ごあいさつ
はじめまして。パラカヌー日本代表選手の関根徹哉(せきねてつや)と申します。
数あるプロジェクトの中から、このページをご覧いただき誠にありがとうございます。
私は5年程前に転落事故で首の骨を骨折。頸髄完全損傷(c6)という重度の障がいを負い、車いす生活を送っています。
頸髄損傷とは、脊椎(背骨)の中を通っている脊髄神経のうち、運動機能や感覚機能等をつかさどる首の神経(頸髄)を損傷することで、私の場合は胸部から下の神経伝達機能が完全に絶たれてしまった「完全麻痺」の状態。手・足・体幹が機能しないうえに、起立性低血圧、うつ熱(汗が出ないために体温調節ができない)、痙性などの症状が出やすく、膀胱や直腸機能にも障がいを抱えています。
自律神経も損傷したことにより血圧をコントロールできず、ベッドを上げるだけで意識を失ってしまいます。病院でのリハビリは、何度も気を失いながら上体を起こす練習から始めました。
そんなわけで、当初は車いすを漕ぐことすら容易ではありませんでしたが、子どもの頃から運動が好きだった私はリハビリを兼ね、公営のスポーツセンターで一般の人に混じってトレーニングを開始しました。
パラカヌーとの出合い
そんなある日、私は「東京都パラアスリート次世代選手発掘プログラム」が開催したイベントを通じて「パラカヌー」と出合い、地元の江東区カヌー協会に所属。
障がいの重さが壁となり、水上での乗艇まで3年近くかかりましたが、江東区をはじめコーチやトレーナー、友人など多くの方々のサポートを受けながら日々トレーニンングを続けてきました。
トレーニングのサポートをしてくれるトレーナーやサポーターの方々(感謝‼︎)
△カヌーへの乗降も、カヌーの移動や着水も
自力で行うことができないため
乗艇にはトレーナーやサポーターの方々の
協力が必要となります
ところが、一度カヌーに乗ってパドルを漕ぎ始めると、水の上を滑るように前へ前へと突き進んでいくことができます。
心地のよい水音を聞きながら力いっぱいに水を掻く。水上や水際の移りゆく景色を眺めながらスピードに乗って風を切る感じもたまりません。そこには自然と一体になって身体を動かし、自由にカヌーを操っている自分がいる。障がいによる苦痛や不安からの圧倒的な解放感を覚えた私は、パラカヌーがもつ無限の可能性を追求したいと考えるようになったのです。
こうして多くの方々のサポートを受けながらパラカヌーに取り組んできた私は、2020年9月に石川県で開催された「令和2年度日本パラカヌー選手権大会」の「ヴァー種目男子VL1」で初優勝。
△受傷時からお世話になっているドクターも驚くほどの筋力がつきました
△その時の模様を「東都よみうり新聞」様の1面記事でご紹介いただきました
この2021年3月には香川県府中湖での「2021パラカヌー海外派遣選手選考会」へ出場。優勝を果たし、「ヴァー種目男子VL1」で日本代表選手に選出されるまで力をつけることができました。
パラカヌーVL1の現状
しかしながら、体幹と両下肢の動きが非常に低下した障がいの重い選手のみが出場できる「VL1」の競技人口は極めて少ないのが現状です。
それもそのはず。そもそも体幹が効かなければ、一人で座っていることさえ無理なのですから、「カヌーなんかできるはずがない」と考えるほうが普通です。
しかも、競技に欠かせない補助用具から練習や遠征に帯同してくれるサポーターの確保に至るまで、すべて自費で賄わなくてはならないとなれば、なおさら。さらに競技参加へのハードルを高くしています。
※パラカヌーは3つのクラスに分かれており、VL1とは、VL2、VL3よりも身体に重度の障がいをもつ人を出場の対象としています
パラサポWEB
https://www.parasapo.tokyo/sports/canoe
世界への挑戦
カヌーは「障がい者/健常者」にかかわらず、水上で自然と「共生」でき、その人のペースで自由に楽しむことができる魅力あふれるスポーツです。
そう、カヌーに車いすは必要ないのです!
△水上でのトレーナー(健常者)と私
2021年9月、私はデンマーク・コペンハーゲンで開催される「カヌースプリント世界選手権(2021 ICF canoe sprint & paracanoe world championships copenhagen)」の「パラカヌー世界選手権」へ出場することを決意しました。
頸髄を損傷し、両足はおろか両手も麻痺。体幹も使えない障がいをもちながら、パラカヌー競技に取り組んでいる選手は世界でも少ないでしょう。
それでも、今回、「カヌースプリント世界選手権」で行われるパラカヌー「ヴァー種目 VL1」への出場を決めたのは、障がいが重くても他の選手と変わらないレベルで競い合うことで、「パラカヌーの魅力」を世界中の仲間にアピールできると考えたからです。
プロジェクトの目的
世界の大舞台に立ち、私と同じような障がいをもつ仲間にパラカヌーの魅力を伝えたい!
水上で心地よく身体を動かすことで、障がいで低下した体力や運動機能は向上し、精神面でも生活面でも自分らしさを取り戻すことができるのです。
かつての私もそうであったように、人生半ばで重度の障がいを負った人は、とかく生きる目標や自分らしさを見失いがちです。
そのような人たちに、障がいに負けることなく、目標に向かって努力し続けることで広がる自らの可能性を信じてほしい。そして何よりパラカヌーを通じてつながる仲間との出会いや幸せを届けたい!
△ 同じ江東区カヌー協会に所属している瀬立モニカ選手と
△ 最近ではパラカヌーを通じたリハビリや社会復帰などの体験を講演することも
しかしながら、「パラカヌー世界選手権」に出場するためには、私の競技活動をサポートしてくれるトレーナーや帯同者をはじめ多くの方々の協力に加えて多額の資金が必要となり、皆さまにご支援をお願いすることにいたしました。
資金の使い道・実施スケジュール
2021年9月15〜19日に開催される「パラカヌー世界選手権 コペンハーゲン」への出場にかかる旅費や宿泊費、帯同者(コーチ、スタッフ)の遠征費、強化合宿費などに使わせていただきます。
1. 旅 費:150万円(競技用具の輸送費を含む、成田-コペンハーゲン往復3人分)
2. 滞在費: 46.5万円(現地での移動費等を含む、コペンハーゲン11日間 3人分)
3. 強化練習・合宿費: 70万円(現地までの移動費等を含む)
4. 帯同者の日当: 90万円(90日×2人分)
5. 競技用具調整費: 50万円
6. CAMPFIRE手数料: 93.5万円(17%+消費税)
=合計 500万円
最後に
頸髄損傷患者を代表して世界の大舞台で戦ってきます。そしてパラカヌーの魅力を世界中にアピールして大いに盛り上げ、パラカヌーVL1に挑戦する仲間を増やしたい!
ぜひ、皆さまからのご支援、ご声援をよろしくお願いします!!
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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