去年の今頃は一号店の「錆御納戸(さびおなんど)」を作るための僕たちの最初のクラウドファンディングに挑戦していました。プロジェクトは華々しく目標金額を達成し、華々しいスタートを切れたように見えました…皆さまからの温かな応援をいただきながらスタートが切れたのですが、良くも悪くも想定外の出来事にたくさん見舞われてこの一年間やってきたなあと振り返ります。まずはコロナ。プロジェクト立ち上げ当初から不確定な要素ではありましたが、一年先まで影響が及ぶとは思ってもいませんでした。(感染状況だけ見ると去年よりも悪化している…)プロジェクト進行においても、初めての業者さんたちとのやり取りでスケジュール管理が甘々で、オープン準備がギリギリになってしまったり、宿泊料金の設定が落ち着くまでに大きく変動させてしまったり、想像以上に集客に苦戦したりとたくさんの困難が立ちはだかりました。ここまで暗い話を出しましたが、苦労話は絞り出しても上に挙げたくらいのものですが、この町で事業を立ち上げてよかったなと思うことはこの一年で無数に生まれました。とくに僕の中で大きいのは、「おかえり」を言う回数や、言える人が増えたということ。宿を始めるまでは、そんな言葉を稲取に来てくれた人に投げかけることはほぼなかったと思うのですが、今では何人もの人に言うことができる。これは、自分自身が地域に根を下ろして事業に取り組み始めたからこそ発せられる言葉だと思うし、同志・仲間・友人の来訪を心待ちにしているからこそ出てくるものなんだろうなと感じています。来訪いただくお客様は関係が深まると、別の間柄に変わっていくんだということがとても楽しくて、人との出会いの中で自分自身が変わっていけること、相手にも少なからず影響できていることを実感するたびに幸せを感じています!この一年だけでも、たくさんの志をともにできる友人が増えました。これからもこのつながりを大切に育んでいきたい、二軒目のプロジェクトはその受け皿としてもってこいの場所に育て上げていきたいと思っています。今回は少ししんみりした投稿となりましたが、コロナに負けず台風に負けず経営を続けていきます!!荒武