMONOTO 〜着物を日常に和える〜
企画ホームページ:https://kimonoto20210707.peatix.com/
3、着物専門店 株) やまと 様と「〇〇な着物が欲しい!」トークイベント開催
企画ページ:https://kimonoto20211126.peatix.com/
④【拡散】多様なSNS運用
アンバサダー個人のSNS発信はもちろん、各種公式アカウントの運営にも力を入れていきます。
それぞれのSNSの特徴を考え、運用します。
公式twitter : https://twitter.com/TCDC_torakura
公式Instagram : https://instagram.com/tcdc_torakura
着物Instagramメディア:https://instagram.com/kimono_lookbook
5、その他の実績
① 日本マイクロソフト役員西脇氏が選ぶ日本学生エバンジェリストアワードで、代表の白江が準グランプリを獲得
写真:学生エバンジェリストアワード表彰式の様子
(詳細: https://peraichi.com/landing_pages/view/evangelist2021/ )
② 2021年5月9日~5月16日に開催した伝統工芸withARハッカソンの様子が、陶芸業界の専門誌『陶業時報』6月号に掲載
6、サステナブルなコミュニティ運営への取り組み
活動量に応じてアンバサダーに伝統工芸品と交換できるポイントを発行
とらくらではコミュニティの持続性を高めるために、伝え払いポイントとらくらコインを発行しています。アンバサダーの頑張りに正当なリターンを用意すること、リターンはさらに伝統工芸の業界へとプラスになること、を軸に考えこのシステムを構築しました。
7、このプロジェクトで実現したいこと
8、必要資金と使い道
必要資金:50万円
詳細の内訳⬇︎
10万円 :取材に必要な旅費交通費
31.5万円 :支援者様へのお土産購入代金+送料
8.5万円 :CAMPFIRE手数料
支援額が多ければ多いほど、より多くの生産地への取材と生産地還元が可能になります。
何卒ご支援のほどよろしくお願いいたします。
9、リターンのご紹介
リターンは生産地にメンバーが取材した際に惚れた工芸品を代理購入し、お土産として皆様へお届けします。普段オンラインショップで出回っていないものや限定品を厳選します。
10、募集方式について
本プロジェクトはAll or Nothing 方式で実施します。目標金額に満たない場合は、計画を実行しリターンをお届けすることができません。
11、最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。このとらくらと言う取り組みは、昨年の9月に株)wakonart社で構想し現在に至ります。当時は私含め5名で動いていましたが、発信力が圧倒的に不足し自分たちの活動の意義を見出せなくいました。しかし、一般社団法人伝統文化デジタル協議会の方々のご協力やtwitterを経由して多くの学生が集まってくれて今やっと走り出しました。これからこのコミュニティは日本の伝統工芸の業界の”継承”においてなくてはならない存在になると思います。その大きなムーブメントを一緒に起こしたいです。何卒、ご支援のほどよろしくお願いいたします! 代表:白江
リスク&チャレンジ
※リターンに関する返品・返金はお受けいたしかねます。
※市場で類似品が発生する可能性がございます。
※生産状況により商品のお届けが遅れる可能性がございます。
クラウドファンディングの性質上、以上の注意点につきましてあらかじめご理解とご了承いただいた上でご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
特定商取引法に関する記載
販売事業者名:株式会社wakonart
企業ホームページ:https://www.wakonart.co.jp/
代表者氏名:白江勝行
所在地:〒599-8107 大阪府堺市東区白鷺町1丁6-10 305号
メールアドレス:wakonart.info@gmail.com
送料:送料込み
返品・交換:欠損がない場合、対応不可
その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、共通記載欄など下記をご覧ください。
最新の活動報告
もっと見る【感謝】関西取材&見学旅行のご報告
2022/04/03 21:44関西取材旅行の報告この度は「とらくら」の活動にご支援を賜り、誠にありがとうございました。私たちがどんな場所に行き、何を学んだのか、僅かながら紹介します。今回、お邪魔させていただいたお店、施設、工房様一覧(訪問順)・嵯峨螺鈿 野村 様・嵐山 祐斎亭 様・京空間mayuko 様・近江下田焼陶房 様・膳所焼窯元 陽炎園 様・西陣織 フクオカ織業 様・京友禅 彩琳株式会社 様私がこの3日間で感じたのは「情熱」です。お話を伺った皆様に共通していたのは、工芸が好きだという気持ちと、いいものを作りたいという気持ちでした。今、工芸は衰退の一途を辿っています。いくら技術を記録に残しても、どんなにその工芸が好きな人がいても、作り手がいなくなれば途絶えます。それは、自然の成り行きなのかもしれません。それでも私たちは工芸のことが好きです。私の生まれ育った国には、慣れ親しんだ町には、こんなに素敵なものがあるんだと、次の世代の人にも思って欲しいのです。作り手ではない私にできることは、工芸を学び、工芸好きの仲間を増やしていくこと。「とらくら」はこれからも、工芸の魅力を発見し、伝える活動を続けていきたいと思います。「とらくら」は今までオンラインでの活動を主体としてきたため、今回初めて顔を合わせるメンバーがたくさんおりました。画面では分からなかった雰囲気に驚き、機械を通さない声で会話し、初めて打ち解けられたように思います。現場を直接見られるチャンスと、とらくらメンバーが集結するチャンスを頂き、ありがとうございます。今後も、「とらくら」を見守っていただけますよう、お願い申し上げます。伝統工芸学生アンバサダーとらくら2期生コダマ関西取材旅行の様子ご支援、本当にありがとうございました。ぜひ今後とも応援のほどよろしくお願いいたします!伝統工芸学生アンバサダーとらくらのSNSはこちら公式Instagram https://instagra.com/tcdc_torakura公式twitter https://twitter.com/tcdc_torakura公式webメディア https://torakura.com もっと見る
【ご報告】2022年3月26日~28日 京都と滋賀の伝統工芸工房を7名で見学&取材することに決定!
2022/03/22 12:11いつも応援いただき、ありがとうございます!伝統工芸学生アンバサダーとらくら初代学生代表の白江です。以前CAMPFIREでご支援いただいたおかげで、沖縄や東京のメンバーも京都に集結し、見学と取材企画が実現します!2022年3月26日~28日に、沖縄、東京、関西からメンバー7名が集結し、京螺鈿・夢こうろ染め・黒糸目友禅・草木染め・近江下田焼・膳所焼・西陣織・京友禅の工房を2泊3日で巡ります。自分たちの目線でリターン品のお土産を選定します。下記のInstagramでも見学の様子を発信していきますので、ぜひご覧いただけますと嬉しいです!https://www.instagram.com/tcdc_torakura/ もっと見る
プロジェクト終了のご報告とお礼
2022/02/06 19:53【プロジェクト終了のご報告とお礼】2022年2月5日 23時59分をもって、クラウドファンディングが終了いたしました。23名、536,111円ものご支援をいただきました。誠にありがとうございました!!寄付での応援だけでなく、SNSでの拡散や応援メッセージを多くいただき、本当に励みになりました。ありがとうございました!!伝統工芸学生アンバサダーとらくらは1月26日をもって2年目を迎えました。1年目は運営体制の整備や幅広い活動に挑戦しました。2年目はより運営体制も明確になり、活動もより活発にできると思います。webメディア torakura.com を軸とした情報発信と外部の企業とのコラボを通して、より多くの方に自分たちの等身大の「好き」を伝える活動を展開していきます。今後もぜひ伝統工芸への関心と、私たちへの応援をいただけると嬉しいです。本当にありがとうございました!今後もよろしくお願いいたします!!伝統工芸学生アンバサダーとらくら代表 白江 もっと見る
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