2021/07/17 20:30
柿渋+反応染料で日本の彩りを表現

今回作った悠閑タオルでは落ちついた日本の彩りを表現するために、2段階の染色を行っています。

まず、反応染料(綿の染色で使用される一般的な染料)で柿渋の茶系の色目をのぞいた染料配分(レサイプ)で日本の彩りのベースとなる6色に染め分けます。

そして、全色に柿渋染め。柿渋染めの茶系の色目が付加されて、それぞれの色目が少しくすんで落ち着いた色目となりました。



色名とその由来

苅安色-かりやすいろ -

 青味もしくは茶味の黄色。もとはイネ科ススキ属の苅安の茎と葉を用いて灰汁を媒染として染めていた。


茜色-あかねいろ-

 古来、茜草の根っこで染めた渋みの濃赤のこと。飛鳥時代は真緋・緋(あけ)、赤色(あかいろ)、平安時代は茜色(あかねいろ)、江戸時代は茜染(あかねぞめ)と呼称。


深川鼠-ふかがわねずみ-

 青味の薄鼠色。湊(みなと)鼠は同色。薄い藍染の色味である浅葱(あさぎ)色の色味をさらに抑えてグレイッシュにした色。深川のおしゃれな若衆や渋さを好んだ芸妓が愛用したことが由来。


青鈍-あおにび-

 黒味の青色。かつては藍染の後に槲(かしわ)の緑葉を木酢酸鉄の媒染で染め重ねて色が作られた。


小豆色-あずきいろ-

 小豆の実の色。栗色にやや紫味を帯びた赤褐色。


江戸紫-えどむらさき-

 江戸で染められた紫の意味で、今紫ともいう。青みを帯びた紫。